共通テストまであと約3か月。お子さまも受験勉強に没頭しておられることでしょう。
そんな中、今重点的にやるべき勉強は「共通テスト対策」なのか「個別試験対策」なのか。返却された模試の結果を見て、お子さまが迷われているかもしれません。
そこで今回は今から共通テストまでに何を重点的にやるべきか、進研ゼミ進路センター長に質問していきます!
勉強のことは基本お子さまに任せることが前提とはいえ、もしお子さまが困っている様子なら、戦略を一緒に考えるための判断基準を保護者の方が知っているだけでも安心できるでしょう。
そろそろ共通テスト対策を優先すべき?
編集M うちの理系の息子、やっと「大学受験チャレンジ」8月号から手を付け始めました!共通テスト対策に取り掛かったようです。この間まで「物理」「化学」が終わらない!と言って「合格への100題」中心の勉強だったので...バランス取れてる?と心配で。コロナで模試も受けてなかったんですが、9月に受けた共通テスト型模試を自己採点したら「地理」が半分も間違えていたようで。普段は親をウザがってますが、珍しく話してくれました(笑)。
編集I それリアル。私の友人のお子さんも理系なんですけど、共通テストの「倫理政経」、まだ1ミリもやってないって言ってましたよ。
センター長 そうですか。今の時期は、一方で国公立大志望の文系のお子さんなら、共通テストの理科の対策にやっと手をつけ出した、というケースも多そうですね。
編集I 実際どうなんですか? 今は共通テスト対策と個別試験対策、どっちを重視すべきなのか...私が娘なら迷いそうですけど。
共通テスト:個別試験の学習時間配分をどう考える?
センター長 そうですね。では、お子さまから相談された場合にアドバイスできるように考え方をお伝えしましょう! 今はもう、返ってきた模試を見て、行き当たりばったりの対策をしたりしている時間はありませんから。
編集I (ドキッ)今、思わずメモしました〜!
センター長 お子さまは行き当たりばったりに見えて、その実は、ちゃんと自分の戦略を持って勉強しているとは思いますが、もしも今、何をすべきか悩んでいる状態なら、焦らずここで一度立ち止まり、志望大の募集要項等を見ながら学習戦略を練る必要があります。
編集M でも、どこを見て、どうやって戦略を立てればいいんですか?
志望大の入試の配点を見れば、優先すべきことが明らかに!
センター長 まず国公立大の場合は志望大の募集要項等で次の2点を確認してください。
1.共通テストと個別試験のどちらが重視されているのか
2.どの科目の配点が高いか
編集M そういえば、大学・学部によって、共通テストの配点が高い大学もあれば、個別試験のほうがが高い大学もあるなどなど、本当に様々ですよね
センター長 そうです。一般的に国公立大では難関大ほど、個別入試の比重が高い傾向 にあります。志望大の入試はどうなのか、確認して戦略を立てていただきたいのです!
編集I 共通テストの配点が高いなら共通テスト対策に重点をおき、個別試験重視なら、個別試験の対策を重視すればいいってことでしょうか。
編集M そして配点の高い科目ほど優先して勉強して点数稼ぐべし!っと言う。
センター長 ええ。それが志望大に合格するために大切な戦略です。配点を気にせず、すべて均等に勉強するのは、合格への近道とはいえません。
編集I ただ、今は個別対策のほうが重要な大学でも、さすがに共通テスト対策もやらなきゃまずい気もするし...今どんな比率で勉強すべきかが、悩みどころじゃないかなー、と。
センター長 そこなんです。比率ですよね。下の図は、共通テスト:個別試験の学習の比率イメージを、時期ごとに表したものです。↓
編集M なるほど~。 共通テスト直前期ほど、どんどん共通テスト対策の比重を大きくして行くようになっていますね。
編集I 10月の今は、例えば難関国立大志望なら、共通テスト対策:個別試験対策はだいたい3:7のイメージで、まだ個別対策のほうを重視して勉強すればいいんですね。
センター長 そうですね。また、共通テストの直前期であっても、配点の高い科目や苦手科目は個別試験対策を行っておくことも重要です。
編集I そしてこれにプラスして、配点の高い科目の優先度を上げながら、本番までの学習戦略を立てればいいという感じですね。
編集M ん?では、うちの息子は、先に個別試験や共通テストで配点の高い「物理」「化学」を優先して、共通テストでしか使わない、かつ配点の低い「地理」をこれまで後回しにしていたのかも...。
センター長 心配するに及ばなかったかもしれませんよ。
でも、もしも心配でしたら、「志望大の共通テストと個別試験の配点の比率ってどうなってるの?」とさりげなく聞いてみて、お子さまが答えられないようなら、一緒に入試要項等を見て配点を確認することが必要だと思います。行き当たりばったりの勉強を防ぐために。
編集M そうですね。何も考えずヤバそうなところから手をつけてるのか(笑)、見通しを持ってやってるのか。ご飯のときにさりげなく聞いてみたりしようかと。
センター長 戦略を立てる際には、大学ごとの共通テストと個別試験の配点を一覧できるシートをつくると、学習のプランが立てやすいですよ。
セミナーでもご紹介していますがこのような感じです。
「合格プランシート」
編集I お! コレ、わかりやすくてよいですね!
編集M 確かに調べて書くことで、子どもも目標がはっきりしそうです~!
共通テストを利用する私立大の入試や模試活用のポイント
編集M ところで併願大を考えはじめまして、私立大の共通テスト利用入試はどうかな? 1度の受験で私立大まで出願できていいかもって確認したら私立大の共通テスト利用型入試って募集定員10人!? とか? とても少なくないですか? 「絶対無理」と思っちゃいました。
編集I わかる! でも例年、私立大のセンター試験利用型入試(2021年度から共通テスト利用入試)の合格者って実際は何百人もいますよね。
センター長 そうですね。これまでのセンター試験利用入試では合格者数が定員を超えるケースが多く、募集単位にもよりますが、定員の5倍・10倍というケースもありました。共通テスト利用入試に変わっても、同じような傾向だと思います。
編集I それを聞いて安心する受験生は多いのではないでしょうか。
センター長 とはいえ合格者の平均得点率を調べると、科目数が少ないほど合格者の平均得点率は高く、定員よりも合格者数が多いと言っても高いレベルの競争が行われていますので、共通テストでしっかり点数を取っておくことが重要です。
編集M なるほど〜。ところで、共通テストがらみでもう1ついいですか? うちの息子、同じく久々に受けた共通テスト型模試で、リスニングの自己採点ができない!って言っていました。時間がなくて、自分の解答を解答用紙に直接マークして、問題用紙には何も印をつけずに提出しちゃったらしいのです。
センター長 それは逆によい経験をしましたね。国公立大の入試は、共通テスト本番のあと、自己採点した結果を踏まえて個別試験を受ける大学の出願先を決める仕組みです。ですから、自己採点が正確にできるように、必ず問題用紙に自分の解答をメモする習慣をつけるようお伝えください。模試はそうした受験本番で配慮すべきことに気づく練習の場でもありますから。
編集I 時間がなくて解答用紙に直接マークしたとしても、提出した直後、まだ覚えているうちに自分の答えた番号をメモして帰るようにしたいですね。うちの娘にも言っておきます。
編集M それと、同じ共通テスト型模試で、最後のページにあった「化学」の最後の問題に気づかずに、もう全問答えたと思って答案を提出してしまい、自己採点中に、あと1問あったと気づいたそうです。ビックリですね~。本番でなくてよかった~(笑)
編集I そういう意味でも、本番と同じ形式の模試を受け、失敗を次にいかすって大事ですよね。本番は特に緊張しますので、事前に慣れておくことは自信にもつながります。
まとめ
いかがでしたか? 1月の共通テスト本番まで何をどんな比重で勉強すべきか、参考になりましたでしょうか? お子さまが勉強の優先順位に迷っている時には、この情報をお役立てください。お子さまのがんばる力と合格を誰よりも信じて、サポートがんばっていきましょう!
【ぜひ、お子さまの合格に向けてご活用ください!】
本文中で触れた「合格プランシート」は、9月26日(土)に開催した進研ゼミのオンライン進路セミナー「最新入試情報を踏まえた秋からの合格戦略」でご紹介したものです。以下からダウンロードできます。(資料の最後から2枚目です)
志望大合格に向けての目標点が明確になります。
ぜひ、ご活用ください。