• 高1
  • 高2
  • 進路相談

更新日:

国立大の公表で見えてきた!2021年度入試での英語の資格・検定試験活用を分析!

2021年度入試より導入予定だった「大学入試英語成績提供システム」の延期に伴う各国立大の英語資格・検定試験についての対応方針が公表されました。英語の資格・検定試験は大学入試ではどのように活用されるのでしょうか? 国立大の公表から見えてきた傾向をお伝えします。

国立大英語検定分析.png

国立大の入試での英語の資格・検定試験の活用はどう変わった?

一般選抜では約8割の大学が活用を見送り、約2割が活用を公表。現行入試でも英語の資格・検定試験を活用している大学は継続、一般選抜では活用がなくても学校推薦型・総合型選抜では活用する大学が多いという傾向がわかりました。

*2021年度入試から一般入試は一般選抜に、推薦入試は学校推薦型選抜、AO入試は総合型選抜に名称・入試区分・実施内容が変更になります。

1.一般選抜で活用予定だった大学の多くは取りやめた。

共通テストの枠組みで「出願資格」や「加点」による英語の資格・検定試験の活用を始める予定だった大学の多くは取りやめると公表。約8割の大学が一般選抜での活用を見送ることになりました。

2.一般選抜で活用するのは、16大学(一部の学部・学科での活用も含む)。

現行入試でも活用している大学が継続する傾向が見られます。東京海洋大は「出願資格」、千葉大は「加点」、広島大は「みなし得点」、金沢大は「高得点採用」など活用の仕方は様々です。

3.学校推薦型選抜・総合型選抜では活用する大学も多い。

現行入試でも国立大の推薦・AO入試では英語資格・検定試験の活用が進んでいます。新入試からは、推薦入試が拡大される見込みのため英語の資格・検定試験がますます重要になりそうです。

2021年度入試での英語資格・検定試験の使われ方は?

「加点」「みなし得点」「高得点採用」として活用する大学が多く、特に英語が得意で英語の資格・検定試験で好成績をねらえそうならチャンスが広がります。

▼一般選抜での活用例▼

出願資格 一定水準以上の成績を出願資格にする。

【活用大学例】

東京海洋大
大学が指定する英語の資格・検定試験の成績を活用。その基準を、例えば海洋工学部は「CEFR A1以上」、海洋生命科学部・海洋資源環境学部は「CEFR A2相当」などと学部学科ごとに定め、出願資格にする。

加点 共通テストの英語や個別試験に加点する。

【活用大学例】

千葉大(法政経、教育、理、工、薬、園芸、看護、国際教養、文(人文学科 日本・ユーラシア文化コース))
個別学力検査(前期日程)において、大学が指定する英語の資格・検定試験を活用し、英語の個別学力検査に加点。例えば、国際教養学部はCEFR B1(英検なら2級、CSEスコアで1950以上)で10点加算など学部により活用パターンは異なる。

[ほか大学例]

大阪教育大(学校教育、教育協働の一部)、山口大(国際総合科)、九州工業大、鹿児島大

みなし得点・みなし満点 一定水準以上の成績で共通テストや個別試験の英語の成績を、得点化・満点化する。

【活用大学例】

広島大
大学が指定する英語の資格・検定試験で「CEFR B2」以上は共通テストの外国語(英語)を満点とみなす。

[ほか大学例]

秋田大(国際資源)、東京藝術大(音楽)、千葉大(国際教養、教育・英語教育コース)、金沢大、福井大(国際地域)、長崎大(多文化社会)、宮崎大(工)、鹿児島大

高得点採用 共通テストの英語などとの成績と比較して、高得点の方を利用。

【活用大学例】

金沢大(人間社会※1、医薬保健・保健  ※1法学類を除く
一部の学域・学類で大学指定の英語の資格・検定試験の成績と共通テストの英語の成績と比較し、高得点を採用する入試を実施。検定試験の成績を提出しても共通テストの英語の受験は必須。

[ほか大学例]

茨城大(工)、九州大(共創)、佐賀大 

※大学、学部によっては「みなし得点」と「高得点採用」、「みなし満点」と「加点」など併用している場合がありますので、詳細は大学ホームページでご確認ください。ここでは代表的な例をご紹介しています。
※CEFRとは言語能力を評価する国際指標のこと。世界で学習者の言語能力を客観的に評価するために使われています。

▼国立大における英語の資格・検定活用は下記からご覧いただけます▼

https://www.janu.jp/news/whatsnew/20191113-wnew-minkanshiken.html
(国立大学協会ウェブサイト)

私立大の英語資格・検定試験はどうなる?

私立大では、現行入試でも活用が進んでいます。立教大のように、2021年度から英語の独自試験を廃止し、英語の資格・検定試験(または共通テストの英語)を活用する方針の大学も出てきています。英語の資格・検定試験の扱いは併願大戦略にも関わるため、気になる大学の最新情報は幅広く大学ホームページでチェックしておきましょう。

※「〇〇大学 2021年度入試(令和3年度入試)」で検索する調べ方がおすすめです。

▼私立大の英語の資格・検定試験活用例▼

立教大
文学部以外は個別試験の外国語(英語)は実施せず、英語の資格・検定試験または共通テストの外国語(英語)の成績、どちらか高得点の方を合否判定に利用。

明治大
学部別入試では商・経営・国際日本学部で、全学部統一入試では農・経営・国際日本・総合数理学部で英語の資格・検定試験を活用。

関西学院大
一部入試方式において英語の資格・検定試験のスコアを大学独自の英語筆記試験に加味して評価を行う。

※詳細は今後公表予定。

今回、活用を見送った大学でも「グローバルな人材が欲しい」「大学入学後の学びでは英語4技能は重要」と発信している大学もあります。また、大学入試においても「使える英語力」を問う傾向が目立ちます。入試で使えるかどうかにかかわらず、4技能を意識して学習することが、総合的な英語力の伸びにつながります。志望大や将来の進路に合わせて、英語の資格・検定試験を上手に活用しながら英語4技能のスキルアップをしていくことをおすすめします。

*2019年12月5日現在の情報です。大学の入試情報は更新されるため、最新情報は大学のホームページなどで確認してください。
  
記事一覧に戻る