多くの高校で、高校3年生の夏休み前に三者面談が行われます。三者面談では、第1志望大や、推薦入試をするかどうかなど、受験に関わることについて、先生とお子さま、そして保護者の方が話し合い、確認します。
しかし、何の準備もなしに三者面談に臨むと、思わぬ志望大がお子さまの口から飛び出し、驚いてしまうことも。
お子さまと保護者の方が目線を合わせ、しっかり目標を定めてこそ、夏の受験勉強に集中して取り組めます。
そこで、夏の三者面談までに、お子さまと確認しておくべきことについて、紹介していきます。
志望大を決めるときの条件や優先順位をすり合わせる
三者面談でお子さまの希望を初めて聞いた、あるいは、保護者の方の意見と食い違いがある、という場合、その多くはお子さまと本音で話し合えていないことが原因です。
例えば、お子さまは「県外の大学に行きたい」と思っていても、保護者の方は、「経済的な余裕があまりないので地元の大学に行って欲しい」と考えていた場合などです。
そのような、先生が立ち入れない「家庭の事情」は、お子さまに先に伝えておくのが良いでしょう。
いつもは「好きなことをやりなさい」と伝えていても、コロナ禍においては、ご家庭の状況や保護者の方の価値観が変わっている場合もあるでしょう。
なるべく正直に本音を伝えて、お子さまに理解してもらうことが重要です。
ただ、費用面に関しては、「経済的に厳しい」とただ伝えるだけではなく、「自宅からなら私立大でも大丈夫」「併願校は2〜3校程度に」など、具体的に伝えると、お子さまも志望大を考える時に考えやすくなります。
保護者の方が思っている以上に、家庭の経済事情を気にしているお子さまは多いものです。
「国公立大以外はダメ」などと伝えてしまうと、そのまま信じ込んでしまい、中には大学進学そのものをあきらめてしまうお子さまも。
なるべく進路を限定しない表現で、正直に状況や希望を共有しましょう。
費用面の他にも、以下のようなことを優先順位も含めて、事前にお子さまと話し合って確認しておくといいですね。
第1志望大はお子さまの意志で決め、保護者はフォローを
保護者の方が気にされることが多いのが、第1志望大の難易度とお子さまの成績のギャップがある場合です。
「とても無理なのでは?」と思われるかもしれませんが、お子さま自身が自分で考え、本気で選択した志望大であれば、お子さまは自分から合格するための計画を立てるはずです。
保護者の方は「勉強面でサポートできることがあれば教えて」などの声かけやフォローに徹するのが良いでしょう。
一方、まだ第1志望大を決めていない、というお子さまもいることでしょう。
そうした時は、例えば模試の時に書いた大学の中から選んでみるのはどうでしょうか。
2校で迷っている時は、それぞれの良いところなどを書き出して、より進学したいと思う方を選択する、あるいは、より難易度が高い方の大学を選ぶ、などの決め方もあります。
これらのことを事前にお子さまと話し合っておくことで、三者面談の時に、思わぬ志望大の名前が飛び出したり、全く志望大が出てこなかったりすることを避け、先生から適切なアドバイスを受けやすくなります。
推薦入試の意向や、併願大についても話し合っておく
推薦は、事前の準備が重要で、それなりに時間もかかります。一般選抜用の勉強と並行するのはかなり大変です。また、必ず合格するとは限りません。
ただ、第1志望大合格への強い希望がある場合は、チャンスが増えると考え、挑戦してみるのも一つの手です。
ただ、推薦と一般入試両方の準備ができそうか、仮に推薦がダメだった時に気持ちを切り替えて一般選抜の勉強ができるか、といったことは、お子さまと検討しておくと良いでしょう。
また、三者面談の場で、先生から指定校推薦を勧められる場合があります。
その大学とお子さまの第1志望大が違うと迷ってしまうかもしれません。
大切なのは、お子さまが志望する大学・学部・学科なのか、ということ。
近年、推薦入試で受験を早く終わらせて安心したい、という傾向が見られますが、お子さまの意志を尊重してあげてください。
併願大についても、秋になって慌てないよう、考えておきましょう。ただ、三者面談の時点の成績で考える必要はありません。
あくまで第1志望大のレベルに合わせて、バランスよく決めることがポイントです。
具体的に併願大まで決められなくても、いくつ受験しても良いか、はお子さまと共有しておきましょう。
コロナウイルスの影響により、大学入試も流動的な状況がまだ続いています。
受験科目や受験方法などが変更される可能性もあるので、志望大を中心に、各大学の最新情報をチェックしておきましょう。