お子さまのやる気、うまく引き出せていますか? 励ますつもりで言葉かけしたのに反発されるなど、思春期にさしかかった高学年にはうまく気持ちが届かないこともあります。高学年のやる気を引き出し、伸ばすにはどんな言葉をかけたらよいのでしょうか。言葉かけの際におさえておきたい3つの心がまえを、子供を伸ばすコーチングに詳しい石川先生に伺いました。
【お話】
石川 尚子(いしかわ なおこ)先生
コーチングや講演などを通じて、子育てからビジネスまで、幅広く役立つコミュニケーションスキルを伝えている。「コーチングで学ぶ『言葉かけ』練習帳」(ほんの森出版)など著書多数。
プレ思春期の不安定さを受け止めるには、ニュートラルな姿勢が大切
高学年は思考力が発達するため、納得できないことには大人に対しても抵抗するようになります。第二次性徴による身体の変化の影響もあって、わけもなくイライラしたり、言葉が乱暴になったりといった様子が見られることも。
このようなお子さまの変化に、おうちのかたはとまどうこともあるでしょう。しかし、これは順調な成長の証です。まずはこの状況をふまえたうえで言葉かけを考えていくことが大切です。当の子供たちも、さまざまな葛藤を抱えている時期。その揺れ動く気持ちを受け止められるよう、おうちのかたはおおらかに構えていきましょう。そのためにも、お子さまの態度に一喜一憂することなく、ニュートラル(中立)でいるよう意識することをおすすめします。
言葉かけ時の 3つの心がまえ
1.「冷静に」を心がける
やる気のない様子や反抗的な態度につい感情的になってしまうこともあるでしょう。ですが、おうちのかたが感情をコントロールできない姿を見せてしまうと、子供が大人を信頼できなくなってしまう場合もあります。冷静に対応することを意識しましょう。
2.気持ちをそのまま受け止める
子供の発言や考えに対して、良いか悪いか、大人はジャッジをしてしまいがち。けれど、「それはダメだ」など大人の判断を押しつけられると、思春期の子供はカチンときてしまいます。「〇ちゃんはそう思うんだね」と、ただ話を聞いて、そのまま受け止める姿勢も大切です。
3.論理的に話をする
高学年ともなると、自分が納得できないことには抵抗するようになります。ほめるときも叱るときも、「○○が××なところがすごいね」「○○だから××してほしいと思うのよ」など理由を具体的にして、論理的に伝えましょう。ただし、論破しようとしないこと。かえって反発を招きます。
つい感情的になりそうなことがあっても、あらかじめこのような心がまえをしておくと、ニュートラルな姿勢を保ちやすくなります。おうちのかたの姿勢が一貫していると、お子さまの気持ちも安定します。お子さまのやる気をうまく引き出し、伸ばしていくためにも、ぜひ活用してみてください。
※日常生活で「どうしたらいいの...」と悩む場合の、具体的な対応のコツを「言葉かけ次第で、5年生のやる気はもっと伸びる! ~ケース別 GOODな言葉かけのコツ~」で、先輩保護者が実際に、学習面でお子さまのやる気を引き出すのに成功した言葉かけの体験談を「【5年生】先輩保護者に聞いた! 学習のやる気を伸ばす言葉かけアイデア」でご紹介しています。あわせてご覧ください。
イラスト:玉田紀子