2021年度国立大入試での英語の資格・検定試験の活用が一般選抜では約2割と公表されたことで、「英語の資格・検定試験は必要なくなった」と思った方もいるのではないでしょうか。「大学入試成績提供システム」の活用延期発表を受けての私立大の入試情報も続々発表されています。英語の資格・検定試験の対策をどうするか、入試に活用する・しないを決める参考として、私立大入試での検定活用のポイントを押さえておきましょう。
私立大では国公立大よりも英語の資格・検定試験でチャンスが広がるケースが多い!
多くの私立大では、従来から推薦入試はもちろん一般入試においても「英語4技能利用入試」(※名称は大学により異なります)として英語の資格・検定を活用した入試方式が実施されていました。この傾向は2021年度以降も継続する見込みです。検定スコアが「出願資格」になったり、「加点」で優遇されたりするほか、特定の資格・検定試験を課すケースも。併願大戦略にも影響するため、気になる大学の英語の資格・検定試験の活用状況はしっかり確認しておきましょう。活用方法は複雑なので、注意が必要です。
■同じ大学でも多様な方式で活用する私立大の例
※2021年度一般選抜予告より
明治大
入試方式・日程により活用有無が異なる。
・学部別入試:商・経営・国際日本で活用。
・全学部入試:農・経営・国際日本・総合数理で活用。
※英語4技能試験を活用しない方式での受験も可能です。
*学部別入試とは学部ごとに日程も問題も異なる入試方式、全学部入試とは一回の受験で複数の学部を併願できる入試方式のことです。(名称、内容は大学により異なります。)
関西大
入試方式により活用方法が異なる。
・資格検定利用入試:法・文・経済・政策創造・人間健康・社会安全学部は出願資格として、外国語学部はみなし得点として活用。
・共通テスト利用入試:文は出願資格と加点、システム理工は出願資格として活用。
■積極的に検定を活用する私立大の例
※2021年度一般選抜予告より
立教大
2021年度入試から文学部を除いて独自の英語試験を実施しない。
英語の資格・検定試験のスコア、または共通テストの英語を独自の換算方式で得点化、他の2科目の得点と合計した3科目の総合点数で合否判定する。
上智大
近年、独自の英語試験が英語・検定試験等の活用に置き換わってきている。
・TEAPスコア利用型(全学統一日程入試):独自の英語試験はなし。TEAPのスコアを得点換算で合否判定に利用。
・学部学科試験・共通テスト併用型:基本的に独自の英語試験はなく共通テストの英語の成績を合否判定に利用。任意で検定試験のスコアを提出するとCEFRレベルごとに得点化して共通テストの英語の成績に加点。
・共通テスト利用型:独自の英語試験はなく共通テストの英語の成績を合否判定に利用。ただしCEFR B2以上の英語検定スコアがある場合は、みなし得点として利用可能。共通テストの英語とみなし得点のいずれか高得点を採用。
私立大志望者は「英語の資格・検定試験」でチャンスを広げましょう
私立大学で活用される英語の資格・検定試験の特徴は下記のようなものです。
□高1・高2で取得したスコアが活用できることが多い。
□大学・学部・入試方式によって活用形態が様々。
□評価対象になるレベルが様々で、多くは最低CEFR B1(英検2級レベル)以上。
□特定の検定試験が指定されている。
□検定スコアがないと受験できない、大きく不利になるケースがある。
気になる大学の検定活用状況は早めに確認しておきましょう。英語4技能の学習や検定対策に取り組むことで合格のチャンスが広がります。
国公立大志望者は「英語の資格・検定試験」を有利に使えるかチェック!
英語の資格・検定試験を活用する大学同士の併願は、効率よく対策ができます。
■1つの検定スコアが第一志望の国立大も併願私立大でも活用できる例
千葉大法政経学部(検定スコアを個別試験の「外国語」得点に換算する)+立教大法学部(検定スコアか共通テストで英語の得点とする)
※いずれも「必須」ではなく「任意」なのでスコアを全く持っていなくても、共通テストを受験していれば出願は可能です。
どちらでも活用できる検定を選んで受検するようにしておくといいですね。
共通テストのリーディング・リスニングの対策にもなるスキルアップを。
入試で使えるかどうかにかかわらず、4技能を意識して学習することは総合的な英語力の伸びにつながります。志望大や将来の進路に合わせて、英語の資格・検定試験を上手に活用しながら英語4技能のスキルアップをめざしていきましょう。
▼国立大・公立大・私立大における英語の資格・検定検定試験の取り扱い状況は下記からご覧いただけます▼
>>「大学入試英語ポータルサイト」<< (文部科学省HP)
※2020年1月21日現在の情報です。大学の入試情報は更新されるため、最新情報は大学のホームページなどで確認してください。