ここをおさえればできる! さかあがりのコツ

 「さかあがりが苦手」「うまくできるようになりたい」と思っているお子さまは多いのではないでしょうか。小学校体育の指導に詳しい白旗先生に、さかあがりのコツを伺いました。

【お話】
白旗 和也(しらはた かずや)先生
日本体育大学教授。小学校教諭、文部科学省スポーツ青少年局教科調査官などを歴任。文部科学省「小学校学習指導要領解説体育編」「幼児期運動指針」の作成にも携わる。体育の指導者を対象とした研究を進める傍ら、体育の苦手を克服する子供向けTV番組の監修や講演活動なども行っている。「小学校 これだけは知っておきたい新『体育授業』の基本」(東洋館出版社)など著書多数。

さかあがりができるようになるポイント

 「さかあがりの大きなポイントは、回るときにおなかを鉄棒にぐっと近づけることです」と白旗先生。足をあげるとき、おなかと鉄棒が近いほど簡単に回れるのだそうです。「さかあがりが苦手な子供は、鉄棒の向こう側に速く体をもっていこうと焦り、かえっておなかを遠ざけてしまう場合が多いのです」。では、さっそくさかあがりのポイントを見ていきましょう。

さかあがりのポイント 
脇をしめ、腕を曲げて、おなかを鉄棒に近づける

 まず、両手を肩幅くらいに開き、左右どちらかの足を少し後ろに引いてかまえます。そして前後に体を揺らして勢いをつけ、足を蹴ってふりあげます。このとき、鉄棒からおなかが離れてしまわないよう、ぐっと鉄棒を体に引き寄せるのがポイントです。足を遠くに蹴り上げようとして腕を伸ばしてしまったり、あごをあげてのけぞる姿勢になったりすると、おなかが鉄棒から遠ざかるので注意しましょう。脇をしっかりしめて、腕を曲げ、あごをぐっとひくと、体が自然に丸まって、おなかを鉄棒に近づけやすくなります。
さかあがり①.JPG

おなかを鉄棒に近づける練習

 さかあがりのポイントである「おなかを鉄棒に近づける」感覚を身につけるための練習を白旗先生に教えていただきました。
※危険のないよう、練習は必ずおうちのかたの立ち合いのもとで行ってください。

脇をしめる練習
脇に赤白帽子をはさんで、落とさないようにさかあがりをする
 脇に赤白帽子などをはさんで、「落とさないように回ってごらん」と声をかけましょう。脇をしめる感覚が身につき、あごがあがってのけぞったり、腕を伸ばしてしまったりするのを防ぐことができます。

鉄棒に体を近づける練習
「だんご虫のポーズ」になる
 鉄棒を握って、あごと鉄棒が同じ高さになるように腕を縮めて体を持ち上げ、その高さをキープしたまま足を浮かせて「だんご虫のポーズ」をとり、数秒キープします。うまく体をひきあげられないときは、おうちのかたがおしりを支えるなどしてサポートするのもよいでしょう。「だんご虫のポーズ」では、脇をしっかりしめて腕を曲げ、あごをひく格好になるので、自然におなかを鉄棒に近づける感覚を身につけることができます。
さかあがり②だんご虫.jpg


補助板を使った練習

 おなかを鉄棒にうまく近づけることができない場合は、補助板を使って練習するのもよいでしょう。斜めの板があることでおなかが鉄棒に近づきやすくなり、簡単に回ることができます。初めは板の上を2歩、次には1歩と減らしていき、「脇をしめて腕を曲げ、あごはひく」というコツを意識しながら体を持ち上げる感覚を覚えましょう。
 学校にある「さかあがり器」を使って練習したり、近くの公園やご家庭にもし補助板のようなものがあれば、それを使って練習したりするのもよいですね。
さかあがり③補助板.jpg


手ぬぐいやタオルを使った練習

 手ぬぐいやバスタオルなどを用意し、図のように腰の後ろに回します。そして鉄棒と手ぬぐいを一緒にしっかり握ってさかあがりをします。手ぬぐいが体を支えてくれるので鉄棒からおなかが離れにくくなり、鉄棒とおなかを近づける感覚、回る感覚をつかむことができます。
さかあがり④タオル.jpg
※手ぬぐいやタオルは丈夫なものを使ってください。握るところで手ぬぐいやタオルが折り重なっていると持ちにくくなります。重ならないよう注意して、力強く鉄棒が握れているか、よく確認してから行いましょう。
※おうちのかたが、鉄棒の高さと手ぬぐいやタオルの長さが合っているかをよく確認し、しっかり体を支えられるバランスをとってから行いましょう。

 「さかあがりには、強い筋力は必要ありません。鉄棒にぐっと体を近づける感覚や体を持ち上げてくるっと回る感覚を身につけると、自然にできるようになります」と、白旗先生。普段から鉄棒や上り棒を使った遊びをいっぱいやっておくとよいそうです。
 また、練習中には自分が進歩しているのかどうか、わかりにくいもの。おうちのかたはお子さまの様子をよく観察して、「さっきよりもちゃんと腕が曲がっていたよ」「鉄棒とおなかの距離がすごく縮んだね」など具体的にどこが良くなったかをぜひ伝えてあげてください。努力を認めることで、がんばる気持ちをサポートしていきましょう。