先生解説!中学の「授業・部活・友人関係」で重視される姿勢

スタイル共通

来年は、お子さまも中学生。
中学に向けてどのような準備をしていったらよいか、考え始めるかたも出てくると思います。
そこで今回は、公立中学校の校長先生なども歴任されていた深町先生(※)に、今どきの中学校の授業や部活動などの様子をお伺いしました。
そこからどのような姿勢が求められているのかをご紹介します。

【授業】中学校の学習指導要領では、長くなる学校時間を主体的に過ごしていく姿勢が求められている

中学校の学習指導要領では、予想困難な時代でも、一人ひとりが未来の創り手となっていける「生きる力」を身につけていくことを目指した「新しい学び」が重視されています。知識・技能、思考力などの学力だけではなく、「学びに向かう力・人間性」も社会でよりよい人生を生きるために必要であるとされ、学校教育でも重視しています。
例えば授業では、主体的・対話的で深い学びができるよう、受動的に授業を聞くだけではなく、主体的に授業に関わる「アクティブラーニング」という学び方を強化
授業ではディスカッションなどが重視されるため、家庭で予習や復習をしっかりしていくことが求められます。
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また、授業時間は6年生と変わらず1日6コマの6時間授業ですが、1コマは5分長くなります。その影響で、20分休みのような中休みがないので、感覚的には忙しいと感じるお子さまも出てきます。
このように、長くなる学校時間を、主体的に過ごしていく姿勢が求められています。

【部活動】学習と両立する時間管理と意欲が大事

中学生になったら、部活動に入り、勉強と両立して中学校生活を楽しんで欲しいもの。
ペースをつかむまでは、疲れて帰宅して、宿題が終わらない...、いったいいつ勉強すればよいのかと奮闘するお子さまを見て、心配する保護者のかたも多いようです。
ですが、部活に打ち込めるお子さまは、勉強にも意欲的に取り組めるというメリットがあります。
忙しくても何のためにがんばっているのかを意識して過ごせると、忙しい日々の中でも意欲的に物事に対して向かっていくことができます。
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また時間管理は、中学生になって急にできるようになるものではありません。
言われなくても自分で時間を考えて行動できるよう、今から時間を意識して行動する練習をしていきましょう。

【友人関係】多様化するつながりの中で成長していく

中学校生活では、学年単位でまとまって行動することが増えたり、部活動で仲間と過ごす時間が長くなります。
また、部活動以外にも委員会活動などで、他のクラスの生徒と過ごす時間が長くなったり、友達関係が広く多様になるので、帰りに友達と話したりするなど帰宅時間が遅くなることもあるでしょう。
そうして仲間・友達の存在がこれまで以上に大きくなります。
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半面、家庭で過ごす時間は減ってしまいますが、お子さまのこうした人間関係も社会性を身につける第一歩。
悩むこともありながらそうした人間関係の中で成長していくお子さまから目を離さず、いつもと違う様子が見られたときは、さりげなく声をかけるなど、そっと見守っていくことが大切です。

以上のように、授業、部活動、友人関係などが大きく変化していく中学生。
ぜひお子さまとも中学校がどのような場所かを話し、
・自分で決めて行動する時間管理
・目的をもって主体的に行動する習慣
などを今から意識するようにしていきましょう。

※深町芳弘(ふかまちよしひろ)先生
ベネッセ教育総合研究所顧問。東京都区教育委員会指導主事および指導室長、公立中学校校長などを歴任。教育界に提言を続ける。