大学入学共通テストが初めて実施されたことに加えて、新型コロナウイルスの影響によりイレギュラーな対応があった昨年度の入試。
お子さまが受験する22年度(令和4年度)入試がどうなるのか、気になっている保護者の方も多いことと思います。
今後の勉強計画にも大きく影響することなので、入試要項は早めに確認し、受験に備える必要があります。
この記事では、6月4日に発表された新情報に加えて、入試要項を調べる際のポイントをまとめています。忙しいお子さまに変わって情報をチェックし、さりげなくアドバイスをするのにお役立てください。
【速報!】文科省より、22年度入試について発表がありました
22年度の大学入試について、6月4日に文部科学省から発表がありました。昨年度の対応を踏まえながら、ポイントとなる変更点をまとめていきます。
新型コロナウイルスへの配慮などが盛り込まれているので、しっかりと把握しておきましょう。
共通テストは本試験1回+追試験1回
昨年度は、第2日程が設けられるなど、新型コロナウイルスに対応したイレギュラーな措置がありました。
22年度の共通テストでは、本試験(1月15・16日)と追試験(1月29・30日)という日程で実施されます。
体調不良や身内の不幸など、やむを得ない状況が発生した際は、追試験が受験可能なので、いざというときの参考として、お子さまにはこのような救済措置があることをお伝えください。
そして、国公立大の出願が、追試験の直後となる2月2日までとなるため、事前に出願戦略を練っておくことが大事です。
総合型選抜は出願開始が2週間早まる
推薦系の入試では、総合型選抜の出願が昨年度より2週間早まって、9月1日以降となっているので要注意。
資格・検定試験や大会の中止などがあった場合には配慮がなされるので、その点についても各大学の入試要項を確認しておきましょう。
22年度も感染症対策は継続
昨年に引き続き、新型コロナウイルスによる配慮は継続されます。
羅患した受験生には、追試験の設定や別日程への振替などにより、受験機会の確保がなされるほか、オンライン面接などを活用した感染症防止対策も行われます。
また、昨年度、早稲田大・明治大などの私立大では、大学入学共通テストの成績を用いて合否判定を行う「特別措置」の方針を出していました。私立大志望者も共通テスト対策を行っておくことをお勧めします。
【6/25 追加情報】早稲田大が2022年度入試においてもコロナ罹患等により、一般選抜を欠席した方を対象に「特例措置」を設けることを公表しています。「特例措置」は、全学部において【大学入学共通テストの成績を用いて合否判定】を行います。詳しくは大学公式HPでご確認ください。
https://www.waseda.jp/inst/admission/assets/uploads/2021/06/2022_covid_tokureisochi.pdf
昨年度は出題科目・範囲に関する配慮がありましたが、22年度入試ではそのような配慮がないため、昨年度の過去問演習をする際は注意するようお伝えください。
ただし、個別試験の教科・科目の変更や中止など、受験者に不利益になる変更は7月31日までに公表することになっています。
最新の情報がわかったところで、ここからは入試情報を調べるときの、基本的なポイントをおさえておきましょう。
入試要項で確認するべき4つのポイント
入試要項では、次の4つのポイントを確認することが大事です。
□どんな入試方式があるか?
□入試科目は何か?
□各科目の配点はどうなっているか?
□入試日程はいつか?
各項目の中でも、とくに注意すべきポイントを解説します。
【入試方式】自分の強みを活かせるものを選ぶ
一般入試、特別入試(学校推薦型選抜・総合型選抜)のほかにも、各大学で独自の入試方式を採用している場合があります。
例えば、昨年度の入試では、センター試験が大学入学共通テストに変わるにあたり、共通テスト利用の入試を導入したり、個別試験と共通テストを併用する入試を行ったりした大学もありました。
さまざまな入試方式があることを確認したうえで、「お子さまの強み・個性を活かせる入試方式はどれか」を考えることが重要です。
プレゼンテーション能力が高く、大学が求める人材であることを強くアピールできるお子さまであれば、推薦入試のほうが適しているというように、お子さまの強みから入試方式を選択しましょう。
どうしてもこの大学・学部に入りたい!という強い思いがあれば、多くの入試方式を使って受験の機会を増やす手もあります。
しかし、対策すべきことが増え、その分リスクも上がるため、お子さまの希望を踏まえながらの判断が必要です。
【入試科目】共通テストや併願の兼ね合いに注意
同じ大学であっても、学部・学科によって入試科目は違います。
特に国公立大志望の場合や、私立大でも共通テストを活用する入試を受験する場合は、大学・学部や入試形式によって共通テストで必要な科目や選択科目が変わってきます。
受験する大学の入試科目や出題形式をそろえると対策効率がよくなるので、併願大を選ぶときは、その点を考慮しましょう。
【各科目の配点】早めに把握して、勉強計画の見直しを
各科目の配点は、大学受験でとくに重要な要素で、勉強計画にも影響します。次の3点をしっかり確認しましょう。
・共通テストの配点
・共通テストと個別試験の配点比率
・各科目の配点
共通テストの配点換算は、例えば英語や歴史を1.5倍で換算したり、リーディングとリスニングの配点を3:1にしたりと、各大学で配点が異なっています。
さらに、共通テストと個別試験の配点比率でも異なります。共通テストの配点が高い大学なら、全科目バランスよく勉強して高得点をねらう必要がありますし、個別試験の配点が高い大学なら、過去問を使って問題傾向をつかんだ上で対策を練ることが必要になってきます。
【入試日程】最高のパフォーマンスを発揮できるスケジューリングを
併願大を考えるときに、連日入試となると体力的にも精神的にも負担になり、パフォーマンスが落ちるリスクがあります。
併願校の数は5~6校を基本に、難易度のバランスを考えて選択してください。保護者視点ですと、受験料や入学手続き費用なども考慮すべき要素と言えます。
挑戦校:1~2校
実力相応校:2~4校
安全校:1~2校
また、遠方の大学への受験を考えている場合、宿の確保も必要になります。イベント等があって周辺ホテルが満室ということも十分あり得るので、はやめに宿を確保しておきましょう。
例年、6月以降は各大学の入試要項が続々と発表されるので、見るべきポイントをおさえて、しっかりと入試情報を確認しておきましょう。
その上で、入試要項の発表を見逃していたり、よく確認していなかったりするお子さまには、さりげなくアドバイスをしてください。
※この記事は、公開日時点の情報に基づいて制作しております。