おこづかいで、金銭感覚を育もう!

お子さまが、自分でお金をコントロールする「おこづかい」は、身近なところで金銭感覚を育むことができるチャンスです。とはいえ、「あげ方は?」、「金額は?」などと迷う部分も多いもの。今の4年生のご家庭では、おこづかいをどうしているのでしょうか? 編集室が実施したアンケートから、まずはその実態を見てみましょう。

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 アンケートによると、4年生では約半数のご家庭でおこづかいをあげていることがわかりました。あげる頻度は「毎月(月に1度)」、金額は「400円台」が多数で、定額を一定期間で運用させている様子がうかがえます。
 一方で、「おこづかい帳をつける約束だったのに、うやむやになってしまった」「もらうとすぐに使いきってしまうので困る」などというお悩みも多数寄せられました。お子さまにおこづかいをきちんと管理させ、適切な金銭感覚を育んでいくにはどうすればよいのでしょうか? そのポイントを、子供の金銭教育に詳しい鈴木達郎さんにお伺いしました。4年生にありがちなお悩みへのアドバイスとあわせて、Q&Aでご紹介します。

Q そもそも「おこづかい」って必要ですか?
A おこづかいは、金銭感覚をつかむための絶好のツールです。ぜひ活用を。

 お金は人生に必要なもの。大人になれば大半が、定額の収入をやりくりしながら生活していくことになります。そのための訓練をする絶好のツールが「おこづかい」です。
 とはいえ、初めておこづかいをもらう子供たちは、もらったとたんに使いきってしまったり、収支が合わなくなったりなど、さまざまな失敗をすることでしょう。でも、この失敗こそが金銭感覚を育むチャンスです! お金を適切にコントロールする感覚は、言われただけでは身につきません。おこづかいは、保護者のかたの目が届く範囲で、少額のお金でリアルな体験を積むことができる最適な教材です。ぜひ取り入れてみることをおすすめします。

Q おこづかいをあげる際に、決めておくとよいことはありますか?
A 「おこづ会議」を設定して、親子で話し合う機会をつくりましょう。

 自分で考え、お金をコントロールする体験を積ませるためには、見守る姿勢が大切です。定額を渡したら、使い道などにはできるだけ口出しをせず、たとえせがまれても「前借り、増額はなし」とするのが基本です。代わりに「おこづ会議」を設定して、管理のしかたを振り返る機会をつくりましょう。
 例えば、1か月に一度、定額を封筒に入れて渡し、中のお金を使ったら必ずレシートをもらって封筒に保管するよう約束しておきます。そして、次回のおこづかいの前に「おこづ会議」を開いて、そのレシートと残金で収支を確認するのです。その際には「あれはムダづかいだった」「収支が合わない」などの反省点を話し合い、「次にどうすればよいか」をアドバイスしましょう。収支が合っている場合は「次回から10円増額」などとごほうびを決めておくことで、管理する意欲を盛り上げていくのもよいですね。

Q コロナ禍で「電子マネー」が注目されています。子供たちもいずれ「電子マネー」を扱う機会もあると思いますが、今のうちにしておくとよいことはありますか?
A ご家庭の考え方にもよりますが、今のうちから電子マネーに慣らしておくのも一つの手です。

 時代は変わり、電子マネーの普及は必至と思われます。ご家庭の判断にもよりますが、それを体験する機会を与える選択肢もあるでしょう。例えばプリペイド型など、チャージした金額内のみで使用できるタイプの電子マネーを、おこづかいとして取り入れるのもひとつの方法です。電子マネーの良い点は、明細がしっかり出るところ。使途不明金がないので、振り返るのも容易です。形あるお金同様、明細をもとに「おこづ会議」で話し合うことで、金銭感覚を育んでいきましょう。

 続いて、4年生のご家庭にありがちなお悩みへのアドバイスをご紹介します。

Q 買いたいものがあったとき、家の財布から勝手にお金を持ち出したようです。「盗む」という感覚があったとは思えませんが、どのように対応すればよいでしょうか?
A 「叱る」ことで、「重大な過ちを犯した」ということをしっかり伝えましょう。

 「お金を勝手に持ち出す」ことは、犯罪行為につながりかねない過ちであり、おうちのかたの信頼を裏切る行為です。大いに「叱る」ことで、してしまったことの重大さを伝えるべきです。加えて、なぜそうしてしまったのか、事情を聞き出しましょう。その際には、どんな事情であっても必ず相談に乗るから、お金が必要な場合は事前におうちのかたに相談するべきであることを伝え、親子の間の信頼関係を築いていくことを心がけましょう。

Q 子供どうしで出かける機会が増え、「ジュースをおごってもらった」など「おごり、おごられ」「貸し、借り」のケースが見受けられるようになりました。どう対応すればよいですか?
A 貸す責任、借りる責任を伝えたうえで、ある程度は「学びの機会」と見守る姿勢も大切です。

 お金を貸すと返ってこないこともあり、それで友情にヒビが入ってしまうケースもありえます。そのようなリスクをあらかじめ伝えておきましょう。また、実際にきょうだいや親子の間でお金を「貸す」「借りる」体験をさせ、「いつ、誰から、いくら借りたので、○月○日に返す」などの借用証を作って、「貸す」こと「借りる」ことの責任を体験させておくのもよいですね。
 とはいえ、「失敗から学ぶ」という金銭教育の観点からいえば、見守る姿勢も大切です。持たせる金額を子供がマネジメントできる額にとどめる、「貸し借り」があった場合は必ず報告する約束をしておく、などの配慮をしたうえで、体験に寄り添いながらアドバイスをしていきましょう。

 大人にとっても子供にとっても、お金は実生活に欠かせないツールです。人生で起こるさまざまなケースに対応していく力を身につけるためにも、おこづかいを通して適切な金銭感覚を育んでいきたいものですね。

<プロフィール>
【お話】
鈴木 達郎(すずき たつろう)さん
認定NPO法人 金融知力普及協会事務局長。金融知力インストラクター。ITコンサルティング、広告代理店を経て、2005年より現NPOに参加。「全国高校生金融経済クイズ選手権 エコノミクス甲子園」や、10歳以上を対象とした経済を学べるカードゲーム「経済TCGエコノミカ」などを企画、実現。小学生から大学生を対象にした講演も多数行っている。
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※この記事は、2021年6月に制作しています。新型コロナウイルスの影響による外出自粛等が続く場合、ご提案している内容が不適切となる場合もあります。その際は、お住まいの地域や個人のご事情等に合わせて、適宜、ご活用いただきますようお願いいたします。