5年生の今から取り組んでおきたい「中学準備」とは?

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6年生という学年は、最高学年として小学校生活の楽しい思い出をたくさんつくってほしいと願うと同時に、その先の中学校入学後に好スタートを切るために、できることから少しずつ準備していきたい時期でもあります。そこで今回は、現役の中学校の先生や中学生のお子さまをもつ保護者のかたの声などから、5年生の今からできる中学準備についてご紹介します。

スムーズな中学生スタートを妨げるのはどんなこと?

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上の図をご覧ください。
これらは、中学に入学してどのようなところで子どもたちがとまどうかを、中学校の先生や中学生のお子さまをもつ保護者のかたに聞いたものです。

一見するとばらばらで関連性がないように見えますが、実はどれも、自分の持ち物や時間の管理ができない、自分で考えて行動できないなど、「自立」できていないことが原因でとまどっている、という点で共通しています。

「自立」とは、自分のことは自分で考えて行動し、他人任せにしないことです。
そういった「自立」した姿勢・行動をとることができないと、スムーズな中学スタートを切ることが難しい様子がわかります。

中学生になると、小学生のときとは異なり、学校までの距離が遠くなったり、先生が教科担任制になったり、定期テストや部活動が始まったりと、子供を取り巻く環境は大きく変化します。

中学生の保護者のかたからも、入学後には「授業時間が長くなったり、教科別の学習で宿題が増えたりして忙しくなった」「学習内容が難しく、ついていくのが大変」という変化を感じる声が多くあがっています。

このような大きな環境変化を乗り越えていくためにいちばん大事なことは「自立」であると、長年、中学校の現場で多くの子供たちを見てきた中学校教育の専門家である深町芳弘(ふかまち よしひろ)先生も言います。 では、中学でスムーズにスタートできるようになるために、5年生の今のうちからどのように「自立」支援をしていけばよいでしょうか。

自分なりの答えをもち、失敗してもよいので挑戦できる経験を

5年生の後半からどのように「自立」へ向けて家庭で準備していけばよいか、深町先生、元中学校教師の三田哲也(みた てつや)先生のお二人にお伺いしました。
(※お二人のプロフィールは文章の最後でご紹介しています)

自分はなぜ学ぶのか、自分なりの答えをもてるような機会をつくって(深町先生)

中学生になると、自分なりに目標を決め学習計画を立てたり、わからないことを自分から先生に質問したり、誰かに頼らず自分で考えて取り組む学習の「自立」が欠かせません。同時に、中学生くらいになると「どうして勉強するんだろう」と考え始める時期でもあります。

学習内容が難しくなったとき、勉強をやらされていると感じて息切れしないようにするためには、「自分はなぜ学ぶのか」という問いに対して、将来の夢や勉強の楽しさなど、自分なりの答えをもっていることが大切です。そのような自分なりの答えをもっていることは、自分から学習に向かう力になるのです。

ご家庭では、今から仕事や将来の夢についてお子さまと話したり、学習はおもしろいとお子さまが感じられるような機会をぜひつくってみましょう。 その積み重ねが学ぶ意義を意識するきっかけをつくり、お子さまの学習の「自立」を促します。

挑戦して失敗して、自分の力でできることを増やして(三田先生)

中学校は、子どもが保護者の手を離れ始める第一歩。お子さまが自分の力で歩んでいけるようにするためには、まずは自分の身のまわりのことを自分でできるようにサポートをしてみましょう。

たとえば「自分の上履きは自分で洗う」「体操着は自分でしまう」などからさせてみて、自分で難しい場合は手助けやアドバイスをしてあげてください。またお風呂掃除などの家の手伝いを任せることもよいでしょう。

「自分のことは自分でできる」という自信は、中学に入り環境が変わるとき、自分から前向きに対応する力になります。たとえ失敗したとしても、くじけず挑戦する気持ちや「やったらできた」という達成感は、中学での新たな人間関係を乗り越える力にもなるはずです。

【編集室より】
このように、スムーズに中学校生活をスタートするためには、5年生後半のうちから「自立」の準備をしていくことが必要だとわかりました。とはいえ、頭ではわかっていても、具体的にどのようにすればよいか、試行錯誤するものですね。
そこで、「5年生の今から始める中学準備 「自立」へ向けた4つのサポート」では、中学校の先生や中学生のお子さまをもつ保護者のかたが実践した具体的な方法をご紹介します。

≪お話を伺った先生≫
深町芳弘(ふかまち よしひろ)先生
ベネッセ教育総合研究所顧問。東京都公立中学校教諭、東京都区教育委員会指導主事および指導室長、東京都公立中学校校長等を歴任。

三田哲也(みた てつや)先生
元豊島区立千川中学校教諭。約35年間、多くの中学生と関わりながら、一人ひとりに合わせた指導を行ってきたベテラン教諭。

イラスト/てづかあけみ

※この記事は、2021年8月に制作しています。新型コロナウイルスによる影響が続く場合、ご提案している内容が不適切となる場合もあります。その際は、個人のご事情等に合わせて、適宜、ご活用いただきますようお願いいたします。