マテリアリティ活動事例
公開日:2020年08月31日
社会の変化に合わせた学びの形を<こどもちゃれんじ>「オンライン幼稚園」
2020年、新型コロナウイルス感染症が世界中で猛威を振るい、3月には全国の学校が休校。幼稚園や保育園の休園も相次ぎました。伴って、習い事教室なども相次ぎ休業となり外出が難しく、親子が自宅で長い時間共に過ごす時間が増えました。当たり前に存在した幼稚園・保育園でお友達や先生と過ごす、楽しく、規則正しい毎日からの予期せぬ自粛生活。多くの保護者の方々が、お子さまと長時間過ごすご自宅での生活に不安を抱えていました。実際に、「こどもちゃれんじ」の窓口には、親子で急に長い時間を家の中で過ごすようになったことで、お子さまの運動不足や生活リズムの乱れなど、"自宅での過ごし方"についての不安の声が多く寄せられていました。「やることがなく暇で困っている」「テキストを見るだけでは、親としてどう関わったらいいのか分からない」など、保護者の方々からお悩みの声は切実でした。
「どうすれば?」という不安を抱える保護者の方々に対し、「こどもちゃれんじ」が開設したのは子どもの生活リズムを守り、学ぶ意欲を引き出す無料の「オンライン幼稚園」でした。当時集まり始めていたお悩み・不安の声に対し、少しでも早く手助けがしたい、という想いから、3月6日に「オンライン幼稚園」の前身となる特設サイト「しまじろうといっしょ!Webちゃれんじ園」をオープン。保護者向けに幼児のコロナウィルス感染予防につながる情報、お子さま向けにはおうちで過ごす時間が楽しく、成長につながるコンテンツをどなたでも使えるサイトとして提供しました。その後、自宅でも園にいるような生活が送れたり、運動不足をサポートしたり、生活リズムをととのえる幼稚園をオンラインで作る、ということを即座に決定。決定から1週間後の3月18日、毎日の「1 日の流れ(時間割)」に沿った映像配信で、お子さまが自宅に居ながら園生活のように学べたり、楽しんだりできる「オンライン幼稚園」の提供に踏み切りました。
開設後、SNSなどで話題になった「オンライン幼稚園」の利用者は急速に拡大。当初2週間限定としていた開設期間を延長しながら、その時々の声にあわせた改訂が重ねられました。保護者の方々からは「リモートワーク中に「オンライン幼稚園」を子どもに見せる間は、安心して仕事ができて本当に助かった!」という声も多くいただき、在宅勤務と子育ての両立という社会課題に対する支援にもつながりました。
この時、世界中の保護者の方々が同じ悩みを抱えていました。本来は国内向けに制作された「オンライン幼稚園」は、SNSなどにより拡散され続け、1か月後には世界 90 ヶ国以上の国と地域において、利用者数が70万人を超えました。これに伴い、時差などを考慮し「見逃し配信」機能を加えるなど、保護者の方々の悩み・想いに一つひとつ応えながら、コンテンツを追加していきました。
寄せられた声(SNSの声より抜粋)
今日は午後夫婦で仕事を始めると、「じゃあ、私も学校にいってくるわね~」とクレヨンとノートをもってオンライン幼稚園を見ながら何かを描いたり貼ったりしている。
3 歳の娘にはハマったみたいで 10:00-14:00(12:00-13:00 は昼ごはん)は仕事できそうです(下の子が 15 分おきにくるけど)。長時間おうち生活でどうやってリズムをとらせようかと思っていたのですが、お父さんがいない日はしまじろう!という刷りこみができたので、朝起きたら「しまじろうはー?」と聞いてくれました。
緊急事態宣言の解除後、「オンライン幼稚園」は一度サービスを終了。2020年6月からはサマースクールとしてリニューアルされ、新しいコンテンツが提供されています。
これまで培ってきた教材のコアの価値は受け継ぎながらも、オンラインと組み合わせた新しい手法と融合していくなど、社会の変化に合わせて、届ける学びの形も変えていく。「こどもちゃれんじ」はこれからも、親子の生活に寄り添って、その時々の最適な学びを提供し続けていきます。
VOICE
ベネッセコーポレーション ナーサリー事業部
山田 麗央那
コロナ禍で、家で過ごす時間が増え、生活スタイルも急激に変化しました。でもその状況を、お子さんの成長の瞬間に立ち合う機会や時間が増えたとおうちのかたが前向きに捉え、オンライン幼稚園を視聴した一人でも多くのお子さんやおうちのかたが笑顔で楽しい時間を過ごして欲しいです。