【社員による社会参画】すべての犬の幸せを願う保護犬を守る活動に参加。視野が広がり仕事にもプラスが!

  • 社員の社会と共に行う活動

2023.01.06

ベネッセコーポレーションで保育園支援事業の責任者をしている鈴木聡子は、犬の保護活動をするNPO法人アグリドッグレスキューで広報・渉外の担当をしています。

保護犬での団体の活動の様子のほか、鈴木がどのように活動を始めたのか、それが本業にどんな影響があったのかをご紹介します。これからボランティアやプロボノをしてみたいと考えている方はぜひご参考いただければと思います。

NPO法人アグリドッグレスキューの活動

NPO法人アグリドッグレスキュー(以下アグリ)は2007年千葉県でスタートした犬の保護活動を行う団体です。その後活動範囲を東京、埼玉、茨城へと広げ、昨年(2021年)、より継続的な活動となることを目指してNPO法人となりました。

ここ10年で半減したとはいえ、未だ年間25,000頭以上の犬が愛護センターなどで保護されます。センターから引き出した保護犬をスタッフが一時預かりをしてケアし、譲渡会で新しい飼い主とマッチングし、里親家庭につなぐのが保護団体の役割です。

『全ての犬達を笑顔に』 を信念に、健康な子だけではなく、病気やシニアの子にも幸せを感じてもらえるよう小さな命と向き合っています。里親家庭につなぐ預かりボランティアのほか、搬送、譲渡会などイベント運営、事務局、広報等様々な仕事があります。

団体の皆さん~譲渡会での集合写真~Group photo FIX.jpg

もう二度と捨てられないように

「引越し先では飼うことができないので」「子どもがアレルギーになってしまった」「子犬が生まれたけど、うちではこれ以上飼えない」ひどい場合には「犬が病気なったから」といった理由で手放された犬たちが、もう二度と捨てられないように、スタッフが一時預かりをします。

お迎えを待つ犬たちの写真や情報は、少しでも早く新しい家族と出会えるようにサイトで公開しています。それに加え一時預かり中の様子をスタッフがそれぞれブログで発信しています。

アグリでは年間100頭ほどを保護しますが、保護される前に十分なお世話がされていない場合も多く、病気や怪我の治療やワクチン接種などの医療費が年間800万円ほどかかっています。

活動を継続するために、この費用を確保することも団体としての重要な役割だそうです。

傍観者ではいられない!しかし団体選びは慎重に

鈴木が活動を始めたのは、保護犬という言葉を知ってから3年ほどたった後です。

「今ではテレビ番組などの影響で、『保護犬』という言葉を知っている方も多いと思いますが、私は、2015年に雑誌いぬのきもちの連載で初めてその言葉を知りました。

『保護犬』で検索してみると、保護団体のHPやマッチングサイトなどがたくさん出てきました。あるマッチングサイトを覗くと、そこにはミニチュアダックスやプードルのほか、雑種の子犬たちがたくさん掲載されていました。さみしそうな眼をしている子、ボロボロの子、純粋なまなざしの子犬たち。私にとって犬は子どもと同然な存在です。

『こんなかわいい犬が捨てられ、行き場をなくしているとは!』と大変ショックを受けました。その後、保護犬の活動をする様々な団体の記事やブログを見る機会が増え、アグリのことも知りました。

もう傍観者ではいられない!と行動を起こしたのは2018年でした。人間の都合で、犬や猫が大切な命を奪われるということ、命を粗末にする人間がいるということは大きな社会課題であり、自分も解決に携わりたいと思いました。

多くある団体からアグリを選んだ理由を改めて考えると、サイトなどから滲む団体の雰囲気と『出来る人が出来るときに出来ることする』というボランティアの方針を好ましく感じたからです。当時は14歳の犬を飼っていたため、預かりスタッフにはなれない、でも何かできることはないか?と相談したところ、まずはイベント運営スタッフからスタートしました。

団体に入った後、この団体は、保護する際に犬を選別せず『歳をとっていても病気などがあっても保護する』というポリシーであることを改めて知りました。アグリドッグレスキューを選んでよかった!と思いました。

せっかくボランティアを始めても、長く続けられない方もいると聞きます。辞める方も団体もお互い辛いと思うので、自分にあった団体を選べるといいですね。」

鈴木と当時の飼い犬そらくんのお誕生日の1枚satoko&dog V2.png

NPOではパソコンを使っての事務処理の仕事ができる人材は大歓迎!

現在の鈴木の担当について聞きました。

「広報・渉外の担当、事務周りのPCを使った作業を主にしています。

例えば、会を紹介するパンフレットの制作、そこに掲載するための里親さまへのインタビュー、寄附をいただくための企業向けの資料作成します。助成金や補助金をいただくための申請書や報告書の作成もあります。

専門的なスキルは必要ありません。仕事を通して身につけた事務作業力、経理や法務の知識などの力を求めている団体は多いと思います。団体での活動で事務仕事は本当に多いんです。アグリでもパソコンが使える方を大募集しています。

ボロボロだった子たちがぴかぴかになって卒業していく姿を近くで見守ることができるのは、たまらなくうれしいことです。譲渡会で犬をもふもふするのも最高ですよ。犬好きの皆さんご連絡お待ちしています!」

2022年12月の譲渡会のようす  11月の譲渡会の記事はこちらからtransfer meeting.jpg

鈴木は団体に欠かせない存在に!

団体の方からもお話を伺いました。

「いつもたくさんの事務仕事を引き受けて、会を裏方で支えてもらって感謝するばかりです」(代表/清永)

「細かい配慮など気が利く対応してくれるのは、企業で日々働いているからこそだと感じています。本当にいつもありがとう!」(副代表/吉冨)

「ずっと一緒に活動していきましょうね!絶対辞めないでね!」(田中)

会社以外の多様な人々と触れ会うことで変わった、本業でのチームビルディング

鈴木が活動を始めてから数年たった、今の心境や活動での影響を尋ねました。

「今まで偏りがあった自分の考え方がフラットになったのを感じています。会社は価値観が均質化した集団で、皆が同じように同じことを求められますが、団体は、人によってできることできないことがあることは当たり前で、できることをできる人がして、できないことは他の人がしたり、協力し合ったりするいう形で成り立っています。お互いを『受け入れる』というより『リスペクト』し合うのです。

現代表の清永さんは、人に対して押し付けることがなく、また常に感謝の言葉を伝えることが出来る方です。代表以外にも多くの皆さんの出会いによって私の意識も変わったと思います。本当に良い組織に出会えたと思います。

会社では、成果を通じて自己効力感や自己肯定感を感じることが多いと思うのですが、そういったものとのは別のなんともいえない幸せを感じます。『利他的な幸せ』。この感情を持てたことは私には大きな発見でした。

仕事への影響で明らかに変わったのは、チームでのコミュニケーションです。『できていないことを指摘する』『指示命令型』といったネガティブなコミュニケーションから、多少はメンバーの声を聴くことができるようになったように思います。もちろん現メンバーの力によるところも大きいですが、安全性が高い場所で、自身が得意なことをできる組織となることを心がけています。」

社会貢献の活動で自分のストックが増える!

最後に話した言葉が印象的でした。

「『自分の時間を割いて社会貢献活動を!』というより、自分の中のストックが増えるよさのほうがとても大きいです。仕事の経験値しかないところでは、その範囲でしか物を考えられないと思います。ベネッセでしたら『教育』ですが、それと何かをかけ合わせるその『何か』は世の中に出ていかないと見つかりません。×『何か』がみつかれば、仕事を見る視点はもっと広がるのではないかと思います。

本業のためになることを目的としているわけではありませんが、とにかく得るものはたくさんありました!」

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鈴木の紹介が、これからボランティアやプロボノをしてみたいと考えている方の参考になればと思います。

鈴木 聡子
広告会社やメーカーを経て、2005年ベネッセコーポレーションに入社。進研ゼミでのマーケティング担当やコーポレート部門を経て、現在は、写真やコメントで保育園での記録を残す日本初の保育ドキュメンテーション事業の責任者

最終更新日:2023年01月06日