マテリアリティ活動事例

公開日:2020年08月31日

「Benesse=よく生きる」を具現化した場所 ベネッセアートサイト直島

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ベネッセホールディングスは、企業理念である「Benesse=よく生きる」は「よい地域から生まれる」という考えのもと、人々がよい人生、幸せな生活を送ることができるコミュニティづくりに取り組んでいます。ベネッセホールディングスと公益財団法人福武財団は、現代アートや文化振興による「よい地域づくり」を推進しています。財団の活動は、約8%保有する当社株式の配当を主な運営資金にしており、当社グループがサステナブルな事業成長を実現し、安定的に配当を行うことが財団を通じた継続的な地域支援につながると考えています。

1985年、瀬戸内海の島に世界中の子どもたちが集まる場を作りたいという想いを抱いていた、創業者である福武哲彦が、直島南側の一帯的な開発を目指していた当時の町長と開発を約束しました。しかしながら、その直後に福武哲彦は急逝。その意思を受け継いだ福武總一郎社長(当時)が1988年に「直島南部一帯を人と文化を育てるエリアとして創生」する「直島文化村構想」を発表しました。

その後、建築家・安藤忠雄氏をパートナーとし、瀬戸内海の直島、豊島、犬島を舞台に、ベネッセホールディングスと福武財団が「ベネッセアートサイト直島」と総称するアート活動を展開していきます。1992年、美術館とホテルが複合した施設「ベネッセハウス」が竣工。1998年に現代美術家による使われなくなった家屋等を改修して作品化する「家プロジェクト」がスタートし、2004年には「地中美術館」を開館。以降もさまざまなアート活動を、約30年にわたり拡大してきました。現在では世界各国から訪問者が訪れる地となっており、2000年には世界的な旅行雑誌「Conde Nast Traveler」で「世界で訪れるべき7つの場所」に選ばれるなど、よく知られた日本の代表的な旅先となっています。

これらの活動の特徴は、そこに既にあった歴史や文化を否定することなく、新たに現代美術を持ち込み、住民の方々との関わりを再生したことにあります。現代美術・建築に呼び寄せられた若者と島の人々が交流し、島が元気になっていく。島を歩くと笑顔の素敵なお年寄りの方々とすれ違う。島民の方がアート作品を説明してくれたり、ご高齢の方が海外からの訪問客と英語で会話していたり。そんな光景があちこちで見られます。また、アートを通した交流にとどまらず、休耕田を再び耕しはじめ、直島にコメづくりの風景を復活させた直島コメづくりプロジェクトなど、先人たちが培ってきた文化を、次の世代へ引き渡す場所にもなっています。

2020年、新型コロナウィルス感染症の流行は、ベネッセアートサイト直島にも大きな影響を与えました。4月から約2か月間、感染予防・拡散防止のため、ベネッセハウスを含めた全アート施設の臨時休館を余儀なくされました。休館の間にもできることはないか。そう考えた美術館やホテルのスタッフは、次に島を訪れていただいた時に、よりきれいな状態でお迎えできるよう、島民の方々と一緒に地域清掃を行いました。スタッフからは「島の方とお話しする機会が増え、よいコミュニティの中で生きていくということを体感することができた」と、コロナ禍でも「Benesse=よく生きる」を見出しています。

しかしながら、ベネッセアートサイト直島で行っているのは「観光開発」ではありません。アート作品と出合い、瀬戸内の風景や地域の人々との触れ合いを通して、「ベネッセ=よく生きる」を考えてくださることを願っています。

「年を取るほど幸せになれるような社会、空間を創る」という、まさにベネッセの企業理念「Benesse=よく生きる」を具現化する場所が直島なのです。

ベネッセアートサイト直島

VOICE

ベネッセホールディングス ブランド・広報部

ステンランド 由加里

自然とアートが共存する瀬戸内の島に憧れ、入社とともに家族を連れて直島に移住してきました。持続可能なアート活動の推進を目指し「ベネッセアートサイト直島」の魅力を世界中に発信すべく日々取り組んでいます。

最新の活動報告

最終更新日:2020年08月28日