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海外大入試には「筆記試験」がありません! 〜国内大と全然違う!子どもの「中身」重視の海外大の受験システム

子どもの「中身」重視の海外大の受験システム

お子さまの進路を選ぶ際に、選択肢の1つとして「海外大」も考えてみてもいいかも...と思ったとしても、実際に受験することを想像してみると、気になることはたくさんありますよね。まずはなんといっても、「そもそも、うちの子が海外大になんて受かるのかしら?」ということではないでしょうか。

英語はこれから頑張るとしても、現地に行って受験するの?海外旅行もそれほどしたことないのに、うちの子にそんなことできる?本番に弱い子だから、慣れない環境での受験はちょっと無理かも??
...などなど、不安は尽きないと思いますが、実は海外大受験は国内大学の受験とはまったくシステムが違うんです。もしかしたら、入試本番の点数が重視される国内大受験より、じっくり取り組める海外大の受験システムのほうが、意外とお子さまに向いている、なんてことがあるかもしれません。

今回は、海外大の受験システムや入試の内容についてご紹介します。

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海外大受験には"一発勝負"の「筆記試験」がない!

11月海外大 no.2

日本の大学と海外の大学の入試、最大の違いは「選考方法」にあります。日本の大学も入試制度が多様化してきてはいますが、国公立・私立とも「一般入試」と言われる最も一般的で、募集人数も多い方式は、大学入学共通テストや大学ごとの個別試験といった教科の"一斉学力テスト"の点数で合否が決まることが多くなっています。

それに対し、海外大の入試では、原則として学力試験がないことがほとんど(*)。合否判定は、基本的に「書類審査」がメインとなります。受験生は出願期限までに、決められた多くの書類を提出し、その内容を、入学審査を専門とする大学スタッフ(アドミッション・オフィス)がじっくりと検討したうえで、様々な観点から総合的に評価して合否の判断が行われるのが一般的です。出願書類はオンライン、もしくは郵送での提出となり、合否判定が終わると結果が送られてきます。日本での大学受験のイメージと違い、海外大学の場合は現地に出向く必要は特にありません

* 韓国やインドなど、主にアジアの一部では日本と同様に学力テスト重視の国もあります。


出願書類に含まれる「学力・英語力を証明するテスト」は何度も受験可能!

11月海外大 no.3

では、海外大の入試には学力が必要ないのか、というと残念ながらそうではありません。

たとえば、アメリカの大学で出願の際に提出が求められる書類は、一般的に下記のようなものがあります。

<海外の大学で出願の際に求められる主な資料の例(アメリカの場合)>


1)入学願書
2)英文のエッセイ(志望理由書)≪入学願書の様式に含まれる≫
3)高校の成績証明書
4)指定された試験のスコア(SAT®、ACTなど)
5)語学力を証明するテストのスコア(TOEFL®テストなど)≪留学生のみ≫
6)高校の先生からの推薦状
7)財政能力証明書

※ 実際に提出する書類は、大学によって異なります。


出願時に学力を証明する書類として、高校3年間の成績表のほかに、SAT®やACTといったいわゆる学力テストのスコアが必要です。また、留学生の場合は英語力を証明する書類として、TOEFL®テストなどの英語テストのスコアが必要になります。

しかし、どちらのテストも、"一発勝負"ではないのです!

■SAT®やACTなどの標準テスト■

SAT®やACTは、アメリカの大学に進学を希望するすべての者を対象とした標準学力テストになります。通常はSAT®もしくはACTのスコアが必要になる大学が多いので、アメリカの高校生たちにとっては、いわば大学入学共通テストのようなもの。大学ごとに合格のためのスコア基準はある程度決まっていると言われており、難関校と言われる大学ほど留学生にもスコア提出を求めるケースが多くあります。

ただし、このSAT®やACTが日本の大学入学共通テストと違うのが、"失敗しても次にチャンスがある"こと。それぞれ年に数回実施されているためです。どちらも日本で受験することができるので、納得のいくスコアを獲得できるまで、(時間さえ許せば)出願までに何回でもチャレンジすることができます。

※ イギリスやオーストラリアなどでは、高校で全国共通の統一カリキュラムを受講し、終了時に共通テストを受けて獲得したスコアによって進学できる大学が決まるため、SAT®のような試験はありません。ただし、そうした国々と日本は教育システムが異なるため、日本の高校卒業後に直接大学に進学することはできないので注意が必要です。

■TOEFL®テストなどの英語テスト■

多くの大学で、海外からの入学希望者には語学力を測る国際的なテストのスコア提出が課されています。アメリカなどの英語圏であれば、「TOEFL®テスト」もしくは「IELTS」という英語テストのスコアで証明することが一般的です。

各大学でそれぞれ入学に必要なスコアが設定されていることが多く、英語力が基準に達しないと出願が受け付けられない場合もありますが、これらの英語テストも基本的には何度でも受験が可能です。TOEFL®テスト、IELTSなどは日本にもたくさんの受験会場が設置されているので、志望大が求める英語力を身につけ、必要なスコアを獲得できるまで、何度でも受験チャンスがあります。


評価されるのは学力だけでなく、「人間性」や「将来性」も含めた総合力!

11月海外大 no.4

海外大の入学願書には、様々な細かい記入項目があります。名前や住所、家族構成などのプロフィールから、高校でとった授業の数や名称、課外活動の記録、受賞歴など細かく記入することが求められます。また、アメリカの場合、「Common Application」(コモンアプリケーション)という複数大学にオンラインで一括提出できる共通願書を採用している大学が多いのですが、これには必須項目としてエッセイも含まれます。複数のPromptと呼ばれるエッセイテーマ(トピック)の中から1つ選んで、650語の英文で記述します。毎年、様々なテーマが設定されますが、総じて「自分について説明・アピールする」内容となります。このほかに、志望する大学への志望理由など大学独自でテーマを設定したエッセイが課される場合もあります。

こうしたエッセイを含む入学願書に記入した内容や、他の提出書類などの情報をもとに、各大学のアドミッションポリシー(入学審査方針)に基づき、一人ひとり時間をかけて丁寧に選考が行われます。合否判定においては、高校での成績や試験のスコアだけでなく、学業以外の取り組み(スポーツやボランティア活動など)の状況や、志望理由、入学後や将来のビジョンなどから見える受験生の人間性の面が評価に大きく影響すると言われています。どれだけ学力が高くても、その大学が求める学生像から外れていた場合は、不合格となることも多々あるわけです。

受験生の人間性や資質をより深く知るために、面接を行う大学も実はかなりあります。留学生の場合は、オンラインで行われることがほとんどです。面接とはいっても、日本人が想像するような形式ばったやり方ではなく、面接官(その大学の卒業生の場合もあります)と長時間にわたってフランクに会話をする、という形が多いようです。びっくりするぐらい和やかで、くつろいだ雰囲気のお茶会のような面接が行われる大学もあり、ここにも海外大の入学者選抜に対する考え方があらわれてくると言えます。

このように、海外大の入試は「学力+人間力」の総合判定であるところが、非常に大きな特色といえるでしょう。

まとめ

11月 no.5.png

海外大の入試は、出願書類から多くの情報を読み取り、一人の学生を総合的・多面的にじっくり評価して、その大学の校風に合うか、その大学で伸びていけるかを判断するというやり方が主流。そのため、海外大では出願から合否発表まで、数か月かかるのが普通です。言い換えれば、それだけ丁寧に書類の内容を吟味し、学力だけではなく、様々な観点から学生個々の資質や能力を見極めるという、手間のかかった人物重視の選考方法なのです。

その分、出願する側も提出書類の内容に推敲を重ね、しっかり時間をかけて整え、仕上げていくのが一般的。書類の種類が多くて複雑だということもありますが、なにしろ大学側が判断材料にするのは書類しかないわけですから、その内容次第で合否が左右されます。いかに自分の実績、魅力、将来性を書類だけで表現できるかが勝負になるので、こちらも数か月かけて用意するのです。

海外大入試は、少々時間はかかりますが、お子さまが高校時代に頑張ってきたことや、積み上げてきたもの、成長してきた内面をきちんと見てもらえる入試です。一斉学力テストの1日だけですべてが決まってしまう国内大の一般入試より、ある意味で、これまでの努力が報われる実感が持てる受験になるかもしれません。

なにより、海外大の受験準備に費やす時間は、仮に良い結果を得られなくても無駄にはなりません。自分がどんな人間か、どんな良いところがあるのかを、お子さま自身が家族や友人、先生方と協力しながらしっかり見つめなおし、それをいかに相手に伝えるかを考え抜く数か月。海外大受験というチャレンジで、お子さまは一回りも二回りも成長するはずです。


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