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留学した先輩の保護者おすすめ! 留学費用について お子様と話しておくべき3つのこと

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お子さまから「留学したい」と言われたとき、多くの保護者の方が真っ先に気になるのは「お金のこと」だそうです。留学ってとにかくお金がかかりそう、という漠然としたイメージをお持ちの方が多いようです。でも同時に、資金面でなんとかなれば、子どもの夢をなるべく叶えてあげたいと思う方もまた、たくさんいらっしゃいます。

そこで、今回はお子さまに留学を真剣に相談されたとき、留学にまつわるお金について、親子で考え相談しておきたい3つのことをご紹介。また保護者としてお子さまとどう向き合い、どう解決していったのか、先輩保護者の方々の体験もお聞かせいただきました。

 


話しておくこと ① 学費を抑えられる留学ルートはある?

 

海外留学の費用として、まず必要なのは大学の「学費」。フランス、ドイツなどのように基本的な学費は無料(!)という国もありますが、英語圏で人気の留学先(アメリカ、イギリス、カナダ、オーストラリアなど)の学費は、日本より高額なのが一般的。ウワサとして語られがちな「海外大は国内大よりお金がかかる」という話はあながち間違いではありません。

もちろん大学や学部によって学費が異なるケースが多いので一括りにはできませんが、傾向としては公立より私立、人文系より理工系(海外には文系・理系という概念はありませんが)のほうが学費は高め。また、日本と同じ医・歯・薬学系や看護などは高額である可能性が高いです。国によって、ほぼすべてが国立もしくは公立大だったり、レベルの高い大学は圧倒的に私立大が多かったりといろいろですが、いずれにせよ4年間フルで留学する場合、日本よりは学費がかかると思っておいたほうがよいでしょう。

その一方で海外大には、「留学ルート」によって学費を節約できるしくみがとても充実しています。

日本で「大学にいく」となると、高3で受験→合格したら大学1年生に入学が当たり前なのに対し、海外の教育システムには大学で学ぶための多様な進学ルートが用意されているのです。

 

進学ルートの例

アメリカコミュニティ・カレッジという2年制の州立大学があります。ここで決められた2年程度の課程を修了すると、4年制大学の3年次に編入できる制度があります。

イギリス・オーストラリア大学は3年制ですが、日本の高校卒業では直接入学の資格を得られません。所定の ファウンデーションコース(大学準備コース)に1年間通ってから1年生に入学するのが一般的なルート(合計4年間)になります。

オーストラリアTAFEと呼ばれる専門学校で1年学び、大学の2年次に編入することも可能です。

 

こうしたコミュニティ・カレッジやTAFE、ファウンデーションコースなどは、通常の4年制大学より授業料が安いことがほとんど。同じ4年間の留学でも、学費の総額を抑えることができます。

また、カナダを含むすべての国で、大学によってはパスウェイプログラムと呼ばれる制度もあります。大学入学のための英語力が足りない場合などに、専用のコースや学校に1年間通って英語と基礎科目を集中的に学んで修了すると、2年次に編入できる制度になります。このルートなら留学期間を短縮できる可能性もあり、費用を抑えることにも繋がります。

重要なのは、大学や学部によってはもちろん、進学ルートによっても学費の総額が大きく変わってくるということ。海外大の学費は、お子さまが「何を学ぶか」「どう学ぶか」によって左右されるのです。

ランキングにある大学だから、というような理由だけで留学先を決めるのではなく、やりたいこと・学びたいこと、取得したい学位など留学の目的意識をはっきりさせる。そうすることでお子さまの希望をかなえつつ、費用を抑える道筋も一緒に考えられるというわけです。

 

留学費用について「我が子とこう話した!」

●先輩保護者体験談●

■Kotomi S. 先輩(アメリカ・オレンジコーストカレッジ〔Orange Coast College〕)のおうちのかた■

もともと大学進学費用を用意する心構えはありましたが、海外大学の学費等についてはネットなどでできる限り調べたところ、年額ではどうしても費用が少しオーバーすることがわかりました。本人が4年制の大学を希望していたのは十分知っていましたが、我が家では残念だけど叶えてあげることはできないことと、2年制のカレッジなら費用を準備できそうだということをそのまま話しました。

 


話しておくこと ② 留学先での生活費、どれぐらい必要!?

 

学費のほかに、留学費用の中で大きな割合を占めるのが「生活費」です。基本的には、学費と併せて留学の総費用としてトータルで考えていくことが大切になります。日本でも、保護者のもとを離れて一人暮らしをする場合はかなりの費用がかかりますが、それは海外でも同じ。しかも、相場がよくわからない海外での暮らしとなると、いったいいくら生活費がかかるのか保護者としては不安ですよね。

生活費の中でもっともお金がかかるのが住居費用です。これは学生寮など大学側が提供している住居に住むのか、学外にアパートなどを借りるのかによって大きく変わってきます。アメリカのリベラルアーツカレッジと呼ばれる大学など、全寮制をとっている大学以外は自分で住居を選べることが多いのですが、そうした場合も学生寮を選択すると費用は比較的抑えられます。寮には定員があり、先着順や抽選などとなっていることも多いものの、新入生の場合は入居しやすい大学が多いようです。ただ、大学によっては寮の評判があまり良くない等の個別の事情があるので、学生をインタビューしているサイトを調べたり、留学イベントなどでその大学の先輩学生の話を聞ける機会があったら、人気・おすすめの住居スタイルなどを聞いてみるようお子さまにアドバイスしておくとよいかもしれません。

自分でアパート等を借りる場合、家賃相場は国によって違いが大きいうえに、同じ国の中で立地によっても大きな差があります。一般的に都市部の家賃は年々高騰している傾向があります。また、食費や雑貨、衣料品など生活必需品の相場も都市によって異なります。

大学選びの際は「どの街の、どこに住むのか」を常にセットで考えていくのがおすすめです。もちろん学費と同じように、留学している期間が長くなればなるほど生活費もかさんでいきますので、ここでもお子さまの学びの目的やスタイルをしっかりプランニングすることが、トータルコストを抑えていくコツになります。

なお、海外からの留学生を積極的に受け入れている大学の公式サイトでは、必ずと言っていいほど授業料や諸経費、生活費などを含めた年間(もしくは学位取得まで)の総費用を試算できるツールが用意されています。出身国や学部、コース、希望の住居スタイルなど必要事項を入力すると概算金額をチェックできるので、親子で費用を考えるときにとても便利です。

※海外への送金時は為替レートの影響が大きいことも頭に入れ、少し余裕を持った金額で考えておくとよいでしょう。

 

留学費用について「我が子とこう話した!」

●先輩保護者体験談●

■Y.H. 先輩(オーストラリア・ウェスタンシドニー大学〔Western Sydney university〕)のおうちのかた■

留学はやはりとてもお金がかかりますが、我が家での家計でも留学できる方法が必ずあるはずと、いろんな可能性と方法を熟考。家族会議を開き、具体的に数字を提示して、運用計画をみんなで話し合いました。子どもが成長して進学する場合、日本の大学でも海外の大学でも費用はかかります。小さいうちから学業資金の貯金や共働き計画を夫婦でも話し合っておくことが大切だと痛感しています。

 


話しておくこと ③ 奨学金はねらう?どう対策する?

 

学費と生活費をあわせた留学費用が、ご家庭の経済事情では「とても出せない...」という金額だった場合、強い味方になるのが「奨学金」です。実際にお子さまを留学させている先輩保護者のご家庭でも、なんらかの奨学金を得て留学を実現しているケースが非常に多くなっています。

奨学金というと優秀な子だけがもらえるもの、という印象があるかもしれませんが、実は海外留学生向けの奨学金は国内外の様々な団体が提供しており、支給要件や支給金額も多種多様です。

日本国内で募集しているものだけで考えても、文部科学省が所管する日本学生支援機構(JASSO)のような公的な団体が行っているものから、民間の企業・団体が提供しているものまでたくさんあります。支給タイプは大きく分けて、返済不要の 給付型と、留学終了後に少しずつ返済する 貸与型。支給される金額は、留学費用のほぼすべてをカバーするような高額の支援から、年間●●円(ドル)のように金額が決められているものまで幅広くなっています。

基本的に、奨学金受給には各団体が定めた基準をクリアする必要があり、学生側が書類や面接などで高校での学業成績や課外活動の実績などをアピールして、それをもとに選抜されるという形式のものが大半です。

また、志望する大学によっては、合格者に 独自の奨学金や財政援助の施策が用意されていることがあります。これも成績によって決まることがほとんどですが、その大学の合格者だけが対象であり、大学としても優秀な学生に入学してほしいので、各種団体の奨学金よりは獲得しやすくなっています。

いずれのケースも、「返済不要」「学費の全額免除」など手厚い支援を受けられるものは人気があるため、英語力や学業成績などの基準が非常に高く、競争率も高いのが一般的。ただ、前述のように奨学金にはいろいろなタイプがあるため、お子さまの状況に応じて受けられる奨学金を探すことは可能です。

もし、資金面がネックになって留学を躊躇しているのであれば、まずは奨学金が獲得できないかを考えましょう。その場合、おうちのかたから「奨学金が獲得できるのなら、留学させてあげられる」ことを早めに、はっきりと伝え、ご家庭の経済事情に照らしてどれぐらいの金額の奨学金が必要かを明確にしてあげると、考えやすくなります。

狙う奨学金の候補をいくつか選んだら、募集の要件をチェック!親子ともに早い段階から奨学金を意識することで、お子さまは求められる成績や英語力を満たすために日々の学業、課外活動にしっかり取り組むことができますし、保護者のかたもサポートのしどころが絞れます。

※各種団体や大学の奨学金は、ご家庭の総収入が一定以上になると対象から外れる場合もあります。

 

留学費用について「我が子とこう話した!」

●先輩保護者体験談●

■Saki N. 先輩(アメリカ・デポー大学〔DePauw University〕)のおうちのかた■

留学を考えた時点では費用の心配はありませんでしたが、家庭事情が今後どのように変化するかわからないので、奨学金の申請をすることにしました。子どもは大学見学の際に先輩から奨学金の大切さを伺っていたので、すぐに了解してくれました。結果的に出願したアメリカの大学3校から奨学金の認定をいただけました。国内の奨学金はとても競争率が高いので、留学先の大学の奨学金制度もぜひ調べてみてください。

 


まとめ

 

いかがでしたか?

以上3つについて、親子で話す手順をまとめると以下のようになります。

 

1) 海外の大学のWEBサイトでは、ほぼ必ず学部やコースごとの授業料、生活費が詳細に公開されているので、まずは気になる大学・学部の情報を早めに調べて、初期から進学先選びの検討材料にのせておく

2) ご家庭の経済事情によって「ここまでしか出せない」という上限金額があるのならば、お子さまにもはっきりと伝えて家族全員で認識を共有

3) もし行きたい大学の学費+生活費がご家庭の上限金額設定を超えていることがわかっていれば、対応策(別の進学ルートや、奨学金)を考える

 

留学ってお金がかかりそう、そう思っているのは保護者の方だけでないかもしれません。普段の家庭での会話などから、なんとなく自分の家の経済事情を察して、「うちには無理だろう」と先回りしてあきらめるお子さまも少なくはないのです。

留学したいというお子さまの希望を尊重したいときは、まずはやりたいことと合わせて、お金に関するリアルな実情をご家庭で共有することが何よりも大切。お金の話はしにくいかもしれませんが、「この金額までならOK」「これ以上は厳しいから奨学金で賄ってほしい」など、具体的な数字を出しながらはっきりと伝えることで、お子さまのほうも目的意識や、やらなければいけないことが明確になります。

ご家庭でお金に対する認識を共有することで、「では、どうすれば希望の進路に進めるか」を前向きに考えられるようにもなります。それは海外留学に限らず、国内大に進学する場合でも同じこと。早いうちから「お金の話」をしておくことで、結果的にスムーズに進路選択を進めていけるようになるはずです。

 


 

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