現在高2のお子さまは、高3で受験する志望大のことを、ある程度考えていらっしゃるのではないでしょうか。
国公立大志望の場合、共通テストを必ず受ける必要がありますが、私立大志望の場合、共通テストはあまり関係ないのでは、とお考えの方もいらっしゃるかもしれません。
でも実は、私立大でも共通テストを利用する大学は増えており、その重要性は増しています。
私立大入試に共通テストがどのように関わるのか、見ていきましょう。
私立大での共通テスト利用型入試の基本を押さえる
前述のように共通テストを何らかの形で利用する私立大は増えています。
利用方法は以下の2つの形式があります。
・単独方式
共通テストの結果のみで合否を判定する。
・併用方式
共通テストと大学独自の試験の両方の結果から合否を判定する。
これらは大学や学部によって異なり、また、2つの方式両方を採用していて選べる場合もあります。
そして、共通テスト利用型入試には3つの特徴があります。
1.合格のチャンスが増える
国公立大志望の場合、共通テストを必ず受けるため、必要科目を受験していれば共通テストを利用する私立大の入試に、そのまま出願することができ、共通テスト対策が私立大入試の対策になります。
私立大志望でも、共通テスト利用型入試なら、複数の大学に一度に出願できます。
また、私立大には他にもさまざまな入試方式があるため、より合格の可能性の高い入試を選ぶ際の選択肢の一つになります。
2.受験料を抑えられる
一般的に共通テスト利用型入試は、個別試験による入試よりも受験料が安く設定されています。
また、共通テストは1回のみの受験なので、共通テストの費用も1回の支払いで済むことになります。
3.必要教科は3教科以下が多い。
出願に必要とされる教科の数は、一部の難関大を除き、3教科以下の大学がほとんどです。
対策しなければならない範囲は、国公立大の共通テストに比べれば、限られていることが多いと言えるでしょう。
私立大の共通テスト利用型入試では、まず、これらの特徴を押さえておくとよいですね。
共通テストの受験が必須の大学・学部もある
多くの私立大では、共通テスト利用型入試とそれ以外の入試方式を選べますが、中には共通テストの受験が必須の大学・学部もあります。
その一例を示します。
※各大学発表資料より作成(2022年度入試)。
こうした大学・学部では、共通テストをうっかり受け忘れた、ということがないようにしなければいけません。
お子さまの志望大や気になっている大学がわかったら、大学のホームページなどで調べてみましょう。
学部や学科によって違う場合もあるので、注意が必要です。
入試の情報は常に最新の情報を入手することが大切
共通テストを利用する私立大は、年々増えています。
そのため、現時点では共通テストを利用していない大学も、お子さまが受験する年には、新たに共通テストを利用し始める可能性があります。
例えば、早稲田大学教育学部では、2023年度入試からですが、従来のA方式、B方式に加え、共通テストを利用するC、D方式の導入を発表しています。
※大学発表資料より作成(2023年度入試)。
すでに大学のことや入試のことを調べている場合でも、年度が変わったら新しい情報を入手することも大切です。
常に情報をアップデートして、お子さまの受験に備えましょう。
共通テストの利用により、お子さまの受験の選択肢は増え、入学できる大学の可能性が広がります。
反面、入試のバリエーションの多さに戸惑うこともあるかもしれません。
この記事を参考に、私立大での共通テスト利用型入試の基本を押さえ、お子さまの志望大選びをサポートしていきましょう。