1・2年生の学習意欲をUPする! 「赤ペン先生」のまるつけテクニック

返送されてきた「赤ペン先生のもんだい」のまるつけを見て、やる気がUPしたというお声をよく聞きます。まるつけは、学習意欲を高めるチャンス! そこで、1・2年生のやる気を引き出すまるつけのコツを、「赤ペン先生」に教えてもらいました。

【お話】
「赤ペン」三浦先生
「赤ペン先生」として、25年以上活躍中。現在は1年生を担当している。学童の先生としての経験も豊富で、ご家庭からの信頼も厚いカリスマ先生。

1年生は、
「勉強って、楽しい!」の気持ちを育むまるつけを!

1年生のうちは見るもの、習うもの、全てが新鮮。「勉強って楽しい!」とはりきっているお子さまも多いのではないでしょうか。これは、学習意欲のベースとなる大切な気持ち。この気持ちをまるつけでますます盛り上げていくコツをご紹介します。

コツ その1
まちがえているところには「×」ではなく、マークやシールで印をつける
 せっかくはりきって解いたのに「×」がついてはがっかりするもの。まるつけをするときにはいきなり「×」をつけるのではなく、いったん「☆」や「?」のマークをつける、シールを貼るなどして目印をつけておくのがおすすめです。そして「このマークのところをもう一度見直してみて。そうしたらもう一度まるつけするからね」と声かけします。見直しができたときには「すごいね!」と、ごほうびの花まるをつけてあげましょう。花まるにひと工夫して「特別感」を出すと、「特別な花まるがもらえてうれしい!」という達成感で、意欲がますます高まります。

コツ その2
努力のあとを見逃さない
 お子さまの答案をよく見ると、書き直した跡がうっすら残っていることがあります。これはお子さまが努力した印。同様に「この前まちがっていた計算ができた」「とめ・はね・はらいがちゃんと書けた」など、前回できなくて今回できるようになったところも見逃せない努力ポイントです。その部分には小さな「ミニ花まる」をつけて、努力を認めてあげましょう。まるつけの前に「さあ、今日、がんばったところはどこかな?」などと声かけし、お子さまが「ここをがんばった!」と思っているポイントを引き出すのも手です。「細かいところまで気づいてもらえた」「がんばってよかった!」という気持ちが次の学習意欲につながります。

上のようなシーンで、「赤ペン先生」が使っている花まるのバリエーションはこちら!
10月号はなまる1.JPG

2年生は、
「見直してよかった!」の気持ちを育むまるつけを!

 1年生で身につけた「勉強って楽しい!」という気持ちはそのままに、少しずつ見直しの習慣づけを意識していきたいのが2年生です。ポイントは、「見直してよかった!」という気持ちを育むこと。この気持ちが見直しの習慣化につながっていきます。そのためのまるつけのコツをご紹介します。

コツ その1
ケアレスミスは、「まちがい探し」で楽しく見直す
 「答えの単位を書き忘れた」「四則記号を見まちがえた」などのケアレスミスをした場合。まるつけの「○」「×」をつけてしまう前に全体を見渡し、「あ~、おしい! あとちょっとで100点なんだけど、どこが違うかわかる? 『まちがい探し』で探してみて!」などとゲームに誘うような声かけで、楽しく見直しを促しましょう。お子さまがまちがいを発見し、見直すことができたら、「すごいじゃない! よくわかったね」「見直しをしたから、100点だね」などのひと言を添えて、特別な100点や花まるをつけてあげましょう。このとき、見直しをしたときの特別な100点や花まるのパターンを決めておくと、あとで学習を振り返るとき、「見直すべきポイント」が一目でわかる目印にもなります。このようなクセが身につくと、3年生以降に一人でまるつけ・見直しをするときにもきっと役立つことでしょう。

こんなシーンで、「赤ペン先生」が使っている100点や花まるのバリエーションはこちら!
10月号はなまる2.JPG
コツ その2
理解が不十分な問題は、シールやスタンプで学習の振り返りを促す
 きちんと理解ができていない場合は、その問題だけでなく類題もまちがえていることが多いもの。「くり下がりのある筆算はほぼまちがえている」「文章問題で、たし算で求めるところをひき算で求めている」などといったまちがいのパターンを見つけたら、「これ、まちがえやすいんだよね」「この問題難しかったよね」などの声かけで、まずは取り組んだお子さまの気持ちをいったん受け止めてあげましょう。そのうえで、シールを貼っておくなどして印をつけ、「あとで一緒に見直そうね。そうしたら、この青いシールの上にごほうびのシールを貼ろうね」と、楽しいまるつけグッズで「見直したい!」気持ちを盛り上げていきます。一緒に学習を振り返りながら見直して、理解できたらお子さま自身にごほうびのシールを貼らせてあげましょう。「ごほうびのシールは〇ちゃんの好きなこのキャラクターね」などと決めておくと、振り返りのときの目印にもなります。

コツ その3
「見直しタイム」を設け、シールや特別な花まるで、見直しができたことをほめる
 コツ「その1」や「その2」で見直すことに慣れてきたら、あらかじめ「見直しタイム」を設けるのもおすすめです。「できた? じゃあ『見直しタイム』ね」とまずは見直しをさせ、見直しを終えてからまるつけを始めるようにします。このとき、まちがえている箇所があったとしても、見直しができたことをいったんほめるのがポイント。「特別な花まる」やごほうびのシールなどを使って「見直してよかった!」という気持ちを盛り上げましょう。 

 「勉強って楽しい!」「見直すと100点になった」「ほめてもらえた!」などといううれしい体験は進んで学習に向かう姿勢を育みます。花まるをアレンジしたり、シールなどのまるつけグッズをそろえたり、楽しいまるつけの工夫で学習意欲を盛り上げていきましょう。