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【受験生保護者応援】保護者ができる併願大選びサポートとは?

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共通テストの出願が終われば、併願大はどうしよう?と気になる時期ですよね。受験勉強で忙しくてそこまで手が回らないお子さまのために、併願大選びのサポートをしたという先輩保護者の方も多くいました。

とは言え、何をどうサポートすればいいの?とお思いの保護者も多いはず。今回は「進研ゼミ」の進路情報センター長に、保護者ができる併願大選びサポートについて質問していきます。

 

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併願大ってどう決めるの?

編集M いきなりですが、もう併願大候補を決める時期なんですか~!? なんだか早っっ!

 

センター長 最終的には12月の三者面談までに決めておけばよいのですが、直前になって慌てて併願大を調べ始めるより、今から情報を集めて候補を決めておくと、心に余裕が持てます。お子さまも併願大の入試対策を進めやすくなりますよ。

 

編集I たしかに。でも保護者って何をどうサポートすればいいんでしょうか? ズバッと教えてください。

 

センター長 「併願大の情報収集」や「入試のスケジューリング」、「費用管理」の3つは、保護者のかたが一緒にすると、勉強に集中したいお子さまとしては、助かりますよ。

 

編集I なるほど! 具体的なサポートとしてできることとはどんなことでしょう?

 

サポート1 入試科目はできるだけ一本化できるように情報収集

センター長 まず1つめの「併願大の情報収集」というのは、併願大候補の入試科目などの情報収集です。

 

編集M 入試科目?

 

センター長 そう、併願大の入試科目は、本命大とそろえて、対策を一本化するのが鉄則。そうすれば併願大のためだけに勉強する科目がなくなり、本命大の入試科目に専念できるんですよ。

 

編集I 入試科目がバラバラで、本命大の対策が手薄になることは避けたいものですね。...うちの子も私立の併願大は、国立の本命大の入試科目と同じ科目で受けられるところを選ぶ予定です。

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センター長 いいですね。それに加えて、各入試科目の配点や配点比率もチェックして、お子さまが総合的に高得点をねらえそうな大学・学部を併願すれば、さらに良いと思います。

 

編集M それって得意科目の配点や比率の高い大学・学部がねらい目、ということですか?

 

センター長 ええ。具体的には2科目以上、得意科目の配点が高くなっていると有利です。

 

センター長 それと、私立専願の場合は「すべてマーク式」か「記述がある形式」か、出題形式も統一するとさらに負担が軽減します。

 

編集M なるほど〜。いろいろと統一して1本化できると、受験準備がラクになるということですね。

 

センター長 そうなんです。入試科目についてはできる限り本命にそろえてください。そして、入試方式も調べましょう! 

 

編集M 入試方式も調べるんですね。入試方式って、特に私立大ではバラエティ豊かですよね。

 

センター長 ええ。それだけ受験生にとっては併願のチャンスが増えている、ということなんです。だからその大学の入試方式を調べることは、併願大選びではとても大事! 

 

センター長 ここで主な入試方式の種類を紹介します。各大学で名称がちょっと違ったりしますが、基本的な内容は同じですよ。

●「共通テスト利用入試」

  私立大が行う、共通テストの得点結果を合否判定に用いる入試制度のこと。

●「全学部統一入試」

 全学部・学科が同じ日に同じ問題を出題する私立大の入試方式。1度の試験で、同じ大学内の複数の学部・学科に出願できる。

●「試験日自由選択制」

 連続する試験日の中から、都合のよい日を自由に選べる入試方式。

●「学外試験会場」

 多くの私立大や一部の国公立大で、全国の主要都市に複数の学外試験会場を設置。近場で受験できる方式。

●「学内併願」

同じ大学の異なる学部・学科を併願する、または同じ大学の同一学部・学科を異なる入試方式で複数回受験する方法のこと。

 

センター長 以上が私立大でよく行われる入試方式です。本命大も併願大も、これらの入試方式を調べてうまく利用すれば、合格のチャンスが増えますよ。

 

編集M ...といっても今初めてこれらの入試方式を知った人には、ピンとこないと思うので、どうチャンスが増えるのか、具体例をお願いします!

 

センター長 例えば、「学部はどこでもいいから、とにかく●●大に行きたい」というケースなら、同じ大学の異なる学部・学科に複数出願できる「全学部統一入試」で受験すれば、1回の試験で複数の学部の合格の可能性が上がります。

 

編集I あと、国公立大が本命の場合、併願の私立大を「共通テスト利用型入試」を選べば、共通テスト対策が併願大対策を兼ねられるので一石二鳥ですよね。

 

センター長 また、「試験日自由選択制」では、本命大やほかの併願大とのスケジュールが被らずに日程を組めるから便利ですよ。

 

編集M なるほどなるほど〜。

 

サポート2 それって無理のない入試スケジューリング??

センター長 さて今スケジュールの話が出ましたが、保護者のかたに次にやっていただきたいのが、「本命大入試で実力を発揮するため」の、無理のないスケジューリングです。

 

編集I それは受験日程の組み方にコツがありそうですね?

 

センター長 ええ、まずは難易度のバランスをチェック!

 

センター長 併願大は、自分の偏差値より3〜5高い「挑戦校」、

偏差値±2程度の「実力相応校」に加えて、

自分の偏差値より3〜5低い「安全校」をバランスよく組み合わせることで、合格の可能性や満足度、安心感が高められます。

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編集I たしかに本命大は今の子どもの実力よりやや上なので、そのほかに実力相応校も安全校も受けて本命大受験の前に一つでも合格をもらっておくと、安心して本命大へ挑めますよね。

 

編集M ちなみに併願大の数はどのくらいが目安でしょう?

 

センター長 難易度のバランスをとって、多くても5〜6校程度までですかね。

 

編集M 5〜6校! 意外と多いのですね。 ・・・実は私、今年はやはりコロナが心配で。感染のリスクを減らすために、併願大の受験日数を減らせる方法はないかってちょっと考え始めていたところでした。

 

センター長 なるほど、そうですよね。進研模試の志望動向を見ると、昨年より併願大の数はたしかに減っています。感染リスクを避けるために、1回の試験で複数受験できる「共通テスト利用型入試」や「全学部統一入試」の希望者が増えるのではないかと、私も予想しているんです。

 

編集I ところで、入試のスケジュールは、あまり立て続けに、詰め込みすぎるのもよくないですよね。

 

センター長 ええ。肝心の本命大入試のときにクタクタになるのは本末転倒です。入試日は連日にならないように、連日になるとしても最大3日連続ぐらいに抑えたいものですね。もちろん、地方から上京されて1回に多くの大学の受験をしておきたいご家庭もあるかと思います。その際も、中1日はお休みが取れるように組んでください。

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センター長 また、前述の「共通テスト利用入試」や1回で複数学部に出願できる「全学部統一入試」、地元から遠い大学を地元で受験できる「学外試験会場」などを利用すれば、精神的、体力的負担も軽くできますよ。

 

編集M なるほど、受験生に優しいスケジューリングのためにも、入試方式のチェックは大事ですね!

 

サポート3 ムダな費用が発生してない?

センター長 さて最後はお金の準備。お金の準備は、サポートではなく全面的に保護者の役割ですね。今回は、無駄な費用をかけないために知っておきたい知識を紹介します。

 

センター長 まず原則、併願大は入試日ばかりでなく、入学手続き締め切り日も一緒にチェックしておくとよいでしょう。

 

センター長 本命大の合格発表前に、併願大の入学手続き締切日がくると、併願大の入学金を納めなくてはなりません。

 

編集I そうなんですよね〜。併願大に払った入学金って、そのあと無事に本命大に合格しても、一部または全額は戻ってこないことが多いんですよね...。なんだかもったいない気が...。

 

センター長 ですので、併願大の入学手続きの締切日が本命大の合格発表後になる場合は、再検討するか、そのスケジュールを組まないか、を考えるのが費用面ではおすすめです。これはお子さまの志望意向もあるので、ちょうどうまく調整できれば...の話ですけどね。

 

センター長 また大学によっては、複数学部・学科の併願で受験料を割引したり、Web出願だと割引料金が適用されたりするケースもあります。

 

編集M よく考えて併願大受験計画を立てなくては!

 

センター長 それと併願大が決まったら、受験のための宿泊の予約や、交通費の下調べも、早めにしたほうがよいです。遠方の受験は、交通費や宿泊費の負担も大きいですから。

 

編集M 各大学生協が行っている受験生応援宿泊パックや、旅行会社が企画している受験のお得なプランなど、早めに調べて予約しておくとよさそうですよね。

 

編集I そうそう、受験前ぎりぎりだとお得なパックが売り切れてたとか、試験会場の近くのホテルがとれず苦労したっていう話も聞いたことがありますね。

 

センター長 最近は直前までキャンセル料がかからない宿泊施設も増えていますね。そういうところを調べて、共通テストの結果を待たずに出願と同時に仮予約してもよいでしょう。お得なパックを利用する場合でもキャンセル料がかかるものだと、結局受験しないことになった時にソンになるので、注意しましょう。

 


まとめ

いかがだったでしょうか。

併願大選びは時間がかかるため、本命大をめざして受験勉強に集中したいお子さまにとっては、なかなか大変なことですよね。

もしお子さまが時間がなくて焦っているのであれば、入試科目のチェックや入試方式などの情報収集、スケジューリングなどのサポートを申し出てあげてください。なお、ベネッセのWebサイト「マナビジョン」では、全国の大学・短大・専門学校を様々な条件から検索できるので、本命大はもちろん併願大選びに是非ご利用ください。

Benesseのサイト マナビジョン

https://manabi.benesse.ne.jp/daigaku/

  
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