気仙沼のギャラリーショップ「縁」を訪ねて
2012年04月06日
こんにちは。BenesseLifeSmile Shop(ベネッセライフスマイル ショップ)の持田です。
今回は宮城県気仙沼市の現状と、その地で復興のためのメッセージを発信しているギャラリーショップ「縁」(えん)さんをご紹介させていただきます。
宮城県北東端の太平洋沿岸に位置する気仙沼市は、造船や水産加工などの水産業で有名な地域。2011年3月11日に発生した東日本大震災では、地震そのものに加えて津波による大きな被害を受けたのは記憶に新しいところです。東北を応援するために私たちに何ができるのか……。日本ユネスコ協会連盟さんからご紹介いただいた「縁」さんを訪れるために、震災から1年が経った2012年3月、私たちは気仙沼に向かいました。
(【関連ページ】カンボジアの子どもたちを救うチャリティーバッグ登場!)。
移動の途中、真っ先に私たちの目に飛び込んできたのは、津波によって流されてしまった気仙沼の街並み。海岸から数百メートルはあろうかという場所に流されてきた大きな漁船を目の当たりにした瞬間、言葉が出ません。
気仙沼から復興のためのメッセージを発信するお店
海岸から高台に向かって車を5分ほど走らせると、純和風のたたずまいが眩しいギャラリー「縁」さんが登場。もともと水産業をしていたオーナーの清水さんが震災後、地元のかたの就業支援のために「GANBAARE!」さんという会社を設立。そこでデザイン、製造したバッグなどを販売しているのが「縁」さんです。一緒に何かできないかと扉を開きました。
気仙沼から日本に元気を届けようというメッセージを込めたバッグや小物を販売している「縁」さん。2011年6月11日にオープンしたショップです。
商品のバッグは気仙沼の女性たちがハンドメードで製作
復興のためのメッセージを気仙沼から発信するために製作されたバッグは、帆布と硫化染めのコラボデザイン。お店の近くにある工房は、オーナーの清水さんが経営する八葉水産さんの一角にあります。工房をのぞかせていただくと、そこには気仙沼に住む女性たちが脇目もふらずに作業している光景が。合計6名の女性たちがひとつひとつていねいに縫製をしている姿が印象的でした。
昔ながらの硫化染めと言われる手法で染色された生地。色落ちしにくく、デニムのように使えば使うほど味が出てくる風合いが特徴です。硫化染めの生地には気仙沼の象徴であるカツオ、うみねこ、松などのモチーフが。「染料につけて乾かす」を3回繰り返してモチーフが染められていく手の込みよう。約2週間かけてようやく生地が完成します。
染められた生地と帆布を縫製。有名アパレルメーカーで縫製に携わっていた経験豊富なスタッフの技術は丈夫な作りにも定評があります。ひとつのバッグを縫製するのにかかる時間は約30分。すべて手作業のため、「製造を間に合わせるのに必死」だそうですが、その分ハンドメードの魅力がギュッとつまっています。
気仙沼を元気にしたい、気仙沼から元気を届けたいという想いが込められた和テイストのデザイン。使いやすいネイビーを基調とした色づかいなので、どんな服装にもマッチするのが魅力です。
震災から1年経った気仙沼の今は……
がれきの山は徐々に片づけられてきてはいるものの、「まだまだ人手が足りない」と「縁」の店員さんたちは言います。今後は物資の支援だけではなく、お子さんやお年寄りの心のケアが重要とも。話し相手になってくれるだけでも有り難いと訴えます。
店員さんたちによると、「徐々に片づけられてきている」とのことですが、がれきの山は、依然としていたる所に存在しています。
海岸近くに建てられた「復興屋台村 気仙沼横丁」。海産物や野菜などの物販をしているお店のほか、飲食店も軒を連ねています。
「復興屋台村 気仙沼横丁」のすぐそばに横たわる船。記憶を風化させないために残しておくべき、悲しい傷跡を忘れたいから撤去してほしい、というふたつの意見に分かれているそうです。
BenesseLifeSmile Shopとのコラボバッグ開発が決定!
完全な復興までには長い道のりであるという印象を受けた一方、美しい気仙沼をもう一度見たいと願って奮闘している「縁」さんの女性たち。その頑張りを間近で見た私たちは、一過性に終わらない継続した支援をしていくことの重要性をあらためて感じたところです。そこでお知らせです! BenesseLifeSmile Shopでは、「縁」さんとコラボレーションしたオリジナルバッグの開発を決定! 夏の販売を目指して開発をスタート致しましたので、楽しみにお待ちください。
今後もこのブログでは「縁」さんとのコラボバッグの開発情報や東北のかたの活動などをご報告していきたいと思っています。
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