成績がアップする子供たちの共通点とは? ~前編~

成績がアップする子供たちは、
勉強が「好き」

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出典:「子どもの生活と学びに関する親子調査2015-2016」東京大学社会科学研究所/ベネッセ教育総合研究所

 上のグラフは、「勉強の好き嫌い」と子供の成績の変化をあらわしたものです。中でも特に勉強が「嫌いから好き」になった子供に、成績(自己評価)がアップした子供が多いことがわかります。
 勉強が「好き」になれば、成績がアップするのは当然のようにも思われますが、そこにはどんな秘密があるのでしょう? その秘密を探るために、勉強が「嫌いから好き」になった子供たちの学習のしかたに注目してみましょう。

勉強が「好き」な子供たちの秘密は、
「自分を客観視する力」


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出典:「子どもの生活と学びに関する親子調査2015-2016」東京大学社会科学研究所/ベネッセ教育総合研究所

 上の2つのグラフを見ると、勉強が「嫌いから好き」になった子供は、「嫌いなまま」の子供に比べて、「テストで間違えた問題をやり直す」「何が分かっていないか確かめながら勉強する」比率が高いことがわかります。つまり、学習内容について自分が理解できているかどうかを見直し、できていない部分ではなぜ理解できていないのかをしっかり意識して学習に取り組んでいるのです。
 このような学習のしかたをするには、客観的な視点で自分の今の状態を見つめ直していくことが必要です。成績がアップした子供たちは共通して、「自分を客観視する力」によって学習のやり方を調整し、成果に結びつけていたのです。

学習サイクルを効率的に回すために必要な、
3つのエンジン

 学習で成果を出すには、「自分で目標を立てる」→「主体的に学習に取り組む」→「(次の学習に生かすために)出た成果と課題をふり返り、新たな目標を設定する」というサイクルで学力を向上させていくことが必要です。このサイクルを回すエンジンとなるのが、「学習しよう!という意欲」「学習のやり方」「自分を客観視する力 」の3つです。まずは、目標に向かって、進んで「学習しよう!という意欲」をもち、それを達成するために自分に合った「学習のやり方」を選び、さらに「このやり方でいいかな?」「もっといいやり方はないかな?」などと常に「自分の学習を客観視」しながら調整していく、この3つのエンジンがうまく回れば、効果的に学習を進めて、「成績がアップする」という成果を出していくことができるのです。
 この3つのエンジンは互いにつながりあっていますが、中でも「学習しよう!という意欲」と「学習のやり方」をつなぐ要となっているのが「自分を客観視する力」です。この力を身につけるにはどうすればよいのでしょうか? そのためのサポート法について、後編 で考えていきましょう。

【お話】
邵 勤風(しよう きんふう)
ベネッセ教育総合研究所 学び・生活研究室、主任研究員。
現在、小学高学年を対象として「『メタ認知』で自ら学ぶ力を育てる」をテーマに実証研究を実施中。子どもの成長とともに、「メタ認知」や子どもの学び方がどのように発達していくのか、またそれに対する保護者の関わりの影響を明らかにすることで、子どものよりよい学びや保護者の子育てに役立ていけるよう、研究に取り組んでいる。