読書で学力は上がるの?

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 これからの時代に必要といわれる、思考力・判断力・表現力。どうすれば子どもたちにこうした力をつけることができるでしょうか? その1つとして考えられるのが読書です。子どもたちは、読書を通じて自分の感じたことや疑問を調べたり、想像をふくらませたり、感じたことを誰かと共有するきっかけをつくります。こうした体験は、多様な資質・能力を高めることにつながると考えられます。ベネッセ教育総合研究所が実施した「小学生の読書に関する実態調査・研究」では、読書量が多いと元の成績の良い悪いにかかわらず学力の上昇がみられ(図1,2)とくに算数で顕著でした(図3)。この結果により読書が教科学力の伸びを後押しする可能性が示されています。

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*読書量別に、学力テスト偏差値の変化を比較した調査(ベネッセ教育総合研究所「小学生の読書に関する実態調査・研究」2018.10)。
*調査詳細:2016年8月(事前)から2017年12月(事後)の期間を対象に、小5生(調査開始時)42,696名を、『進研ゼミ』の電子書籍サービス「まなびライブラリー」での読書量別に、「0冊=読書無」「1~2冊=少」「3~9冊=中」「10冊以上=多」の4つにグループ化。『進研ゼミ』の「実力診断テスト」各教科偏差値の変化をグラフ化した(グラフは「読書量=中」を除く3グループで作成)。学力グループは、2016年8月の「実力診断テスト」4教科合計の偏差値順に均等に3グループに分け、学力中位はグラフから省略した。
*学力上位者、学力下位者のいずれもp.<0.001(分散分析)


 読書量が多いと学力が伸びる要因としては、「文章中に与えられた問いや条件を読み取る力」を高めていることや、読書習慣により落ち着いた学習環境が整い、積み上げ型の問題の点数向上につながっていることなどが推察されます。日ごろから文章に慣れることで、学力テストなどで出題される初見の文章に抵抗なく向き合えるのも読書の利点でしょう。

 教科の学習とともに適度な読書を習慣づけることが、学びの広がりにつながると考え、「進研ゼミ」では、会員のかたが自由に利用できる、「電子図書館まなびライブラリー」をご用意しています。ネットワークがつながる環境があればお手持ちのデバイスで常時約1,000冊の本からいつでも自分の読みたい本を選んで読書ができます。ぜひ教材とあわせてご活用ください。

                        

 まなびライブラリー編集室