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保護者だから知っておきたい! 大学・学部選びの落とし穴

時間のある高1・高2のうちに志望大・学部を考えておくことが、お子さまの進学後の後悔を防ぎます。落とし穴にはまらない方法を、お子さまを支える保護者の方も知っておきましょう。

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大学生が語る! 大学・学部選びではまりがちな3つの落とし穴

まずは、高校生がはまりがちな落とし穴とはどんなものなのか、「ゼミ」の先輩大学生の体験談から見ていきましょう。

落とし穴1 詳しく調べず、思い込みで決める

数学の教師になりたくて数学科を選びました。

実際に大学で学んでいくうちに、「応用数学」を深く学びたいと思うようになりました。

ただ、進学した大学では応用数学を専門に研究している先生がいませんでした。

数学科でどんな学問が学べるのか、内容をもっと詳しく調べておけばよかったと思いました。

(国立大・理学部・数学科 E.F先輩)

 

落とし穴2 自己理解が十分でないまま選ぶ

医療関係の職業に就きたいと思っていましたが、病院で働く職業はたくさんありますし、その多くは国家資格取得が必要です。

自分にどれが合っているかがわからず、とても悩みました。

(国立大・医薬保健学域・保健学類 H.M先輩)

 

落とし穴3 「大学」ばかりに気をとられ、その先のことを考えていない

まったく興味のない学部を選んでまで国立大学にこだわるべきではなかったと思います。

興味のない勉強はつまらないし通う意欲もなくなり、私生活も充実しなくなります。

(国立大・地域養育文化学部・地域教育文化学科 M.S先輩)

大学生の体験談からわかるように大学・学部選びの後悔は「大学・学部をイメージだけで選んだ」「卒業後のことまで考えきれてなかった」といったものがほとんどです。

では、お子さまがこうした落とし穴にはまらないようにするにはどうしたらいいでしょうか?

大学・学部選びの落とし穴を上手に回避する方法1 大学の学問の多様性を知り、興味・関心を深める

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大学で学べる学問は、高校で学ぶ教科・科目よりも多様です。たくさんの学問から興味・関心に合ったものを選ぶことで、後悔のない大学生活を送ることができます。

 

1)学部→学科→専攻・コースと興味・関心を深める

大学は、学部→学科→専攻・コースと細かく見ていくと、そこで学べる学問が違うことがわかります。

例えば、文学部の中には英文学科やドイツ文学科など国別に学科があり、各学科は時代や表現方法などによってさらに専攻やコースに分かれることがあります。

これは理学部や工学部などの理系学部でも同じです。

お子さまが「経済学部を志望している」と話した時、「経済学部でどんなことを勉強したいの? 行きたい学科はある?」と尋ねてみましょう。

お子さまがどれだけ具体的に進路を考えているかがわかるはずです。

 

2)似ている名前の学部・学科に注意

興味・関心に合った学部・学科を探すときに、気をつけたいのが名前のよく似た学部・学科の存在です。

例えば「英文学科」と「英語学科」。英文学科では英語で書かれた小説や詩などを学ぶことが中心になるのに対して、英語学科では英語という言語そのものの研究や英語圏の国々の政治や文化を学ぶことが中心になり、4年間で学べる内容は大きく異なります。

同じような名前の学部・学科に出合ったときは、どんな講義を履修するのかを大学案内などで調べてみましょう。

似た名前の学部・学科でも、どんなことが学べるかを確認・比較することでお子さまはより自分に合った学部・学科を選ぶことができるでしょう。

大学・学部選びの落とし穴を上手に回避する方法2 大学ごとの学び方の違いを知り、「自分」に対する理解を深める

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大学を選ぶとき、高校生の多くは「難易度」と「所在地」を重視しがちですが、大学での「学び方」にも配慮することが大切です。

 

1)「学び方」を大学選びの視点に加える

同じ名前の学部・学科でも大学によって学び方や、得意とする研究領域が異なることが少なくありません。

理論面の勉強に力を入れているところもあれば、実験や実習の時間を多く取り入れているところもあります。

どちらのカリキュラムがよいということではなく、お子さま本人がどのような学び方をしたいかによって、選ぶ大学が変わってくるはずです。

大学案内などで、どんな教授がどんなゼミ、実習を行っているか確認するようにしましょう。

 

2)自分を知り、自分に合った学び方を探す

自分に合った学び方を考えることも重要です。

例えば「子どもが好きだから幼児教育学科を志望する」ケースはよくありますが、幼児教育を学んでいくと「保護者とのコミュニケーション」など子ども以外の要素にもたくさん出合います。

その大学・学部で学ぶために必要な志や能力をどれだけ自分が備えているか、足りない場合はそれを補う努力をしていく覚悟があるのか、お子さま自身が考える必要があります。

「自分に合った学び方」はすぐにわかるものではないからこそ、早くから「どの大学・学部ではどんな学び方をするのか」と考えていくことが大切です。

大学・学部選びの落とし穴を上手に回避する方法3 職業、資格、身につけたい力から「社会」のこれからを考える

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お子さまの大学・学部選択は、大学卒業後の未来をつくるための一歩でもあります。これからの社会はどのように変化していくのか、その中で何をやりたいのかをお子さまが考えることも大切なことなのです。

 

1)変化していく社会の中では、仕事を通したやりがいを考えることが重要

「AI(人工知能)の発達で、現在ある職業の半数が将来消滅する」という未来予測を聞いたことはあるでしょうか?

お子さまが社会に出るとき、どの職業がなくなっているか正確に予測することは不可能です。

しかし、保護者の方が過去10年の身の回りの変化を振り返っても明らかなように、これからの10年で社会は変化していくことは容易に想像できるはずです。

「これからもあり続ける職業」がだれにもわからない今、職業が変わっても自分が追い求めたいこと、仕事を通したやりがいを考えることが重要です。

 

2)「やりがい」を軸にすることで、将来の選択の幅が広がる

保護者の方がお子さまに将来やりたいことを聞くとき、職業名だけではなく、その先にある「やりがい」「社会とのかかわり」まで聞いてみることをお勧めします。

例えばお子さまから「新しいものをつくって人々を喜ばせたい」といった言葉が出たとき、そこにつながる進路は一つの職業に縛られなくなります。

変化の大きな社会では、職業にこだわらず「何をしたいか」を軸にすることで、将来の選択の幅が広がります。

進路選択は、いろいろな可能性が自分にあることに気づくことなのだと、お子さまに教えてあげてください。


今回は志望大・学部選びではまりがちな落とし穴とその回避方法を紹介しました。

実際に受験する大学・学部を決めるのは高2の秋以降から高3の前半というのが一般的ですが、早めに志望大・学部を絞り込むことができれば、日々の学習のモチベーションにもつながりますし、力をいれるべき教科・科目も見えてきます。

保護者のかたはぜひ、進路を考える雰囲気を家庭に作っていただきたいと思います。

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