ちょっと大人に近づく4年生の「ほめ言葉」言い換えレッスン

心が大きく成長するこの時期の子供は、言葉の受け取り方が変わります。もうすぐ5年生になるお子さまに響くほめ言葉とは何なのか、一緒に考えてみましょう。

Lesson 1 成長によって、ほめ言葉への子供の反応がどう変化するのかを知る

これまでは単純なほめ言葉でも喜んでくれていたのに、最近は良い反応が返ってこなくなり、とまどうおうちのかたは多いようです。

その理由について専門家の先生に伺うと、成長により子供の受け取り方が変わっているからなのだそう。「人の気持ちを想像できるようになるため、言葉のとおりに受け取らず、相手の表情や態度から本心を感じ取るようになります」(浅川先生)。

また、「保護者のことを冷静に見ているので、口先だけのほめ言葉は通用しないどころか、かえって逆効果になることも出てきます」(川井先生)。

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今までは単純な「基本のほめ方」で十分
●子供の良い行動に注目する
●すぐほめる
●小さなことでもほめる
●存在価値をほめる

しかし5 年生の心にはこんな変化が...
●自意識が芽生え、他人の目が気になりだす
●周りの人と自分を比較できるようになる
●客観的な目が育ち、保護者を冷静に見られるようになる

これからは「基本のほめ方」+「ちょっと大人のほめ方」
●成長や変化を認める
●「心から」「さらりと」「こっそり」ほめる
●子供扱いせずに同じ目線でほめる
●考えさせるようにほめる
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これまでと同じほめ言葉が響かないのは、お子さまが成長している証。受け取り方の変化に合わせて、「ちょっと大人のほめ方」に言い換えていきましょう。そうすることで、「自立が促される」「信頼関係が強まる」「いつも見守られている安心感につながる」といった効果が期待できます。

Lesson 2 よく使うほめ言葉5つを、「ちょっと大人のほめ方」に言い換える

その1 テストでいい点数をとったとき
「すごいね!」→「注意深く取り組めるようになってきたね。」

ただ「すごい」だけでは×。努力したプロセスや成長したポイントを具体的に言葉にして認めると、お子さまも「わかってくれている」と感じて、安心して喜べます。

その2 苦手なことがやれたとき
「やればできるじゃない。」→「やったね!今の気持ちをひと言!」
「やればできる」は、上からものを言われているようにも感じられます。一緒に喜ぶほうが、素直に受け取ってもらえるでしょう。ヒーローインタビューのようにして、楽しい演出をするのもよいですね。

その3 誰かの役に立つことをしたとき
「偉い!」→「相手の気持ちになって手を貸すのは人として立派なことだね。」
「その行動が社会的に価値のあることだとわかるように、何がどう偉いのかを具体的に伝えましょう」(浅川先生)。それがお子さまの価値観をつくり、自己肯定感を高めることにつながります。

その4 コツコツ努力して難しい課題をクリアできたとき
「よくできたね。」→「『継続は力なり』だね! 時間をかけて練習していたものね。」
ほめ言葉も、何度も言われると慣れてしまうもの。視点を変えて、「石の上にも三年」などことわざや格言を使うのもひとつの手です。

その5 お手伝いを自分からやったとき
「がんばったね。」→「ありがとう。こんなこともできるようになったんだね。」
「ただ『がんばったね』では上から目線にも感じられます」(川井先生)。感謝の気持ちを伝え、成長したところやがんばった点を認めながら素直に喜び驚くことが、この時期の子供の自信を育てます。

Lesson 3 叱りたいときこそ、視点を変えてほめ言葉で解決

その1 後回しにしていた宿題が終わらず助けを求めてきた
「だから言ったでしょう!」→「ここまで一人でやって、自分から言ってきたのは偉いね。」
「『どうして間に合わなかったのかな?』と考えさせて、お子さまが自分なりに理由を見つけられたときは、『振り返る力がついたね』などと認めると、次につながります」(浅川先生)。

その2 約束を破った
「なんでできないの!」→「今まで〇〇を守ってくれていてうれしかったよ。」
約束を破ったときは基本的には叱るべき。ですが、これまでに約束を守ったときのことをほめることで、約束を守ることの大切さを伝えることもできます。

その3 テストで点数がイマイチだった
「ちゃんと勉強しないからでしょ!」→「難しい問題なのに、解こうとがんばったんだよね。」
テストの点数が悪かったときに叱ると、次からおうちのかたに結果を見せなくなる場合も。苦手意識があることこそ、前向きな気持ちで努力したところをみつけましょう。

編集室より
上手にほめることは、お子さまのやる気アップにつながるだけでなく、お子さまとおうちのかたの関係も良くしてくれます。ぜひ、高学年になっても響くほめ言葉への言い換えを試してみてください。

【解説】
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川井道子(かわい みちこ)先生
あんしん子育てコーチ。子育てに悩む母親向けの連続講座「タオ塾」主宰。「今日から怒らないママになれる本!」(学陽書房)、「子育てでもうイライラしない! お母さんのためのハッピーコーチング」(筑摩書房)など子育て関連の著書多数。

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浅川陽子(あさかわ ようこ)先生
江戸川大学メディアコミュニケーション学部こどもコミュニケーション学科教授。長年小学校教諭を務め、子供の発達に応じた指導に定評がある。著書に「幼小接続期の家族・園・学校(共著)」(東洋館出版社)他。

(クレジット)イラスト:木波本陽子

※この記事は、2021年11月に制作しています。新型コロナウイルスの影響による外出自粛等が続く場合、ご提案している内容が不適切となる場合もあります。その際は、お住まいの地域や個人のご事情等に合わせて、適宜、ご活用いただきますようお願いいたします。