各企業がこぞって取り組むSDGs。ベネッセらしい取り組みは何かと考え、子どもたちが本当に未来の世界に目を向けられるきっかけをつくりたいと、進研ゼミ小学講座の編集担当黒瀬裕之は、2022年6月末、進研ゼミらしいSDGsサイト「未来をつくるSDGsナゾ解き」を進研ゼミ以外の子どもたちにも広く公開しました。
サイトの内容や制作への思いをご紹介します。
子どもが楽しみながらSDGsを学ぶことができるサイト
黒瀬が考えたサイトは、「知って学んで行動できる」というステップでSDGsについて学べるようになっています。
「SDGsとは何かを、言葉の定義から順を追って押さえていくといった方法では、もともと興味が薄い子どもはなかなか学びに向き合うことはできません。そこで、まずは子どもが大好きな『ナゾ解き』の中で、SDGsの言葉を自然に知っていくという方法を取りました。
『地球とは違う、もう1つの世界。
そこは、世界樹と呼ばれる大きな木の元もとに地平が広がっており、
たくさんの生き物ものたちがすんでいる。
みんな幸せに、満たされた暮しをしている......はずだった。』
あるとき世界樹の花の色が失われ、あちこちで異変が起き始めました。この謎を突き止めるために様々なナゾ解きを行う展開です。この危機を救うためには『ある力』が必要なこと、そして今の地球でも同じような危機が訪れていることを学びます。
知識を得た上で、どうすれば自然を守りみんなが安心して暮らせるようになるには、自分には何ができるかを考えます。『行動できる』ことを意識し、考えを宣言として投稿するコーナーを作りました。(2022年11月末で締め切りました)
サイト全体は、SDGsの17項目についての紹介や基礎知識が学べるムービーのコーナーもあります。宣言以外にも行動につなげられる自由研究や研究結果を発表できるコンクール(2022年度の募集は終了)のサイトにもすぐにいけるようしています。」
社内の環境委員としての経験から
黒瀬は、社内の環境委員を4年間担当しており、その経験がこの企画のきっかけともなりました。
「オフィス内のごみの分別や削減の取り組み、教材での環境配慮などの行動を率先し、まとめて報告する立場にありました。委員を続ける中で、ベネッセ社内には環境に限らず、SDGsに関する取り組みや子どもへの教育が様々なところでなされていることに気づきました。
また、他の企業の数あるSDGs取り組みをみていると、取り組んでいるという事実を伝えたいだけの、いわば『SDGsウォッシュ』と感じるものも多くありました。一方、本気で未来を生きる子どもたちに持続可能な社会について考えてほしいと発信している企業もあります。しかし、子どもへの伝え方には苦労していることを感じました。
ベネッセならば、我々ならば、子どもたちに対して本当の意味でのSDGsを伝えることができると考えたのです。
社内の資源も使ってサイトの制作を進めましたが、縁あって帝人フロンティア株式会社様の取り組みをご紹介することができました。SDGsという大きな目標に向かって、複数のパートナーとともに協力しあえることも意義があることですので、今後も続けられたらと思っています。」
「この企画自体がきちんとSDGsに配慮できているか」からたどり着いた「ペットボトルアート」
企画を進めるにあたり、必ず意識しようと決めたことがありました。
「企画担当としては、できるだけ多くの子どもたちに参加してもらい、宣言してもらいたいと思いました。その参加した満足感をどこにもっていくかは悩みました。進研ゼミの今までの手法では、頑張って取り組んだご褒美としての証をモノという形にてコミュニケーションすることも多くありました。しかし、モノを制作したり配送することはSDGsの精神とは反する。。最初に決めた『SDGsに配慮した企画』にするためにはどうしたらよいのかと悩んでいた時に『ペットボトルアート』と出会いました。
ペットボトルアーチストの本間ますみさんに、世界樹を模したペットボトルツリーを制作いただくことになりました。使用済のペットボトルを洗って使い、接着剤なしで作ることができるので、その後もリサイクルすることができます。
みんなの宣言がペットボトルツリーの成長のパワーになると呼びかけたところ、のべ13,000以上の届きました。
「できるだけ歩いたり、公共の乗り物を使う」「学校でもらうプリントは裏が白かったらメモに使ったり絵を描いたりする」「エアコン、こたつより厚着の方がオススメです!節電頑張らなくちゃいけないからね。」など、子どもたちならではアイディアにあふれた宣言がたくさん集まりました。
SDGsの取り組みは、正解があるようでないし、時間や場所などが違なる側面からだと行動が変わることもあります。まだ試行錯誤の途中だと思います。でも小さなことでも一人ひとりが実行していけば必ず大きな変化になる、形になるそんなことも感じて体験してほしいと思っていました。ペットボトルツリーがその役割を担ってほしいと思っています。
環境だけではない、SDGsの活動はこれからも継続していく
黒瀬は最後に今後について話しました。
「サイトはスタート以来100万PVを超えました。子どもが考えるきかっけとなったことを感じ安心しました。
2022年度はウクライナとロシアの紛争や、元首相の暗殺をきかっけとした人権問題についてなど、社会課題について考えさせる事柄が多く、子どもの視野も視野も広がったのではないかと思います。関心が高まったこのタイミングニサイトを立ち上げられたことは良かったと思っています。
一過性に終わらせず、今後も継続的に活動したいと思っています。日本のSDGsといえば、今までは環境が中心ということもありましたが、研ゼミ小学講座のもっている価値を生かして人権問題といった日本の教育では比較的薄い部分についても今後トライして行きたいと思います。今後も期待してください。」
「未来をつくるSDGsナゾ解き」をぜひご覧ください!
ベネッセグループは、子どもたちが本当に未来の世界に目を向けられるSDG s教育を今後も続けてまいります。
*進研ゼミ中学講座のSDGsの取り組みの記事はこちらからご覧いただけます。