マテリアリティ活動事例

公開日:2020年08月31日

ベネッセスタイルケアが持ち続ける信念から生まれた『認知症ケアメソッド』

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日本は世界でもトップクラスの長寿国であり、世界に先駆けて「超高齢社会」に突入した国でもあります。内閣府の調査では総人口に占める65歳以上人口は28.4%、国民の4人に1人が高齢者です。この割合は増加の一途をたどっており、2065年には約2.6人に1人が65歳以上、約3.9人に1人が75歳以上になると推定されています(出典:内閣府 「令和2年版高齢社会白書」)。加齢とともに切り離すことができないのが、認知症です。2012年は認知症患者数が約460万人、高齢者人口の15%という割合だったものが、2025年には20%、5人に1人が認知症になるという推計もあります(出典:内閣府「平成29年度高齢社会白書」)。

高齢者サービス事業等を提供しているベネッセスタイルケアは「その方らしさに、深く寄りそう。」という事業理念を掲げ、「年をとっても最後まで自分らしく尊厳を持って生きていけるようにしたい」という信念のもと、認知症ケアにも積極的に取り組んでいます。

 

ベネッセスタイルケアが取り組む認知症ケア

「その方らしさ」を知る

ベネッセスタイルケアの認知症ケアは、認知症の症状によって見えにくくなるその方の「心のありか」を探すため、お一人おひとりのご入居者様が歩まれてきた人生のストーリーを知ることからはじめます。その方の生き方やこだわりを多職種のスタッフ間で共有し、その方らしい暮らしにつなげていきます。

「やりたい」気持ちを大切に

ベネッセのホームのご入居者様の平均年齢は88歳。どの方もこれまでの人生を誰かのため、何かのために、生きがいを持って歩んでこられました。ホームに入居しても、認知症になっても、人としての尊厳と生きる喜びを持ち続ける。そんな当たり前の暮らしを大切にし、ご入居者様の「やりたい、役に立ちたい」気持ちのままに主体的に生活していただけるような「自発支援®」に取り組んでいます。
※「自発支援®」とは、ご高齢者の自発的な活動を支援するベネッセスタイルケアのサービスの名称です。

役割のある生活

認知症の方に対しては特に「安全・安心」が重視されますが、「安全・安心を整える=リスクを取り除く」ことではないと、ベネッセスタイルケアでは考えています。スタッフがお一人おひとりの状況をアセスメントし、リスクと向き合いながら生活する老人ホームという場所では、年齢を重ねたことによって「一人」で行うことをあきらめかけていたことも、他のご入居者様やスタッフとともに実現できる場面がたくさんあります。ご入居者様の得意なこと、好きなことを"役割"として担っていただくことで、「その方らしさ」を発揮しながら、ハリのある生活をお送りいただけるよう心がけています。


 

認知症の方の「やりたい、役に立ちたい」気持ちや行動を引き出すきっかけにつながるものとして構築したのがベネッセの『認知症ケアメソッド』です。認知症ケアにおけるさまざまなホームの成功事例をもとに、そのノウハウやコツを導き出し、再現性を高めるために共通言語化しました。社内シンクタンクであるベネッセ シニア・介護研究所では、認知症の方の「その方らしさ」を引き出し、うまくいったホームでの取り組みを、日本認知症ケア学会や国際アルツハイマー病協会などにおいて、発信しています。2019年にはメディカル・リハビリホームまどか深大寺がみんなの認知症情報学会「優秀発表賞」を受賞するなど、社外からの評価もいただいています。

第18回日本認知症ケア学会大会での発表について
みんなの認知症情報学会第2回年次大会において優秀発表賞を受賞(まどか深大寺、ベネッセ シニア・介護研究所)

ベネッセスタイルケアは、これからもご高齢者の「個性と人格」を尊重することを通して、お一人おひとりの「よく生きる(Benesse)を支援してまいります。

VOICE

ベネッセ シニア・介護研究所

福田 亮子

数多くの実践から生まれた『認知症ケアメソッド』は、介護に携わるスタッフの「そうか!」という気づきや、「やってみよう」という前向きな行動、そしてご入居者様お一人おひとりの「その方らしさ」により深く寄りそうことの実現に繋がり、さらに新たなメソッドも生み出しています。

最新の活動報告

最終更新日:2020年08月26日