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【大学入試の新常識④】 私立大の入学者の半分が推薦ってほんと?

スライド1.PNG保護者世代にとって大学入試の「推薦」というと、一部の成績優秀者や一芸に秀でた人のもの、という印象がありませんか?

ところが今どきの大学の推薦入試は、学生にとってもっと身近な入試方式になっているんです!

そこで今回は大学の「推薦」入試にまつわる新常識をお伝えします。「学校推薦型選抜(旧推薦入試)」や「総合型選抜(旧AO入試)」の違いなどもご説明いたしますよ!

1 「推薦」の入学者は私立大・国公立大ともに増えている!

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近年「推薦入試(これからの学校推薦型選抜)」や「AO入試(これからの総合型選抜)」といった推薦入試は増えており、私立大の入学者の半数以上が推薦・AO入試での入学となっています。

また、国立大では今後、定員の30%を推薦入試で選抜する方針が出されており、実際、2021年度入試では推薦の募集定員が増やされています。

今や「推薦」は、決して一部の限られた人たちの特別の入試方式ではないのです。

2 試験では教科学力以外の力も評価される!

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推薦がそんなにポピュラーになっていたなんて、どんな選抜方法なのか気になりませんか?

「学校推薦型選抜」も「総合型選抜」も、高校時代の「調査書」や「志望理由書」による書類選考があります。

 それにプラスして、小論文・プレゼンテーションや口頭試問、独自の教科テストや検定試験の成績、もしくは「共通テスト」などで教科学力を測ることも義務づけられています。

従来、推薦入試やAO入試では「学力テスト」を課さない大学も多かったのですが、今は受験生の教科学力も重視されるようになってきました。

「調査書」に載る高校の成績は、いつの成績?

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 書類選考に使われる「調査書」には、高1から高3・1学期(前期)までの成績が記載されます。

大学側からは、出願条件として「評定平均(=全教科の5段階評価の平均)3.5以上」、難関国公立大では「評定平均4.3以上」などと提示されるケースが多くなっています。

そのため推薦を狙うなら、高1・高2の早い時期から、毎回の定期テストで好成績を取り、通知表の5段階の評定を上げておくと有利になります。

また「調査書」の課外活動の記録欄には、高1〜高3までの部活や探究活動、委員会、資格・検定、各種コンクールの成果などが詳しく記載されます。

このように推薦は、当日の学力テスト1回きりでは測れない、日頃の学習面のがんばりはもちろん、高校時代の様々な活動や学びの姿勢を多面的に評価されます。

3 学校推薦型選抜と総合型選抜には違いがある!

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さて「学校推薦型選抜」と「総合型選抜」の違いはなんでしょうか?

最も明確な違いは「出願に高校の校長先生の推薦状がいるか、いらないか」です。


「学校推薦型選抜」には高校の校長先生の推薦状が必要で、一方の
「総合型選抜」には推薦状は不要、自分で決めて応募できます。

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ここで「学校推薦型選抜」の特徴をさらに紹介しましょう。

「学校推薦型選抜」には「指定校制」と「公募制」があります。

「指定校制」は大学から指定された高校の在学生のみ応募でき、「公募制」は学校長の推薦があればどの高校からも応募できるのが特徴です。

「指定校制推薦」の推薦枠は1校あたり1〜2名と少ないため「狭き門」となっています。出願の成績基準も高いケースが多いです。


「公募制」には「一般推薦」と「特別推薦」があります。

公募制の「一般推薦」には、書類審査や面接、小論文を課すケースが多く、口頭試問なども。

また出願に必要な成績基準は高めで、共通テストが課されるケースもみられます。

一方、公募制の「特別推薦」は、スポーツや文化活動、課外活動などの実績が評価されるのが特徴です。

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次は学校長の推薦のいらない「総合型選抜」の特徴を紹介します。

総合型選抜は、大学が求める学生像(アドミッション・ポリシー)に沿って評価が行われる入試方式で、「なぜその大学に行きたいか・何を学びたいか」が重視され、主な選抜方法として面接、ディスカッションを重視する「対話重視型」と、書類審査、小論文などを重視する「書類・論文重視型」があります。

今までのAO入試では「志望理由書」「面接」が重視され、学力テストは課されないイメージもありましたが、2021年度入試から総合型選抜に変わり、学校推薦型選抜と同じく、各大学が実施する評価方法に、共通テストを含む教科・科目に係るテストや小論文、プレゼンテーションなど、学力を確認する評価方法を活用することが必須となりました。

4 推薦は高3夏から秋が勝負!

さて「学校推薦型選抜」と「総合型選抜」の特徴がわかったところで、それぞれの出願から合格発表までの流れをみてみましょう。

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「総合型選抜」は9月に出願し、11月に合格発表の見込みです。

一方「学校推薦型選抜」は、11月に出願し、今年は12月1日以降に合格が発表される予定です。

5.「一般選抜対策」と両立する覚悟が必要!

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こうしてみると、推薦は「一般選抜」より早めに合格が決まる点でも魅力を感じるかもしれません。

でも1つだけ注意すべき点があります。

それは万が一、推薦で合格できなかった場合に備えて「一般選抜」の受験勉強と両立して準備を進めなくてはならない、ということです。「学校推薦型選抜」も「総合型選抜」も、通称、推薦入試と呼ばれるため惑わされがちですが、合格が保証されているわけではありません。

一般選抜対策と推薦対策の両立ができるかどうかをよく考えて、受験を検討する必要があります。


とはいえ、お子さまの絶対行きたい大学・学部に学校推薦型や総合型選抜がある場合は、合格のチャンスを増やすよい機会として推薦入試にチャレンジするのもよいのではないでしょうか。

多くの「進研ゼミ」の先輩たちも、推薦をそのような1つのチャンスととらえ、一般選抜対策と両立しながら憧れの志望大合格を果たしています。

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まとめ

今どきの大学の推薦の新常識、いかがだったでしょうか? 

お子さまの大学入試プランに「推薦」という選択肢も視野に入れて、お子さまの可能性を広げるサポートにお役立てください。

 

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