5年生のメリハリ学習 こんなときどうする?&わが家の工夫

限られた時間の中で効率的に学習を進めるには、やることに優先順位をつけて絞り込むことが大切。このメリハリ学習に取り組ませるときのご家庭でのお悩みについて、鳥原さんにお答えいただきました。また、先輩ファミリーの工夫もご紹介します。
※メリハリ学習については、「優先順位づけで、忙しい5年生の学習を効率アップ!」をご一読ください。

【お話】
⿃原 隆志(とりはら たかし)さん
(株)インバスケット研究所代表。ビジネスや教育の現場で、制限時間内に効率よく物事を処理していくための能⼒を育成する思考法「インバスケット」研究の⽇本における第⼀⼈者。そのための教育ツールの研究・開発、講演活動などに幅広く取り組んでいる。「やらないことを決めなさい」(マガジンハウス)など著書多数。

メリハリ学習、こんなときどうする?

 5年生保護者のお悩みに対して、鳥原さんからアドバイスをいただきました。

Q 忙しくて子供と話し合う時間がないのですが...
A 先に「話し合う時間」と、カレンダーに予定を書き込んで
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 時間をつくるというのは、案外難しいものです。特に、お子さまもおうちのかたも忙しいときに、時間を合わせるのは大変ですよね。そんなときは、先にカレンダーに「話し合う時間」を書き込んでしまいましょう。実現する可能性が高くなります。もしその時間がだめだった場合でも、「延期」すればOK。そのうち時間がつくれるはずです。


Q 習い事が忙しくて、やることが進みません。習い事をやめる決心もつかず...
A 習い事を1週間ほど休んでみては?
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 やることを「見える化」した際に、習い事が多すぎると感じたり、お子さんがやめるかどうか悩んでいたりするようであれば、相談して、一度1週間ほど休んでみてはいかがでしょう。そのうえで、習い事が大事と感じたら再開し、他の「やること」を調整しましょう。休んでも問題がなければ、やめる決断をしてみてもいいかもしれないですね。


Q やることが多くて「チャレンジ」に取り組めません
A 先に「今月のまとめ」に取り組み、苦手部分だけ復習を
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 「チャレンジ」の中には、お子さまがすでに理解できているページもあるかもしれません。時間がない場合は、先に「今月のまとめ」に取り組み、つまずいた単元や問題に絞って復習するとよいでしょう。効率的に苦手が克服できます。忙しい時期だからこそ、「全部やる」にとらわれずメリハリをつけて取り組んで。


Q 夏もやることが増えそう。計画を立てるコツは?
A 1週間ごとにメリハリをつけて、5日間分は余裕をもった計画を
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 計画は、1週間単位で考えるとよいでしょう。最初の1週間は計画どおり進んでも、その後はやる気が上がったり下がったりということも多いもの。そこで、やる気が下がりそうな頃に楽しい予定を入れたり、苦手な課題に取り組んだ後にごほうびを計画したりと、やる気をキープする工夫を。また、急な予定が入っても対応できるよう、5日間程度は勉強の予定を入れない日をつくっておくとよいでしょう。

時間の使い方、わが家の工夫

 限られた時間を有効に使うための心がけや工夫を、先輩ファミリーに聞きました。

「チャレンジ」は朝か週末にまとめて取り組む
 下校後は時間がないので、「チャレンジ」は朝か週末にまとめて取り組んでいます。「今日も『朝チャレンジ』がんばったね、この調子!」など、エールを送るメモを学習机に貼って、習慣として定着するようにしています。
(広島県 テンパール)

宿題や習い事を優先
 宿題や習い事を優先し、「チャレンジ」はどうしても当日できないようなら、週末に遅れた分を取り戻すようにしています。最近は、忙しくなるとわかっている週には、事前に多めに「チャレンジ」をこなすようにもなってきました。
(愛知県 ぷちぷち)

取り組む前に順番を決める
 学習に取り組み始める前に、今日は何をするのか、またその取り組む順番を決めてから進めるようにしています。
(岐阜県 ごるご)

週単位で学習内容を決めてやりきる
 1日単位でなく、週単位で学習内容を振り分けています。また、やる気に波があるので、1週間分の学習内容だけあらかじめ決めておいて、「これを1週間の中でやりきる!」という方法をとっています。
(愛知県 ひよちゃん)

できないことは余裕のある日に振り分ける
 その日のうちにどうしてもできないことは、余裕のある日に割り振ったほうが、おたがいイライラしないですみます。大人と同じで、子供だって疲れている日はありますから。
(東京都 あのしゃ)

スケジュール帳で予定を管理
 スケジュール帳に今日やることを書いて予定を組ませ、終わったら何分かかったか書かせています。自分のスケジュール帳なので大事にしますし、カラーペンなどで色分けすれば、やる気アップにもつながっているようです。
(三重県 ひちゃ)

 メリハリをつける学習は、忙しい5年生にとって、時間だけでなく、心の余裕にもつながるかもしれません。お子さまの考えや意見を尊重しながら、やる気が高まるような学習法を見つけられるといいですね。

イラスト/すぎやまえみこ

※この記事は、2022年5月に制作しています。新型コロナウイルスによる影響が続く場合、ご提案している内容が不適切となる場合もあります。その際は、個人のご事情等に合わせて、適宜、ご活用いただきますようお願いいたします。