共通テストまであと約3か月。お子さまは入試本番に向けてがんばっていることでしょう。
しかし、大学入試は共通テストだけでなく、国公立大の個別試験や私立大入試など、多くの入試が行われます。
そのため、入試本番が近づくにつれ、今はどの試験対策に力を入れるべきなのか、迷うお子さまもいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで、高3の秋から共通テストまで、どのように戦略を立てて対策していけばよいのか、ご紹介していきます。
志望大の共通テストと個別試験の配点を知る
特に国公立大志望のお子さまは、この時期に共通テストと個別試験対策のバランスに悩むことが多いようです。
例えば国公立大志望の文系のお子さまの場合、高3の秋の時点で共通テストの理科の対策に手をつけていない、というケースもよくあります。
その場合、秋の共通テスト型模試の結果が思わしくなく、「共通テストも近づいてきているのにどうしよう」と焦ってしまうことも。
しかし、この時期になると、行き当たりばったりで対策している時間はありません。
お子さまが自分なりの戦略をもって勉強しているのなら問題はありませんが、何をすべきか悩んでいる場合は、ここで一度立ち止まり、学習戦略を練る必要があります。
具体的には、まず、志望大の募集要項で以下の2点を確認しましょう。
1.共通テストと個別試験のどちらが重視されているのか
2.どの科目の配点が高いか
大学によって、共通テストと個別試験の配点比率はさまざまです。以下にその例を示します。
※各大学発表資料より作成(2022年度入試前期日程)。
一般的に、国公立大では難関大ほど、個別試験の比重が高い傾向にあります。
この比率に応じて、どちらの対策を重視するべきかがある程度わかります。
また、2で確認した、配点の高い科目を優先して対策することも重要です。
限られた時間内で、全てを均等に勉強するのは合格への近道とは言えません。
上記2つを基本に、戦略を立てていきましょう。
志望大に合わせて対策の比率を決める
ただ、個別試験の配点比率が高い大学でも、共通テスト対策をしないわけにはいきません。
いつ、どんな比率で、共通テスト対策と個別試験対策を行なっていけばよいか、そのイメージを表したものが以下の図です。
共通テストと個別試験の配点比率によりますが、基本的には共通テストが近づくにつれ、共通テスト対策の比率を大きくしていきます。
難関国立大志望のお子さまであれば、10月は共通テスト対策:個別試験対策=3:7くらいのイメージで、個別試験の対策を重点的に行うとよいでしょう。
ただし、共通テスト直前でも、配点の高い科目や苦手科目は、個別試験対策を行う必要があります。
このように見ると、共通テスト型模試で点数が悪い科目があったとしても、それは、共通テストのみの受験で、お子さまが戦略的に優先度を下げているのかもしれません。
模試の結果が心配な場合、「志望大の共通テストと個別試験の配点の比率はどうなっているの?」などとさりげなく聞いてみましょう。
答えられなかったら戦略が立てられていない可能性があるので、入試要項などで配点を確認するといいですね。
学習戦略を立てる際は、共通テストと個別試験の配点を一覧できるシートを作るとわかりやすくなります。
この「合格プランシート」は、進研ゼミのオンライン進路セミナー「最新入試情報を踏まえた秋からの合格戦略」でご紹介したものです。以下からダウンロードできます。(資料の最後から2枚目です)
志望大合格に向けての目標点が明確になります。
ぜひ、ご活用ください。
こちらからダウンロード!>> 合格プランシート(オンライン進路セミナー資料内)
私立大の共通テスト利用入試も油断禁物!
私立大にも共通テストを利用する大学が数多くあります。
※各大学発表資料より作成(2022年度入試)。
いわゆる「共通テスト利用型入試」で、募集定員は10人程度などと少ないことが多いですが、合格者は定員の数倍〜10倍などといったこともあるようです。
合格者数が多ければ、合格する可能性も高まると感じてしまいますが、合格者の平均得点率は、科目数が少ないほど高い傾向にあり、高レベルの競争になるため、やはり共通テストでしっかり点をとっておくことが重要です。
国公立大志望で、共通テスト利用型入試の私立を併願する場合、本命大のための共通テスト対策が、そのまま私立大の共通テスト対策にもつながるため、特に共通テスト対策を重視するとよいでしょう。
最後に共通テストに関わる大事なアドバイスがあります。
それは、自己採点についてです。
国公立大の入試は、共通テストを受けたあと、自己採点した結果を踏まえて、個別試験を受ける国公立大の出願先を決めます。
そのため、自己採点を正確に行うことが重要です。共通テストや共通テスト型模試では、必ず問題用紙に自分の解答をメモするように、お子さまに伝えましょう。
時間がない場合は、試験が終わった後に、覚えている限り、自分の答えた番号をメモするなどしてもよいでしょう
こうした習慣をつけることも、大切な共通テスト対策です。
お子さまとの普段の会話の中で、どのように学習をすれば良いかお子さまが迷っていたら、この記事を参考に学習戦略についてお声がけしてみてください。