どう伸ばす? 5年生の「思考力」 ~楽しく「思考力」を伸ばす4つのコツ~

「思考力・判断力・表現力」は、昨今の入試や2020年度全面実施の学習指導要領でも重要視されている大切な力です。知識や経験がぐっと増える5年生は、まさにその「育ちドキ」。日常生活で実践できる「思考力」の伸ばし方について考えていきます。
※「思考力・判断力・表現力」が重要視されているワケと、5年生に見られる「育ちドキ」のサインについては「どう伸ばす? 5年生の『思考力』~『育ちドキ』のサインをキャッチ!~」をご覧ください。

【お話】
角屋 重樹(かどや しげき)先生
広島大学大学院教育学研究科教授、国立教育政策研究所教育課程研究センター基礎研究長などを歴任し、広島大学名誉教授、国立教育政策研究所名誉所員、現在、日本体育大学大学院教育学研究科長。著書に「改訂版 なぜ、理科を教えるのか」(2019年/文溪堂)、監修に「東菅小学校の7年間の物語」(2019年/文溪堂)などがある。

家庭で楽しく「思考力」を伸ばすには?

 「思考力」はこれまでに身につけた知識や技能を使って問題を解決する力ですが、ただ知識や技能を学ぶだけで伸びるわけではありません。それらを使って考える「やり方」を身につける必要があります。その「やり方」を身につけるチャンスは、実は生活の中にたくさんあるのです。普段から「思考力」を意識することでチャンスを見いだし、「やり方」を取り入れることでお子さまの力を伸ばしていきましょう。そのための4つのコツをご紹介します。

「思考力」を伸ばす 4つのコツ
コツ1.「どうして?」で根拠を明確にする力をアップ!

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 お子さまが机の棚を整理した、教科書の置き場を変えたなど、行動の中になんらかの工夫が感じられることはありませんか? そのときがチャンス! どうしてそうしたのか、理由を聞き、説明してもらいましょう。判断の根拠をわかりやすく相手に伝える表現力がつくとともに、目的に応じて解決策を検討する思考のやり方が身につきます。

コツ2.「なんとなく」を、物事を見通す「やり方」につなぐ

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 お子さまは、経験をふまえて漠然と「たぶんこうするとうまくいく」と行動していることも多いもの。これを具体的に、物事を見通す「やり方」として意識させましょう。「さっきはダメだったのに、どうしてうまくいったのかな?」など、うまくいった例とダメだった例を比較して、具体的な違いを見つけられるよう声かけするのが効果的です。

コツ3.没頭する時間をじゃましない

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 好きなことに没頭したり、妄想を巡らせたりする時間は、「おもしろい!」「ひょっとしてこういうこと?」「こうしたらどうかな?」など、積極的に考えを掘り下げる貴重な時間です。お子さまが何かに夢中になっているときは、いろいろな思考の「やり方」が頭の中をかけめぐっている時間ととらえて、大切に見守りましょう。

コツ4.「その方法でOKだった?」と振り返る

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 思考を積み重ねて成長するためには、目的が達成できたかどうかふり返ることが大切です。5年生はふり返りができるようになる時期。うまくいったときも、いかなかったときも、「どうしてうまくいったのかな?」「どこがダメだったのかな?」などの声かけで、実行した方法が合っていたかどうか振り返るようサポートしていきましょう。

<番外編>
先輩ファミリーに聞いた!
「思考力・判断力・表現力」を育むアイデア

 お子さまの「思考力・表現力・判断力」を育むために、先輩ファミリーはどのような工夫をしているのでしょうか? 編集室に届いた声をご紹介します。

イベント好きを生かして地域活動に参加
 イベントの企画を立てるのが好きな子なので、地域のイベント運営のボランティアなどをさせています。そのおかげか思考力がついてきた気がします。(栃木県 こまち)

弟の話した内容を説明してもらう
 弟のつたない説明を一緒に聞いたとき、要点をまとめさせたり、わかりやすく言い換えてもらったりしています。(兵庫県 しんママ)

まずは自分でやらせてみる
「自分でやってみてごらん」と優しく言葉をかけるようにしています。子供がやるのを見ているとイライラして口出ししそうになるので、一人にして取り組ませるようにしています。(愛知県 リーコ)

まちがえた問題について考えるよう促す
 問題集などでまちがえた問題があったとき、答え合わせをしておしまいではなく、「なぜそのように考えたのか」「どう考えれば正解だったのか」など、よく考えるよう促しています。(山梨県 むこやん)

子供新聞のニュースについて話し合う
 子供向けの新聞を親子で読んで、どう思ったか話し合ったり、どんな記事が載っていたか説明してもらったりしています。(茨城県 ピィチャン)

「なんで?」の問いかけを大切にする
 普段の会話でも「なんで?」と根拠を尋ねる問いかけを大切にしています。同時に、子供が答えを出すまで待つ姿勢も大切にしています。(兵庫県 しんママ)

夢中になれる時間を与える
 好きなことや興味のあること、夢中になれることに没頭できる時間をもつようにしています。親は先回りしないようにして、子供に考える時間を与えるよう心がけています。(埼玉県 K.H)


 思考の「やり方」を体験できれば、どのように考えを進めればよいのかがわかります。「やり方」がわかると考えることが楽しくなり、子供はどんどん積極的に考えるようになっていきます。そのためにも、おうちのかたとお子さまが自由に意見を交わす時間をたくさんもてるとよいですね。生活の合間にあるチャンスを見つけて会話を楽しみ、お子さまの「思考力」を育んでいきましょう。

イラスト:日江井 香