わが子には希望する大学・学部に進ませてあげたい、と思うのが親心。とはいえ、実際に大学進学となると、避けては通れないのがお金の問題です。学費だけを見ても、国公立か私立か、文系か理系かなど進路によってかなりの差があります。合格してから「こんなにかかるの!?」と慌てないために、在学中に必要な学費の目安はあらかじめ知っておきたいもの。できれば文理選択の時点から、進路を検討する際の材料の1つとして意識しておくと、後々の進路選択がスムーズに進みます。
初年度にかかる学費だけでもこんなに違う!
国立大学の入学料・授業料は、文部科学省令で定められた標準額を踏まえつつ各大学が一定の範囲内でそれぞれ定めることになっていますが、現状では標準額のまま設定されていることが多く、大学・学部間での差はそれほど見られません。
国立・公立大学と比べると、初年度にかかるお金がかなり高額になるのが私立大学。学部系統によっても金額差が大きく、とくに医歯系学部は理系学部と比べても約3.1倍。国立大学と比べると約5.9倍のお金がかかります。
卒業までにかかるお金の総額で考えると、さらに大きな差が!
大学・学部ごとの入学料や授業料、施設整備費などをもとに、それぞれ入学から卒業までにかかる学費を計算すると、大学・学部によっての差はいっそう開きます。
国公立大学だと文理の学費の差はあまりないものの、私立大学では理系学部が文系学部より140万円ほど高いのが現状です。さらに理系学部は大学院まで進学するケースが文系よりも多く、学費面での負担が大きくなる傾向があります。また、国立大学と私立大学の金額差も非常に大きく、文系学部で約155万円、理系学部で約299万円、医歯系ではなんと約2007万円も、私立大学の方が高くなっています。
早めに情報収集をして進路選択の参考に!
「文系より理系の方がお金がかかる」「医学部は学費が高い」など、学費に対するイメージはぼんやりとしか持っていなかった方も多いかもしれませんが、実際の金額の目安を目の当たりにすると、現実感が出てきたのではないでしょうか。
いざ進路決定というタイミングで、お金の面から諦めざるを得ないなどということがなるべくないように、早いうちから情報収集をしておくことが大切です。そのうえで文理選択など早期の段階から、金銭面も含めて進路について家庭内で話し合い、しっかり準備を進めていきましょう。