2021年度の共通テストでは導入が見送られた英語4技能検定。これまで検定で高スコアを取るために対策をがんばっていたお子さまにとっては、戸惑いもあったかと思います。
しかし、資格・検定試験でも、共通テストでも、問われているのは、これらの英語4技能の能力。
英語4技能とは
聞く(リスニング)
話す(スピーキング)
読む(リーディング)
書く(ライティング)
英語4技能検定を目標として勉強を続けることで、「使える英語力」を問う出題方針になっている共通テストの英語で有利になります。
また、英語4技能検定の成績を入試に活用する大学は国公立大・私立大問わず、増える傾向にあります。
そこで、今回は大学入試で英語4技能検定を活用できる事例を紹介します。
勉強において目標を作ることは、モチベーションを上げるのに効果的なので、お子さまに英語4技能検定を目標にがんばってみようと声かけをするための知識として知っておいてください。
英語の資格・検定試験を入試に活用する大学が増加中!
2021年度入試では、国立大で2割の大学が一般選抜での英語の資格・検定試験の活用を発表しています。
また、私立大でも全学部で英語の資格・検定試験を入試で活用するなど、英語4技能の入試での活用が広がる傾向にあります。
大学入試での英語の資格・検定試験の活用パターン
ただ単に「活用」とだけ書くと、「高得点なら加点」という形を想像されるかもしれませんが、大学によって活用パターンはさまざまです。
中には、一定の基準スコアを超えれば、英語の試験が満点になったり、共通テスト等と比較して高得点の方を採用したりと、入試で大幅に有利になるパターンも。
①出願資格
基準スコアを満たすもののみが出願可能。
②加点
共通テストの英語や個別試験に加点。
③書類審査
出願時に申請することで、合否判定時に考慮される。
④英語の得点を満点化
大学の定める基準スコア以上であれば、英語の試験を満点にする。
⑤代替
個別の英語試験を廃止し、スコアをそのまま得点化。
⑥高得点採用
共通テストの英語などとの成績を比較して、高得点の方を利用。
2021年度入試での英語の資格・検定試験の活用例
具体的にどんな形で活用されるのか、3つの私大を例に見てみましょう。
【早稲田大 商学部】(①出願資格+②加点パターン)
募集定員の一部において一般入試(英語4技能テスト利用型)を新たに導入。学部で定めるスコアを満たすもののみ出願が可能。さらに一定のスコアを満たす場合、加点がある。
【立教大 全学部】(⑤代替パターン)
「英語」は英語資格・検定試験のスコアまたは大学入学共通テストの英語得点を活用。大学独自の英語試験は実施しない。
【甲南大 全学部】(①出願資格+特殊パターン)
大学が指定する英語の資格・検定試験を「出願資格」として課し、「共通テストのみ」もしくは「共通テストの得点+外部英語試験のスコア(みなし得点化)」で合否判定を行う。
英語4技能の力を伸ばすことは、共通テストの英語対策にも繋がる
英語4技能の能力を磨くことは、資格・検定試験を利用する大学入試で有利になるだけでなく、リスニングとリーディングの配点が1:1になる共通テストでもアドバンテージになります。
共通テスト英語のリスニングとリーディングの配点比率が1:1の大学例
北海道大、弘前大、お茶の水女子大、東京学芸大、名古屋工業大、広島大、鳴門教育大、九州工業大、札幌医科大、高崎経済大、名桜大
さらに、「使える英語力」が問われる共通テストでは、リスニング問題の6問中4問が1回しか読み上げられません。
※大学入試センター「令和3年度大学入学共通テスト受験案内」より。
英語のリスニングは、とくに慣れが必要な分野です。日頃から資格・検定試験を目標に勉強・演習を行うことで、リスニング能力も鍛えられ、自然と共通テスト対策にも繋がり、有利になります。
目標があれば、やる気もアップ!英語4技能検定に取り組んでみましょう
大学受験に向けてひたすら勉強を続けることは、どうしてもモチベーションを保つことが難しいというお子さまもいらっしゃると思います。
そうしたお子さまにとっては、模試だけでなく英語の資格・検定試験という身近な目標があると、やる気にも繋がります。
英語4技能を磨いておくことは、大学入試・共通テストで有利になります。資格・検定試験を受けてみたら?という声かけは、お子さまのやる気にも繋がるのでオススメです。
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