ゼミ中学講座ミライ科TOP図版入れる進研ゼミ中学講座のウェブサイト「ミライ科」は、進研ゼミ会員以外も閲覧でき、中学生活の悩みから将来の夢まで、役に立つ情報を平日ほぼ毎日更新しています。そのサイトのなかで、2022年8月より、SDGsの目標の1つである生物多様性について学べる連載小説「生徒会書記はときどき饒舌」が始まりました。
中学生がSDGsについて無理なく学べるように工夫した進研ゼミ中学講座「ミライ科」担当の磯山誠に話を聞きました。
子どもが学ぶ意義をみつけられるために!進研ゼミ中学講座ミライ科誕生まで
進研ゼミ中学講座ミライ科のサイト誕生は、「中学生の勉強離れ」「学びへのモチベーションの低下」が背景にありました。
将来への期待が持てないから学びに向かえないのではないか、その打開には『将来』が1つのキーになるのではと、数年前からキャリア、職業に関連したコンテンツを作り始めました。
その時に作ったサイトを引き継いだ、現サイトの1コーナー「おしごと辞典」には約300の職業紹介コンテンツがアーカイブされています。
もっと中学生に寄り添うために「身近」を切り口に
しかし、中学生から「将来」はまだまだ遠いということもわかってきました。
「雨の日は髪型が決まらない」「今日部活の後輩にきつく指導したけど、大丈夫だったかなあ」「子どもっぽいと言われるの嫌だな」といった日常の困りごとのほうが、中学生にとっては大問題なのです。
もっと身近な話題を入り口にして、日常の困りごとを解決しながら「将来」についてふれることができたらと、「ミライナビ」を2021年に「ミライ科」としてリニューアルしました。
例えば「ジーンズの裾はどのあたりで切ったらいいの?」といった身近なテーマから最終的にはファッションデザイナーやお店の店員さんといった職業に触れ、そのために必要な準備を伝えています。
これにより、毎月160万PV以上の人気サイトになりました。
エンターテイメントにこだわりながら生物多様性について学べる連載小説「生徒会書記はときどき饒舌」スタート!
より多くの子どもたちに支持されるサイトとなるために、「ミライ科」には様々なコンテンツを発信することなりました。
中学生の未来を幅広く応援する情報として、様々なインプットをしてほしいと考えました。その1つがSDGsです。ただ真正面に情報を発信しても中学生は受け止めることはできません。そこで磯山は、連載推理小説の形で生物多様性について学ぶコンテンツを作ることに決めました。
こだわったポイントについて聞きました。
「最も大きなこだわりである真正面から発信しないとは、SDGsそのものをメインの情報としないということです。あくまでもメインは中学生が面白い!と思うお話であるということ。中学生があるある!と思う日常の中で起こる話の中に、生物多様性についての要素を入れていきます。あくまでミステリーとして楽しんでもらうことが大切です。SDGsは背景情報として咀嚼してもらいます。SDGsが前に来てしまうとお説教になってしまいますよね。子どもたちは謎を追ううちにSDGsの情報にふれるということが大切なんだと考えています。
夏休み明け、生徒会室にはいつものメンバーが集っています。一羽のツバメが窓の外を通り過ぎ、佐野くんが、夏休みの自由研究で優秀賞をとった『ツバメの研究』の話になりました。3年間でツバメ巣が3分の1に減っているということがわかったそうですが、副会長の佐野悠馬が語るその理由については、生徒会メンバーは釈然としません。庶務で虫好きの北原翔が持論を展開し、会長の岡村さくら、会計の浜松大雅が推理をしていくなか、書記の大葉心美は『もっと大きな無視できない原因があるはずで......』といって生徒会室を去っていきました。
これが第一話の展開です。生徒会室に謎が持ち込まれ、この生徒会室という場所で推理するという物語の骨子は、アシモフの『黒後家蜘蛛の会』にインスパイアされました。
そして、多感な中学生を子ども扱いせずに、あくまでも本物にこだわり、監修は生物多様性の第一人者である 久保田康裕先生(株式会社シンクネイチャー代表・琉球大学理学部教授)にお願いし、執筆は、2016年に「本格ミステリ大賞」を受賞したベネッセOBの推理小説家、鳥飼 否宇さんにお願いしました。
またとっつきやすいように漫画を入れたりするのは当然として、1ヶ月に2回の頻度で連載することにもこだわりました。それ以上あいだを開けると中学生は忘れてしまうのですよ。笑」
2023年7月までの連載に乞うご期待!
連載は2023年7月までの予定です。今後についても聞きました。
「この連載には大体3万人くらいの読者がいます。SDGs、生物多様性と言われても、ピンと来ないかもしれませんが、監修の先生は『ある生物がもし絶滅しなかったら、コロナの対策など、世界の課題が解決されていたかもしれない。世界、地球の困りごとに対して何かができたかもしれないという可能性もある』と言ってました。
生物多様性が失われることは人類にとっての損失というところまで、きちんと描きたいと思っています。もちろん、SDGsは生物多様性だけが課題ではありません。人類が発展するための開発とどうバランスをとるのか まで踏み込んでいきたいです」
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進研ミライ科連載小説「生徒会書記はときどき饒舌」にご注目ください!
*進研ゼミ小学講座のSDGsの取り組みの記事はこちらからご覧いただけます。