おこづかいから考える、小学生の金銭教育Q&A

 小学生になると、「お友達とお菓子を買いに行きたい」「ほしいゲームがある」など、生活の中でお子さまが買い物やお金に興味を示すシーンも増えてきます。「おこづかいがほしい」と言い出すお子さまもいらっしゃるのではないでしょうか。そこで、おこづかいを通じて金銭感覚を育むためのポイントを、子供の金銭教育に詳しい鈴木達郎さんにQ&Aで教えていただきました。

【お話】
鈴木 達郎(すずき たつろう)さん
認定NPO法人 金融知力普及協会事務局長。金融知力インストラクター。ITコンサルティング、広告代理店を経て、2005年より現NPOに参加。「全国高校生金融経済クイズ選手権 エコノミクス甲子園」などを企画、実現。小学生から大学生を対象にした講演も多数。共著に「8歳からのお給料袋」(幻冬舎)。

Q 小学生からお金に興味をもつことに抵抗を感じるのですが、どう接すればよいですか?
A お金に興味をもったときが、金銭教育を始めるよいタイミング。小学生はまさにその時期なので、おうちのかたの目の届く範囲で安全に、将来役立つ「金銭感覚」を育んでいくことをおすすめします。

 お金は、人生をよりよく、豊かにするための「道具」となるものです。子供たちは、いずれ社会に出て自分で自分のお金を管理しなくてはなりません。「お金」という道具をうまく使いこなすための「金銭感覚」は、生きていくうえで欠かせない大切な力のひとつです。
 「子供にお金を持たせたり、管理させたりするのは心配...」というご家庭もあると思いますが、金銭感覚は実際にお金に触れ、自分の判断で使うことで身についていくもの。「失敗から学ぶ」ことも多いので、年齢が上がってからのお金の失敗は、額が大きくなりリスクを伴います。親がサポートできる小学生のうちに小さな失敗を積み重ねて学び、リアルに役立つ「金銭感覚」を育んでいくのがおすすめです。

Q 最近子供が、「毎月の決まったおこづかいがほしい」と言い出しました。おこづかいをあげるとき、決めておくとよいことはありますか?
A お金をうまく使いこなす習慣を身につけるために、おこづかいの渡し方や管理のしかたを決めておきましょう。

 毎月、または毎週など、決まった期間に決まった額を与える、おこづかい制を取り入れることは金銭感覚を育むうえでとても有効な手段です。とはいえ、おこづかいを与えさえすれば、金銭感覚が育つわけではありません。お金をうまく使いこなす習慣を身につけるため、その運用のしかたをルールとして決めておくのがよいでしょう。「おこづかい帳をつけさせたいけど、たいへんそう...」という場合などに、私がおすすめする運用のしかたと見守りのポイントをご紹介します。参考にしてみてください。

おこづかいの運用のしかた
①おこづかい袋におこづかいを入れて渡します。
封筒などで「おこづかい袋」を作り、「おこづかい」を入れて月に一度渡します。

②まずは、3分の1程度を貯金します。
「貯金袋」を作り、毎月おこづかいをもらったらまず貯金を。ためる目的がなくても、「もらったら決まった額をとっておく」を習慣にすることが目的です。お金が足りなくなったときや大きな買い物をしたいときに、この習慣の大切さを実感するはずです。

③おこづかいを使ったらレシートをもらい、保管します。
おこづかいを使ったら必ずレシートをもらい、「おこづかい袋」にひと月分を保管します。レシートがもらえなかった場合は、メモなどで残すよう約束しておきましょう。

④月に一度、親子でおこづかいを振り返ります。
次のおこづかいを渡す日に、③で「おこづかい袋」に保管したレシートで前月を振り返りましょう。「(おうちのかたから見ると)無駄づかいをした」「レシートと残金が合わない」など、失敗があっても叱らず冷静に対応を。叱ると、失敗を隠したりごまかしたりするようになる恐れがあります。「ここは、こうすればよかったね」などと、次の月に生かせるアドバイスをしましょう。上手におこづかいを管理できたらおこづかい袋にシールを貼るなど、達成感を感じさせる工夫をするのもよいですね。

見守りのポイント
□与えたおこづかいは、子供に任せる。
おこづかいを渡したら、親は口出しせず使い方は子供に任せることが鉄則。自分で考え、自分なりにお金を管理する経験をさせることが大切です。

□親への前借り、借金は絶対にNG。
限られたおこづかい(=収入)の中でやりくりする練習が大切です。足りなくなったからと「前借り」したり親が補てんしたりしては、やりくりの失敗を学べないうえ、「足りなくなったら親に頼れば解決してくれる」という考えをもたせてしまいます。

□うそやごまかしは絶対に見逃さない。
お金に関するうそやごまかしは、大人になれば犯罪につながることも。親戚にお金をもらったことを黙っていたり、収支をごまかしたりなど、お金に関するうそやごまかしには、毅(き)然(ぜん)とした態度で注意しましょう。

 お子さまの金銭感覚を育むために、おこづかいを上手に活用していきたいものですね。おこづかいをめぐってご家庭で起こりがちな悩みについては、別記事「おこづかいにまつわるお悩みQ&A」でご紹介しています。あわせてご覧ください。