【5年生】教科になる「英語」、「評価」はどうなる?

2020年度から5・6年生の英語は「教科」としてスタートしました。「教科」になるということは、数値などで段階をつけて評価され、成績がつくことになります。ではどのような評価のしかたになっていくのでしょうか。最新情報を、ベネッセ教育総合研究所の福本研究員がお伝えします。

「英語でコミュニケーションしよう!」という意欲が評価の対象に

 今年度から完全実施となった新しい学習指導要領では、「使える英語」を身につけるため、身近なシーンで楽しく英語にふれながら「聞く」「読む」「話す<やり取り>」「話す<発表>」「書く」という5つの力を育んでいこうとしています。英語の単語や文法などの「知識・技能」を育てることももちろん大切ですが、まず、小学校で重視されているのは「英語でコミュニケーションしよう!」という姿勢です。この姿勢は評価にも反映されます。  

 例えば、新しいALT*の先生が自己紹介で、誕生日や好きなスポーツなどについて英語で話をしたとします。そのとき、全てを理解できなくても「新しい先生のことを知りたい」と目的をもって一生懸命英語を聞き取ろうとしたり、「日にちは聞き取れなかったけれど、Septemberって言ったからきっと9月生まれだな」と自分なりに考えたり、わからない場合に「もう一度言ってください」と前向きに気持ちを表現したりなど、自ら英語でコミュニケーションしようとする姿勢をも含めて、総合的な評価がされるようになるのです。

 とはいえ、このような力はペーパーテストだけでは測れません。そのため学校によっては、友達と英語を使って自己紹介をしあう、みんなの前で英語で発表することなどを通じて、その様子を先生が評価するといった方法が取り入れられることもあるでしょう。その詳しい内容や評価の基準などは各学校に任されており、現段階では、2020年3月に文部科学省から発表された事例などを基にして、各学校で検討が重ねられているようです。

*ALT:Assistant Language Teacherの略で、外国語を母国語とする外国語指導助手のこと。「使える英語」の力を育むために、主に日本人の先生の補助を行います。

楽しく英語に取り組む姿勢を育んで

 保護者のかたの世代では、単語や文法問題、並べかえ問題や英文の和訳などを中心としたペーパーテストのみで評価された経験をおもちのかたも多いことでしょう。しかし、小学校の英語では、まずは進んで英語を使おうとする姿勢や英語を楽しむことが重視されています。そのため、例えば、英語を話すのが怖くなったり嫌になったりしないように、小学校段階では発音が英語らしいかどうかということを、成績に影響するような評価の対象にはしないと文部科学省は指針を示しています。

 ご家庭でも評価に対するイメージをちょっと変えて、お子さまが楽しく英語に取り組めるようなサポートを心がけてみるのはいかがでしょうか? 「今日は学校でどんなことをやったの?」など授業の様子をたずねてみたり、興味をもって聞いてみたりするのもいいですね。その際には「applesの"s"が抜けているよ」「発音に気をつけて」などのダメ出しばかりするより、「英語でそんなこと言えたのね」「ALTの先生は○○が好きなの?すごいね、ALTの先生が英語で言っていること聞き取れたのね」などと、「英語って楽しい!」「英語でわかった!」と思えるよう気持ちを盛り上げていくことをおすすめします。「英語でコミュニケーションしたい!」という意欲を育むことが、結果的には学校でのよい評価にもつながっていきます。

【お話】
福本 優美子(ふくもと ゆみこ)
ベネッセ教育総合研究所 言語教育研究室研究員
初等・中等教育領域を中心に、英語教育や英語学習についての調査研究を担当。子どもの英語学習と学校や家庭、社会との関係性について関心をもっている。