【社員による社会貢献】子どもたちの居場所となりたい!

  • 社員の社会と共に行う活動

2022.09.30

活動のきっかけ

ベネッセコーポレーションの村上 綾野は、入社以来約10年、主に小学生の子どもたちに向けた教育事業に携わっていましたが、ある日たまたま参加した講演会で、日本の子どもの7人に1人が相対的貧困という事実を知りました。自分が見てきた世界がほんの一部であること、国内で貧困に苦しむ子どもがいることに大きな衝撃をうけ、そこから自分ができることを模索し、様々な活動に参画しながら、「子どもの貧困」問題についての学びを重ねました。

初めは児童養護施設出身の若者の自立支援を行う団体で活動をしていましたが、2017年「すべての子どもたちに安心できる居場所と生きる力を」という願いを掲げて、NPO法人HUG for ALLを設立し、児童養護施設の子どもたちの学び支援を行っています。

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HUG for ALLの活動内容

活動を始めてもうすぐ6年が経ちます。子ども1名に2名の担当ボランティアが継続的にかかわることは、活動開始からずっと変わらず、大切にしてきました。一方で、プログラムの内容については、子どもたちと過ごす中で徐々に変化をしてきました。

初めは学校の教科学習(特に算数・国語)を中心にした学習支援を主としていましたが、子どもと深く関わり、試行錯誤を繰り返した結果、現在は「生きる力」を育むための「対話・体験型プログラム」を行っています。

現在は、幼児・小学生を対象にした「まなびクエスト」「あそびクエスト」、中高生から退所後25歳くらいまでを対象にした「はたちクエスト」というプログラムを、月1回のペースで実施しています。

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「まなびクエスト」では、「対話」を通じて、学びに向かう力や自ら考える力を育みます。子ども自身にその時間で学ぶことを決めてもらい、それにいっしょに取り組みながら、小さな成功体験を積み上げて、子どもの学びに向かう意欲を高めます。

「あそびクエスト」は多様な体験を通して、一人ひとりの子どもの好き・得意を見つけていくプログラムです。アート・サイエンス・テクノロジー・運動など、様々なテーマで子どもたちの可能性を発見していくことを重視しています。

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中・高校生~退所後25歳くらいまでの若者向けの「はたちクエスト」は、彼らを将来社会に迎え入れるためのプログラムです。世の中の仕事のこと、自分の進路のこと、他者とのコミュニケーションや金銭管理・生活の知恵など、これから生きていくうえで考えたいこと・知っておきたいことを対話を通して大人たちと共に学び、考えることを大切にしています。

※HUG for ALLの活動内容はnoteで公開されています。
※よろしければぜひご覧ください。

HUG for ALLが目指す未来

HUG for ALLが活動を通して目指しているのは、子どもたちがこれからの社会を「生きる力」を身につけると共に、彼らの「安心できる居場所」の一つになること。施設を出た後も、同じ趣味でつながれたり、ちょっとした悩みごとの相談をしたり、うれしいことを報告したり、そんな自然な"仲間"でいたいと思います。そんな中で、将来にわたって子どもたちの人生を「信頼できる大人たち」が支え続ける関係性を作りたい。そして、将来的には、そんなしくみやコミュニティを広げていくことで、子どもたちが誰一人として孤立することがない社会をつくりたいと考えています。

活動と仕事のつながり

最後に村上は、「活動を始めて多様な仕事や価値観、様々な人に出会い、その蓄積は大きな変化に繋がりました。私自身が大事にしている"生きる力を育む"というテーマは、NPOの活動だけではなく、現在手掛けている保育園事業にもつながるものです。双方で培った知識やネットワークは、それぞれに活きていると感じています。」と、その思いを語りました。

*児童養護施設や里親などと暮らす「社会的養護」のもとにある子どもは約45,000人と言われています。基礎的な知識を知りたい方は、noteでの記事【漫画☓社会課題】「社会的養護」はじめの一歩公益財団ベネッセこども基金作成)をご参照ください。

村上 綾野(むらかみ あや)
大学では発達心理・臨床心理を学び、二度の転職を経て2004年に㈱ベネッセコーポレーションに入社。赤ペン先生のマネジメントや新規事業開発などを経て、2016年よりKids & Familyカンパニーにて保育・子育て支援関連の事業開発を担当。現在に至る。

最終更新日:2022年10月27日