今から伸ばす! 将来必要になる力

今の学校教育では、この先の社会を生き抜くために必要な力の育成が重視されています。どんな力が必要で、4年生からどのように伸ばしていけばよいのでしょうか。

これから求められるのは未知の課題を解決する力

お子さまが社会に出る頃には、あらゆる地域・職種でグローバル化が進みます。また、IoT(Internet of Things=モノのインターネット化)やAIによる情報提供・共有、ロボット・自動走行車などの技術革新もなされるでしょう。

それらを活用し、少子高齢化や環境問題など、社会の変化に伴うさまざまな課題を克服することが期待されます。そうした社会で求められるのは、新しい課題に自ら取り組み、異なる知識や経験をもつ人たちと知恵を出し合って解決できる人材です。

今後の社会を支えるため、入試や授業のあり方にも変化が

大学入試では学力を多面的に評価するように
2021年から始まった「大学入学共通テスト」においては、 課題解決につながる「思考力・判断力・表現力」がより重視されるようになりました。

さらに、これまで一般入試では主にペーパーテストで学力が評価されてきましたが、学力を多面的・総合的に評価するため、高校の調査書や、志願者本人が記載する資料なども積極的に活用されるようになります。

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小学校の授業は「教わる」から「自分たちで考える」に
学校教育の場でも、先生に教わったことを覚えるだけでなく、自ら「学びに向かう力」を育む授業が増えてきています。 例えば、グループで社会や日常生活の中から課題を発見し、資料・データをもとにしながら答えを見つけて発表するといった、課題解決型の活動です。

このような活動では、「自分の考えをもつ」「互いに話し合う」活動を通して、お互いが考えを出し合い、相手の意見との違いや相手の意見の良さなどに気づきながら、自分なりの答えを出していきます

現状、新型コロナウイルスの影響で、学習環境にも大きな影響が出ていますが、オンライン授業の活用など、学校現場も工夫をしながら学びの場を確保しています。
(以上 ベネッセ教育総合研究所)

4年生の「思考力・判断力・表現力」は生活体験会話で伸ばす!

生活体験を重ね、問題解決的思考力を育む
4年生でめざしたいのは、知っていることやこれまで目にしたことがあるものなどと関連づけて考え、自分なりに筋道を立て、根拠をもって人に伝えられる姿です。

そのベースは体験で、体験が増えるほど、「あのときこうだった。これもそう?」などと、関連づけることができるようになります。

体験をもとにした会話で考えを深める
お子さまが自ら興味をもって体験する機会を大切にしましょう。また、おうちのかたが耳を傾ける姿勢を示すことで、お子さまが自分の考えを自由に言える空気をつくることも大切です。

そのうえで、おうちのかたの意見を伝え、会話を通してお子さまの考えを深めましょう。
(深海先生)

「思考力・判断力・表現力」を育てるアイデア

思考のベースとなる「体験」を増やす
例えば、スーパーの野菜の産地表示が季節で違ったり、外国産だと値段が違ったりすることに気づくなど、「おやっ?」と思える体験を積むと、この先、それらを関連づけて、産業について考えられるようになります。

いろいろな相手に説明する体験を増やす
年下のきょうだいや祖父母など、いろいろな相手に自分の考えを説明する機会を用意しましょう。相手に応じて、わかりやすく伝えるにはどうしたらいいか、反応を見ながら工夫する体験を積むと、わかりやすく表現する力が伸びていきます。
(深海先生)

4年生の「自ら学びに向かう力」は感動振り返りで伸ばす!

4年生は自分と向き合い、自立に向かい始めるとき
「自ら学びに向かう力」には、意欲学習に取り組む態度が関わります。意欲の源は、知りたいと思う関心や、不思議だな、いいなという感動です。

一方で、4年生は自分を客観的に見る力が育ち始めるため、自分の学びを振り返り、進め方や方法を調整しながら学習に取り組めるようにもなっていきます。

夢中で取り組む活動と計画を実行する機会を
お子さまが興味のあることや夢中になれることがあるなら、おうちのかたは、できるだけそれを見守り、大切にしてください。また、物事の進め方や方法を調整する力は、まだ練習段階の時期。

お手伝いや生活の管理など、身のまわりのことからさせてみましょう。うまくできることよりも、見通しどおりにできたかや、できなかった理由を振り返れることが大切です。
(深海先生)

自ら学びに向かう力を育てるアイデア

興味をもったことは、探求を後押しする
生き物の生態や習性、地元の特産品など、身近な物事のしくみや成り立ちにふれる機会を用意しましょう。そして、お子さまが「どうして?」と関心をもったものがあれば、一緒に調べてみるなど、探求のきっかけをつくっていきましょう。

解決の筋道を自分で立て、一緒に振り返る
お手伝いで「食べたあとを片づけてくれる?」とだけ伝え、やり方はお子さまに任せてみましょう。あとでうまくできた点をほめ、どうすればもっとよくなるかの提案をすると、やり方を考え、振り返る姿勢の定着にもつながります。

最後に...

将来必要になる力は、勉強の中だけで伸ばしていくものではありません。ぜひ、お子さまとの会話や体験を大切にし、その中での発見や感動を共有していただければと思います。

【解説】
ベネッセ教育総合研究所
子供、保護者、先生などを対象に、子育て・教育に関連する調査・研究を行っています。過去の調査数は400以上。

深海龍夫(ふかみ たつお)先生
全国小学校理科研究協議会会長、小学校校長などを歴任。ベネッセ教育総合研究所顧問。理科教育の専門家として、学ぶ力を育む教育について指導・研究を重ねている。
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イラスト:nanako

※この記事は、2021年3月に制作しています。新型コロナウイルスの影響による外出自粛等が続く場合、ご提案している内容が不適切となる場合もあります。その際は、お住まいの地域や個人のご事情等に合わせて、適宜、ご活用いただきますようお願いいたします。