気仙沼のバッグを通じた人と人とのつながり
2012年05月25日
こんにちは。BenesseLifeSmile Shop(ベネッセライフスマイル ショップ)の持田です。今回は、こちらのブログで開発決定のご報告をさせていただいた、宮城県気仙沼市のギャラリーショップ「縁」(えん)さんとのコラボレーションバッグの、その後についてご紹介します。
(【関連ページ】気仙沼のギャラリーショップ「縁」さんを訪ねて)
まずはバッグにまつわるストーリーをうかがうため、「縁」さんを運営する会社『GANBAARE!』さんのオーナーである清水敏也さんのもとに足を運びました。
震災で大打撃を受け、社員全員を解雇することに
清水さんは八葉水産さんという水産加工食品を扱う会社を経営されています。昭和47年に気仙沼の地で生まれた八葉水産さんは、いか塩辛や味付めかぶなどの商品を、地元のみならず各地のデパートなどでも展開。多くのかたに愛されて、創業40周年を翌年に控えた2011年3月11日、あの震災が気仙沼の街を襲いました。
6つあった工場や冷蔵施設が壊滅的な打撃を受け、およそ18億円もの被害を受けてしまった清水さんは、社員全員を解雇することに。雇用保険で社員の生活を守るため苦渋の決断でした。
「僕にとって社員は家族同然。誰かを残して、誰かを辞めさせる、そんなことはできませんでした。全員残ってもらうか、全員解雇するか。その選択肢しかありませんでしたね」。
社員への退職金を払い終えたら、清水さんは会社をたたむことを考えたそうです。
気仙沼から「頑張ろう!」を届けたい
「すると、解雇した社員たちが『今日は何をしますか?』って毎日やってくるんですよ。で、皆で瓦礫を片づけて、毎日、皆でご飯を食べて、皆で共同浴場に入って......」。
工場の社員さんたちだけではありません。気仙沼には縫製会社で働いていたすばらしい縫製技術を持つ女性たちが大勢いました。
「震災で職を失ってしまった女性たちの力を無駄にしてしまうのはもったいない。彼女たちのパワーを結集してバッグや小物を製作する会社を作ろう。そして、もういちど皆で頑張ろう! 頑張れ!って」。新しい会社の名前は決まりました。『GANBAARE!』(ガンバーレ!)です。
「縁」さんで販売しているバッグの中では、カツオやウミネコなどが元気に泳ぎ、飛び回っています。気仙沼の地を象徴するモチーフを使用することによって、美しい街を取り戻すためにもういちど頑張ろう! そんな想いが込められています。
「震災後、しばらくは途方にくれていましたが、皆で瓦礫を片づけていると、だんだん元気が出てきました」と語る清水さん。今では八葉水産さんの本社工場や第2工場も再開し、社員の再雇用も進んでいます。
「縁」さんの店内にディスプレーされているバッグたち。デザインには「気仙沼」や「KESEN-NUMA」の文字、カツオやウミネコなどのモチーフが。評判を聞きつけて、このバッグを愛用するタレントさんやモデルさんもいるそうです。
『GANBAARE』さんの工房で働いているのは全員女性。その多くは子育て中や子育てを終えたかたたちです。
清水さんと気仙沼の人々......。人と人との想いがつながった瞬間です。こちらのコラボレーションバッグは、この夏BenesseLifeSmile Shopで販売予定。今後も情報をお伝えしていきますので、ぜひ楽しみにしてください!
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