高2の方はいよいよ受験0学期と呼ばれる期間に突入します。
この時期は第一志望の大学をある程度絞り込んでいく時期になりますが、
「子どもの志望の学部が全くつぶしがきかなそうなので、心配」とか
「まだ学部学科が決められないからいったんつぶしのきくところを・・・」
ということを考えるご家庭もあるのではないでしょうか。
◆そもそも「つぶしがきく」とは?
かつては文系であれば「経済学部・法学部」、理系であれば「工学部」が広く進路を取れるのでつぶしがきくと言われておりました。
経済・法は、社会に出て使える実学ですし、どの企業にも経理や法務はあるから。
工学部については、理系の技術職に加え、学んだ統計や数理力を使って金融や管理の道(文転)も視野に入れた将来を選べるといった理由からです。
◆現代の就職活動は大学時代に「何をしたか、どう行動したか」が重要
実際に、以前進研ゼミの大学生チューターを務め、現在は社会人として仕事をしているOBのぽん先輩(現在 公務員・専門職)に最近の就職活動についてお聞きしました。
-就職活動で各企業でよく聞かれたこと、見られていた観点はありますか?
志望動機と入社した後のこと(勤務地など)はしっかりと聞かれました。
志望先のことをどれほど真剣に考えているのか、どれほどの覚悟を持っているのかを見られていたと思います。
-就職活動でどの学部が有利とかいう話ってありましたか?
聞いたことがないです。
自分の学部で学んだこと、取り組んだことを自信を持って言えることが大切だと思います。
大学の学びを直接生かすことができる機会は思った以上に少なく、どの学部出身かではなく、そこで自分が何をしたのか、どう行動したのかを評価しようとしていると思います。
-その人が何をやってきたか、ということが大事なんですね。
はい。そう思います。
◆やりたいことが、結局大事
学生時代を通して何をやっていたかの「成果」を求められることを考えると、お子さまのやりたい学問を見つけてそこを突きつめることや、自分で課題を発見して解決に向けて試行錯誤することのほうが大切になります。
そのような意味で昔で言うところの「つぶしがきく学部・学科」という考え方は少しずつなくなってきていると言えるでしょう。
「つぶしがききそう」、「きかなさそう」という感覚で、お子さまの「学びたい」という気持ちに制限をかけるより、お子さまが一番打ち込めることを応援してあげることの方がよいのではないでしょうか。