経営

株式会社ベネッセホールディングス

代表取締役社長CEO 小林 仁

ベネッセが、TMJ、Hmcommと、生成AIを活用した「次世代型コンタクトセンタープロジェクト」を開始

人×AIで、24時間顧客の困りごとを解決できるコンタクトセンター目指す


 株式会社ベネッセホールディングス(本社:岡山県岡山市、代表取締役社長:小林 仁)は、コンタクトセンター・バックオフィス(事務処理センター)の構築・運営を行う株式会社TMJ(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:丸山 英毅、以下TMJ)、国立研究開発法人産業技術総合研究所(以下「産総研」)発のベンチャーのHmcomm株式会社(本社:東京都港区、代表取締役CEO:三本 幸司、以下「Hmcomm」)と共同で、生成AIを活用した次世代型コンタクトセンターの設立に向け、2023年6月より共同プロジェクトを開始します。本プロジェクトにより既存のコンタクトセンターの業務プロセスを抜本的に改革し、顧客体験の向上と、生産性向上を実現します。

次世代型コンタクトセンターP.png


背景・概要

ベネッセはグループパーパス「誰もが一生、成長できる。自分らしく生きられる世界へ。ベネッセは目指しつづけます。」の実現に向け、2023年5月に「変革事業計画」を発表いたしました。既存のコア事業変革の一つとしてコスト構造改革を掲げ、電話窓口の自動化や、生成AI技術を活用することで「人」が担うべき領域の適正化を進めています。
一方で、顧客対応の接点であるコンタクトセンターにおいては、顧客課題の個別化による対応難易度の向上や、人件費高騰による人材不足など、センター運用の変革が急務となっています。このたびベネッセが主体となり、「進研ゼミ」コンタクトセンター業務において、TMJの設計・運営業務のノウハウと、AI開発に実績をもつHmcomm社の生成AI技術導入支援により、次世代型コンタクトセンターの確立を目指します。この取り組みにより、顧客がいつでも、短時間に、適切な情報を得られることによる顧客体験の向上と、生産性の向上を実現します。
本プロジェクトは、今年4月にグループ社員1.5万人向けに導入を開始したAIチャットサービス「Benesse Chat(旧名 Benesse GPT)」の社内活用推進により、各事業部にて生成AIを活用した事業発展を追求し、プロジェクト化した第一号案件となります。
参考 https://blog.benesse.ne.jp/bh/ja/news/management/2023/04/14_5969.html

■生成AIを活用した「次世代型コンタクトセンタープロジェクト」について

本プロジェクトでは、コンタクトセンターにおける顧客体験を「問い合わせ前の悩み解消」「問い合わせするまでの手続き段取り」「問い合わせした際の品質と効率」の3フェーズに分類し、各フェーズで顧客がスムーズに解決・アクセス・対話が実現できるよう、生成AI技術を幅広く活用していきます。当初はオペレーターの回答支援や応対履歴の要約などで生産性向上を図り、チャットボットの精度向上、自動応答による"つながらない・お待たせする"の解消などへ対象領域を拡大、コンタクトセンター全体の顧客体験と生産性の大幅な向上を3社共同で実現します。

① 自己解決の大幅促進
顧客とAIチャットとの自然な対話と、基幹システム連携により、顧客のお困りごとを幅広く・スピーディに解決

② オペレーター応対前のサポート
つながるまでの待ち時間に、用件をヒアリングし自動回答、電話混雑時のコールバック予約受付など、音声応対サービスを進化

③ オペレーター応対中の自動化
音声認識と生成AIの組み合わせによるリアルタイムな回答支援で、よりスピーディーで的確な応対を実現

④ オペレーター研修の効率化
生成AIを活用したセルフ・ラーニング、ロールプレイングなど、人財育成の仕組みの変革

⑤ センター管理業務の生産性向上
スーパーバイザーなど管理者の定型作業をAIが代行し、オペレータースキルの育成や運営効率向上などの付加価値業務にリソース再配分

共同プロジェクト開始にあたってのコメント

20230616人物1.png株式会社ベネッセホールディングス専務執行役員 CDXO 兼 Digital Innovation Partners本部長 橋本 英知

本プロジェクトでは、生成AI技術を導入するのが目的ではなく、これからの事業成長のために、お客様との重要な接点であるコンタクトセンターを変革し、お客様にとっての利便性を圧倒的に高めていくことが目的です。その実現のために、まずは、新しい技術や環境変化に迅速に対応し続けられる運営体制に刷新します。3社の得意分野を活かし、また、新たなパートナーにも参画していただきながら、この変革を実現していきます。

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株式会社TMJ 代表取締役社長 丸山 英毅氏

カスタマーサクセスの実現には膨大なデータの分析から活用が必要不可欠です。この度、ベネッセ、Hmcommと協同で、生成AIを安全・安心に活用する態勢を構築出来ることを光栄に思っています。このプロジェクトを通して、クライアント企業とエンドユーザーとのコミュニケーションのタッチポイントの最適化を推進するとともに、新しい技術を利活用できる人材の輩出を通じて、更なる顧客体験価値の向上を目指してまいります。

20230616人物3.pngHmcomm株式会社 代表取締役CEO三本幸司氏

弊社の「VoiceContact」と「Terry」は、ベネッセやTMJにおいて、顧客とのリアルタイムコミュニケーションを円滑にし、効率的な問題解決を支援するソリューションとしてご活用いただいております。これらのソリューションに生成型AIを組み込み、さらに当社の自然言語処理技術と組み合わせることにより、顧客とエージェントのスムーズな対話が可能となり、複雑な問い合わせに対して迅速かつ最適な対応ができるようになります。私たちは顧客体験の向上と生産性の向上を目指し、この共同プロジェクトに取り組んでまいります。

TMJについて

TMJは、株式会社福武書店(現・株式会社ベネッセコーポレーション)のインハウスコールセンターより独立分社化する形で1992年に設立。世界でも例のない継続型の会員制事業で培った生産管理、品質管理のノウハウを活かし、多種多様なクライアント企業のコンタクトセンターの設計・運営から、調査・分析、人材派遣、人材育成などのサービスを提供しています。2017年には、セコム株式会社の100%子会社となり、より強固で安全性の高いグループネットワークを活かし、クライアントビジネスの成功をサポートします。

Hmcommについて

2022年2月にベネッセと資本業務提携契約を締結。産総研発のベンチャー企業として、産総研独自の音声処理技術を基盤とした要素技術の研究/開発、ソリューション/サービスの提供を行っています。音声処理プラットフォーム「The Voice」と異音検知プラットフォーム「FAST-D」を基盤とし、「音から価値を創出し、革新的サービスを提供することにより社会に貢献する」を理念としています。データサイエンティストやエンジニアなど、AI開発にかかわる人材が多く所属しています。

ベネッセのDX戦略について

ベネッセは、「コア事業の進化」と「新領域への挑戦」を中期経営計画で掲げており、その両者に関わる中心的な戦略として「DXの推進」を位置づけています。これまでもベネッセは企業理念である「よく生きる」を実現するため、デジタルテクノロジーを活用した提供価値の向上に長年努めてまいりましたが、0歳からシニアまで幅広い顧客に多様なサービスを提供するベネッセでこれまで以上にDXを推進していくために、2021年春よりDigital Innovation Partners(DIP)という組織を社長直下に構築。情報システム部門、人財育成部門、DX推進のためのコンサル部門が一体となることで、中期経営計画の実現を牽引しています。
https://www.benesse.co.jp/digital/

最終更新日:2023年06月16日