『自己肯定感』を高める関わり方~NG言動をチェンジ! ~

 お子さまの成長に合わせて育んでいきたい「自己肯定感」。とはいえ、「うまく身についていないのでは...?」と感じられたら、関わり方を変えることで修正が可能です。自己肯定感を損なうNG言動をチェンジして、自己肯定感を高める方法を、カウンセラーの高木先生に伺いました。
※詳しくは「『自己肯定感』を育むには、小学生の今が重要!」「『自己肯定感』を育む関わり方~低・中・高学年別~」をご覧ください。

【お話】
高木 紀子(たかぎ のりこ)先生
公認心理師、臨床心理士。清泉女子大学非常勤講師。小中学校や高校のスクールカウンセラーも務めるなど、園児から高校生までの保護者と子供、両方の相談を請け負っている。共著に『親だからできる5つの家庭教育』(ほんの木出版)など。

自己肯定感を損なうNG言動「ダメ出し」

 「子供の自己肯定感は、おうちのかたとの関わりの中で育まれます。それが『うまく身についていないな』と感じるときには、『ダメ出しが多い』関わり方をしていないかチェックしてみましょう」と高木先生。
 「○○しなきゃダメでしょ」「まだ○○してないの!」「何度言われたら○○できるの!」などの否定的な言葉を浴び続けると、子供は自分に自信がもてなくなります。「自分をダメな子供だと思っているんだな」「ちっともわかってくれようとしない。なんだか大事にされていないみたいだな」などと感じると、「どうせ自分なんか...」と自分を卑下し、「こんな自分にできるはずがない」と物事に取り組む意欲をなくしたり、人と関わる気力をなくしたりすることにつながりかねません。
 「ダメ出しは本当にお子さまのことをダメだと思っているわけではなく、『物事がうまくいくように』『わが子が成功できるように』と願ってしていることですよね。でも、残念なことに一つ一つの言動が、悪循環を招いてしまうことが多いんです」。
 さっそく、チェックしておきたい「ダメ出し」とその改善策をご紹介します。

NG! 子供の気持ちにダメ出しする 
→ここをチェンジ! まずは共感する/気持ちをいったん受け止める
具体的な言い換え例
(悲しいこと、悔しいことがあったとき)
「泣いたってしかたないでしょ」
「悔しいなら、そのとき言えばよかったじゃない」
  ↓
「それは悲しかったね」
「悔しい気持ち、私にもわかるよ」

(宿題にとりかかる時間なのに、「夕焼けってなんで赤いんだろう」と言うなど、やるべきことがあるのにほかのことに気がとられているとき)
「なによけいなこと言っているの、早く宿題やって!」
  ↓
「すごいことに気づいたね」
「おもしろいこと考えるね」
「ひと言では話せそうにないね。まずは宿題をすませて、そのあとゆっくり話そうよ」

 どんなに正論であっても、いきなり言われては子供は理解できないばかりか、『自分の気持ちを受け止めてもらえなかった』と否定されたように感じてしまいます。「まずはお子さまの気持ちを受け止めるよう心がけて」と高木先生。「いったん気持ちを受け止めてもらえれば『わかってもらえた』『共感してもらえた』と自己肯定感が高まります。すると子供も気持ちをスムーズに切り替えて正論を受け入れたり、やるべきことに取り組んだりすることができるようになります」。

NG! 兄弟や友達と比較する
→ここをチェンジ! 過去の本人と比較する
具体的な言い換え例
「お兄ちゃんは計算でまちがえることなんてなかったのに...」
  ↓
「前はよくまちがえたけど、ずいぶんできるようになったね。その調子でがんばろう!」

 他人と比較されると大人でも不快に思いますよね。おうちのかたとしては「やる気につながれば」と考えての発言かもしれませんが、子供は「(比較相手に比べて)自分は劣っている」と受け止めてしまいがちです。そのようなときは「昔は××だったけど、今は○○ができるようになったね」など過去の本人と比べるなどして努力を認め、お子さまの自己肯定感を高めてあげましょう。

NG! 子供のペースを認めず、責める
→ここをチェンジ! その子なりのペースを見極め、認める
具体的な言い換え例
(なかなか物事にとりかからないとき)
「急いで宿題やっちゃいなさい!」
  ↓
「今日は何時から勉強することにする?」
「7時から夕ごはんにしよう。宿題は間に合いそう?」

(ひとつのことに時間がかかっているとき)
「早くしなさい!」
  ↓
「じっくり考えながら取り組むのがあなたのいいところよね」

 「早く!」「いつになったらそれ終わるの?」とせかしてばかりでは、子供は追い立てられているように感じてしまいます。早く正確に物事をこなせる子供がいる一方で、よく考えるがゆえに行動が遅くなってしまう子供もいます。自己肯定感を高めるためには、その子なりのペースを見極め、認めることが大切です。心配している気持ちを伝える声かけで、自分なりのペースで進んで物事に向かえるよう促していきましょう。

NG! 結果を責める
→ここをチェンジ! 過程を認める
具体的な言い換え例
「ほら、やっぱり。がんばりが足りないからうまくいかなかったのよ」
  ↓
「思いがけないことになったね。でも、よくがんばっていたと思うよ。次はどうすればもっとよくできるようになると思う?」

 テストやスポーツなどでよい結果が出せなかったとき、いちばんがっかりしているのはお子さま自身です。解決のためのアドバイスは後回しにして、まずはねぎらう声かけを。「残念だったね」などと寄り添い、努力の過程を認めてあげる声かけで「よくがんばったね」「その姿勢はすばらしかったよ」という気持ちを伝え、自己肯定感をキープしてあげましょう。そのうえで「どうすればいいと思う?」とお子さまの意見を引き出しながら、一緒に解決策を考えていけば、次回より良い結果を出すためのサポートになります。

 「物事には必ず良い面と悪い面があります。もし『うちの子、自己肯定感が低いかも』と思われることがあったら、悪い面ばかりに気をとられず、普段の視点をちょっと変えて、良い面をポジティブに見つけてあげるよう心がけてみてください」と高木先生。自己肯定感を高めるためにもダメ出しを控え、『認める』関わり方を心がけていきたいものですね。