マテリアリティ活動事例

公開日:2021年05月25日

子どもを想う気持ちは世界共通。 グローバル・ローカル両方から子どもたちの未来を支援する<こどもちゃれんじ>

図2.png

「グローバル社会」という言葉は一般的に定着したといってもよいほどによく聞く言葉となっています。2019年10月の時点で、海外に進出している日本企業の総数(拠点数)は、74,072拠点となっており(※ 外務省が在外公館などを通じて実施した「海外在留邦人数調査統計」による)、新型コロナウィルス感染症の流行の影響が一時的にあったとしても、交通網やインターネットの発達により、グローバル化の波がとどまることはないでしょう。一方で、グローバル化により様々な軋轢があるのも事実。例えば文化や宗教上の衝突や伝統文化の消滅など、配慮が必要な問題が多々存在します。

ベネッセコーポレーションが提供する<こどもちゃれんじ>は、日本のほかに台湾、中国、韓国、香港、インドネシア、タイに進出し、全世界に約200万人の会員が存在し ています。様々な国で教材を提供する<こどもちゃれんじ>では、各国共通で幼児とその家庭に提供できるカリキュラムに基づいた良質なコンテンツを提供することを目的とし、2017年よりグローバルスタンダードの仕組みを導入しました。2019年度より教材やアニメ、映画などの日中共同開発にも取り組んでいます。 どの国も目まぐるしく変化するマーケットに対して、スピードを上げた商品開発・改訂 が迫られる状況化において、グローバルスタンダードコンテンツを取り入れることによって、捻出できたコストとパワーを、各国の更なる価値向上やマーケティングに振り向け、優先度の高い 新しい価値の創造に注力していくことを目指しています。

例えばインドネシアの事業立ち上げでは、使用できるコンテンツを日本講座からピックアップし、ラインナップ化。映像で5割以上、冊子や玩具で約9割 をグローバルスタンダードより制作し、スピーディーな事業立ち上げを実現しました。

グローバルスタンダード素材制作時には文化・宗教などへの配慮を徹底して行っています。例えば、交通関連では、緊急車両の色や形状、道路の車線や標識、車線、ハンドルの位置は国によって異なりますし、 動物は、豚が宗教によっては禁忌に当たるほか、神聖に扱われるもの、スラング的な意味合いを持つものなど様々な配慮が必要です。各国のスタッフと協議をしながら、細かく配慮事項を定め、どの国においても問題のない表現を使用しています。

一方で、すべてのコンテンツがグローバルスタンダードということではありません。言葉や文化的習慣などは、どの国でも大切に伝えていきたいとされる大事な教育要素です。これらは各国 の現地パートナーと協業し、各国の状況に応じたコンテンツも並行して提供、事業展開を行っています。

そうしたコンテンツの制作にあたっては、現地のスタッフと共創する機会を設けています。こどもの発達をふまえた適切な演出やストーリーの展開・学習カリキュラムといった世界共通で使えるノウハウを共有して制作を進めており、海外で開発したコンテンツも日本をはじめとする国で活用され始めています。

国・時代・世代が変わっても普遍的に大切なことと各国・地域の特色。<こどもちゃれんじ>は、グローバル、ローカル両方の観点から、未来を生きる「子どもたち」が「世界中みんな」で「よく生きる」ことができる世界をめざしています。

VOICE

ベネッセコーポレーション グローバルスタンダード推進部

石垣玲

インドネシア事業の立ち上げ時には、何度か現地に赴きニーズを肌で感じ、お客様の困りごとを解決するためにはどんな教材をお届けすればいいのか現地の編集者のみなさんと何度も話し合いを重ねました。バックグラウンドは違っても、「子どもたちを笑顔にしたい」と語る現地編集者のみなさんの熱い想いは共通するものだと実感しました。

最新の活動報告

最終更新日:2021年05月25日