子供とゲーム、どう関わるべき? ~前編~

 現代の子供たちとゲームの関係は切っても切れない様子です。とはいえ、勉強そっちのけでゲームに夢中になってはいないか、ゲームをめぐってトラブルに巻き込まれたりしていないかなど、おうちのかたの心配はつきないことでしょう。そこで、子供とゲームの関わりに詳しい藤川先生に、ゲームとの適切な関わり方について伺いました。前編・後編に分けてお伝えします。

【お話】
藤川 大祐(ふじかわ だいすけ)先生
千葉大学教育学部教授。NPO法人企業教育研究会理事長。文部科学省「ネット安全安心全国推進会議」委員、内閣府「青少年インターネット環境の整備等に関する検討会」座長代理などを歴任。メディアリテラシー、ディベート、企業との連携授業などさまざまな分野の新しい授業づくりに取り組んでいる。『スマホ時代の親たちへ』(大空出版)など著書多数。

保護者世代とは全く違う「今ドキのゲーム」
その注意点は?

 ゲーム業界では、より夢中になれるゲームが次々と開発され続けています。小学生の場合、「ゲームはリビングなど大人の目の届くところで楽しむ」「1日○時間以上はゲームをしない」などのルールをつくって、子供自身が時間の管理ができるように見守っていくことが前提と考えましょう。
 最近のゲームには、ゲーム機でゲームソフトを買って遊ぶタイプと、スマートフォンなどでアプリをダウンロードして遊ぶタイプがあります。そのどちらにも通信機能がついていて、複数のプレーヤーでゲームをしたり、文字や音声でやり取りしながら遊んだりするのが今の主流です。保護者世代にはあまり考えられませんでしたが、ゲームをしている様子を動画で流してそのテクニックを披露する「動画実況」も人気を集めています。
 特にアプリでは、ゲーム内のアイテムを買うための「課金」もアプリごとに行われており、年齢確認で上限が設定されてはいるものの、偽れば事実上無限に課金できるのが問題になりがちなところです。保護者の許可なくアプリのダウンロードや課金ができないようパスワードをかけておく、支払いに使う電子マネーやクレジットカードは保護者がきちんと管理する、といったペアレンタルコントロールは必須です。
 しかし、そうした見守りやコントロールを心がけていてもなお、ゲームにはまりすぎて起こる「ゲーム障害」が今、大きな問題として注目を集めています。

ゲームをしすぎて、日常生活が送れない...
「ゲーム障害」の実態とは?

 2018年、WHOが「ゲーム障害*」を疾病として認定しました。「ゲーム障害」は「依存症」の一種で、ゲームをしたい衝動が抑えられなくなり、睡眠や食事などよりゲームを優先し、健康を損なうなどの問題が起きてもゲームをまだ続けてしまうといった、ゲームに依存した状態です。小学生なら、夜もずっとゲームをして朝起きられず、学校に行かずにゲームをし続けているような状態で、日常生活に重大な支障が起きるのが危険ラインとされています。
 このような「ゲーム障害」になりやすい子供には、自分に自信がなく、現実世界に楽しみを見つけられない、といった共通点があるようです。がんばっても認められなかったり、人間関係がうまくいかなかったりするとくじけてしまい、現実世界に楽しみを見つけられなくなって、どんどんゲームの世界にのめりこんでいくのです。
 とはいえ、ゲームをすること自体が悪いわけではありません。ゲームから何かを学ぶこともありますし、またゲームに限らず、うまくいかないとき自分なりの楽しみ方で気を取り直すことは誰でもあるものです。必要なのは、「ゲームをしない」ことではなく、自分自身でゲームとの関係をコントロールできる力を身につけていくことです。そのためには、やみくもにゲームを禁止するのではなく、子供たちがゲームだけにのめりこまなくても、現実の世界で充実した毎日を送ることができるようサポートしていくことが大切です。そのサポートのしかたについて、後半 で考えていきましょう。

*WHO(世界保健機関)は、「ゲーム障害」とはビデオあるいはデジタル・ゲームが日常生活における全ての利益に優先し、それによって生活に支障が出てもゲームをやめられない症状と定義している。個人として、あるいは家族、社会の一員としての活動に支障を来し、教育や就業活動に打撃を与え、そうした症状が最低12か月間続く場合に「ゲーム障害」と診断されるとしている。