• 高3
  • 進路情報

更新日:

【新大学入試の今!】休校明け、今、保護者が絶対知っておくべきこと!

スライド1.png

休校が短かった地域も、長かった地域も、受験生のお子さまは今、思うように進まない受験勉強に焦りや不安を感じているようです。そんななか、子どもに何を言ってあげたらいいのでしょうか? 編集室の高3保護者たちが「進研ゼミ」の進路情報センター長へ質問します!

スライド2png.png

地域ごと、学校ごとに差⁉️
お子さまは今、焦っています

スライド3.png

編集I 休校明けは学校があったりなかったりで、生活のリズムがつくりにくいみたいですね。うちの娘も、今までやれた家庭学習があんまりできないと言っています。

 

編集M のんびりしていたように見えた息子も、学校で友達と休校中の勉強について話したらしく、長い休校中に理科で友達と差がついてしまった! と、急に焦り始めている印象です。

 

センター長 そうですね、GW明けから学校が再開した地域の受験生の声を見ると、「授業が始まり課題も多く出て、なかなか自分の勉強が進められない状況なのに、SNSなどで1日10時間も勉強している休校エリアの受験生の様子を見て焦る!」というリアルなものもありました。

 

編集I ほかにも休校の短かった地域では、「模試を受けたものの、首都圏などの受験生が模試を受けていないこの状況で、判定をどう見ればいいの?」という相談が来ています。

 

編集M つまり今、どちらの立場でも受験生は焦ってるようですね。そして、そんななか、共通テストはどうやら予定通りの日程で行われるとか...?

●総合選抜、学校推薦型選抜を受けるお子さまは要注意!

センター長 

ええ。

6月17日に行われた文部科学省、全国高等学校長協会、大学関係者の協議会で、下記の事項が合意されたようです。

・共通テストの日程は予定通り1月16日・17日に。
・追試日を例年より1週間遅い「本試験の2週間後」に。
追試の対象者は病欠に加え、長期休校で学習の遅れが心配される受験生も対象に含めるが、詳細は今後詰める。本試験と追試の間で得点調整はしない予定。
・総合型選抜は、高3時の活動を評価する時間を確保するため、9月1日としていた出願開始日を9月15日に繰り下げる。
・学校推薦型選抜は、予定通り11月1日から出願開始。
・各大学の一般選抜は予定通り2月1日から実施。追試などの受験機会の確保を要請。
・学習進度に不安を抱える受験生もいるため、一般選抜の出題範囲の縮小などの配慮を各大学に求める。
・第2波などで大学入学時期が4月以降にずれ込む場合、それに応じて入試日程を変更する。

これから発表される文科省からの正式発信で確認してみてくださいね。

ここでポイントを2点お伝えします。
1点目は、総合型選抜のスケジュールが後ろ倒しになることで、例えば総合型選抜の合格発表と学校推薦型選抜の出願が重なる可能性があるため、大学によっては合否が出る前に出願をしておくことが必要になります。あらためて、最新のスケジュールを確認しておくことが重要です。
2点目は、学校推薦型選抜の合格発表と共通テストの日程がこれまでよりも近くなるため、もし学校推薦型選抜で不合格だった場合、気持ちを切り替えて共通テストなど一般選抜の勉強をする期間が例年より短くなる、ということです。

 

編集M なるほど。じゃあ学校推薦型選抜の準備と並行して、一般選抜対策も今から進めていくべきってことでしょうか??

 

センター長 その通りです。特に国公立大の総合型選抜や学校推薦型選抜には共通テストを課す場合もあり、共通テストをはじめとした一般選抜対策を並行していくことが例年以上に重要になってきます。

●学校の課題や補習は、戦略的に利用する!

編集M 一般選抜対策としては、どんなことを保護者は今押さえておくべきですか?

 

センター長 「共通テスト」が予定通りの日程で行われるすると、授業が遅れている場合、その遅れにどう対応していくか?という視点が大事ですね。

 

編集M 子どもは漠然と「遅れてる」と焦っているようなのですが...。

 

センター長 ここで客観的に「遅れ」の内容を分解してみてみましょう。前回もお話ししましたが、共通テストの範囲について国数英は2年生までの授業でほぼ終わっています。ですから休校明けの今は、学校での演習、補習、課題などを通して、2年生までの国数英を定着させて、そこで出てきた苦手をすぐ潰していくなど、戦略的に勉強を進める必要があります。

 

編集I ということは、学校の課題を上手く活用すればいいんでしょうか? 学校の課題に作業的に取り組むのではなく、受験勉強の一環ととらえて高1・高2の範囲の総復習や定着に活用すればいいのでしょうか?

国公立難関大を狙うなら、理社も今から進めておく!

教えて教育センター長3 (1)スライド4.png

センター長 でも、本当に「授業の遅れ」が大変なのは、理科や地歴公民だと私は思います。特に共通テストになり、理系の理科は全範囲を勉強しなくてはならなくなりました。

 

編集M センター試験では、理系の理科は選択問題がありましたよね。共通テストはそういう選択問題がなくなったんでしたけ?

 

センター長 そうなんですよ。コロナと関係なく、例年どおり理科や地歴公民は入試直前まで授業が行われる学校もあります。今年は休校期間が長くなった影響もあり、授業時間の確保に多くの学校が苦慮されています。

そこで重要なのは、①授業を受験勉強の機会として最大限にいかすこと、②その日に習ったことを復習する時間を必ず確保する、ことです。「授業と受験勉強は別」と考える受験生もいますが、授業は受験勉強にとって最も重要な時間です。特に理科や地歴公民は高3生の今、習っていることが出題範囲に含まれます。授業の中で出来る限り理解し、その後の復習を通してあやふやな部分を解消したり、理解を深めるようにしていくことがとても大切です。

理科や地歴公民はこれまでのセンター試験でも平均点に差が出やすいところでした。特に難関国立大を目指す場合、理系なら理科、文系なら地歴公民や理科基礎の「2科目」で得点できましたが、合否にも影響してきますので、今からしっかりと準備を進めていただきたいと思います。

 

編集I 難関大を目指す子は、今から理社もがんばれ!と言いたいところですけど、他にやることも多いので、少なくとも夏からはぜひ本気だしてほしいところですよね。

不安定になっている子どもに、どんな声かけが必要か!?

センター長 ところで保護者のかたに、今、最も気を配っていただきたいのは、メンタルのフォローです。

 

編集I 本当に。地域差はありますが、もともと受験生であることのプレッシャーもあるのに、今年の受験生は「いつも通りではない入試で、今までの成功セオリーが通じないかもしれない」「なのに、いつも通りの授業も受けられていない」という不安でいっぱいなのでは?と胸が痛いです。

 

編集M うちの息子は「共通テストに変わったこと」「コロナのせいで休校があったこと」で受験に失敗してもしょうがないよねー、と冗談交じりに言ったりしてます。そんな子どもに、今どう声かけすべきでしょう?

 

センター長 「共通テスト」に変わるのも、コロナの影響を受けて不安定なのもみんな同じです。今の状況では誰しも当初の計画よりうまく進められていない状況だと思います。今は保護者は、無駄に不安を煽らないことが最も大事。もしお子さんが焦ったり悩んだりしているようであれば、何で困っているのかをじっくり聞いてあげて「何ができていて、何ができていないのか」を客観的な立場から一緒に整理してあげられるとよいと思います。

スライド5.png

編集M ...じつは休校中、息子がのんびりして見えたので、つい危機感をあおろうとして「志望大のランク下げたら?」とか言ってしまいました!

 

センター長 いやいやいや、「志望大のランク下げたら?」はこの時期まだ言っちゃいけないNGワードです。のんびりして見えてもお子さまはちゃんと考えていますよ。やはり今の時点では、本当に行きたい志望大を目指すべきです。現役生は最後まで伸びます。たとえこの先、模試などが返却されても判定ではなく志望大との距離を冷静にみて、どの教科・科目のどの分野を強化すべきか、そのために必要な毎日の勉強は何か、をお子さまと一緒に考えるようにしてみてください。模試の判定が気になるのは十分理解できるのですが、保護者のかたにはとくに一喜一憂せずに、この後の対策を考える方に気持ちを向けていただきたいと思います。

 

編集M そうですよね。つい自分の子だと...

 

編集I そう言えば、休校明け、娘の学校からこんなプリントが届いていました。

教えて教育センター長3 (1)スライド6.png

センター長 よいメッセージですね。お子さまが通われている高校では、今までの先輩の経験を踏まえ、変わる入試の変化を踏まえた進路指導をされています。コロナによる環境変化はあるとはいえ、保護者のかたもお子さまが希望される進路選択をサポートするスタンスで、お子さまには「最後まで伸びるから、目標は高くもって、今やれることをやろうよ!」と声かけしていただきたいですね。


まとめ

いかがだったでしょうか?
休校が短かった地域も、長かった地域も、お子さまは今、不安だったり、焦ったりしているはずです。保護者のかたは一緒に不安になるのではなく「大丈夫。これから必ず伸びるから。今できることを一つずつやろうよ!」と、客観的な視点をもって支えてあげてくださいね。

  
記事一覧に戻る