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【お子さまのスマホが危ない!? 3】スマホ世代の高校生に保護者が伝えたいこと

スマホと上手に付き合うための4つの力

デジタル犯罪防止アドバイザーの佐々木成三さんに、スマホをめぐる犯罪やトラブルからお子さまを守るための方法や考え方についてお教えいただくシリーズの最終回。

今回はまとめとして、「スマホ世代の子どもに必要な4つの力」と、「子どもが4つの力を身につけるために保護者にできること」をお話いただきました。

スマホ世代のお子さまに必要な「4つの力」とは?

今の高校生は、幼い頃からインターネットに親しんで育ち、小学校高学年や中学から自分のスマホを持っていた子どもも少なくありません。まさに「スマホ世代」といえるでしょう。

そんなスマホ世代のお子さまに、ぜひ身につけていただきたい「4つの力」があります。

1.直観力

2.コミュニケーション力

3.想像力

4.受容力

1の「直観力」は、何らかの問題に直面した時に、過去の体験や知り得た知識から論理的に状況を判断する力です。適切な判断をするためには、知識や経験が必要になります。

2の「コミュニケーション力は、他者と交流しながらいろいろな価値観に触れる中で身につきます。

3の「想像力」は、「自分がその行動をしたら、その後に何が起こるのか」と考えることを積み重ねて培われます。

4の受容力は、相手の立場になって考え、相手を受け容れる力です。

つまり、1~4の力がバランスよく身についていれば、お子さまは不適切投稿や誹謗中傷、闇バイトへの応募をしたり、ストーカーやアカウント乗っ取りの被害者になったりすることなく、楽しく上手にスマホと付き合っていくことができるのです。

直観力・造像力・受容力・コミュニケーション力

お子さまが「4つの力」を身につけられるように保護者の方ができること

「4つの力」を身につけるには、保護者が日頃からサポートすることが大切です。なぜならお子さまは知識や経験が少ないため、自分で力を高めていくのが難しいからです。

多くの犯罪や事件は、それがスマホを使ったものかどうかに限らず、「教育」によって防げると私は考えています。教育とは、「何が犯罪なのか」「被害に遭わないためにはどんな備えをすればいいか」といった知識を教えることです。

つまり、保護者の方の「教育」(サポート)によって、お子さまは事件やトラブルを避けることができるのです。

では、具体的にどのようなアクションをとったらいいかをご紹介します。

●何気ない会話からネットリテラシーを伝える

スマホをめぐるトラブルの多くは、ネットに流れている情報をうのみにするところから始まります。

しかし、「SNSの中の情報のうち4割はウソ」とも言われるぐらいで、事実ではないものもたくさん含まれています。

お子さまとの会話の中で、「その情報は事実なのか」「別の答えもあるのではないか」「一面的な情報だけですべてを判断しようとしていないか」と疑問を投げかけていきましょう。

失敗は人生の上で必要な経験だと教える

SNSやメールにおいては、ある程度は感情のすれ違いは避けられません。

お子さまがスマホを使っていろいろな人とコミュニケーションをとっていく中で、誤解が生じて人間関係がこじれることもあるでしょう。

しかし、このような失敗を繰り返しながら、お子さまは少しずつコミュニケーション力を身につけていくことができるのです。

「個人を特定される情報を出さない」「SNSではプロフィールを非公開にしない」「フォロー申請に気軽に応じない」などの注意点を守れば、SNSでのやりとりを必要以上に危険視する必要はありません。

仮に何か失敗があっても、大人の保護下にある今なら、お子さまの人生が決定的なダメージを受ける可能性は少ないでしょう。

保護者の方としては不安もあるかもしれませんが、「何かあったらいつでも相談して」と伝えたうえで、お子さまが成長するチャンスを見守ってあげたいものです。

●すぐに答えを教えない

何か知りたいことがあった時に、ネットで検索すればすぐに「答えらしいもの」を見つけることはできます。

その影響もあるのか、子どもはもちろん大人も、考える習慣が薄れてきているように思います。

しかし、考える習慣がないと、お子さまの想像力や受容力は育ちません。その結果、ネット上でトラブルの原因をつくってしまうこともあり得ます。

そこで、お子さまから何か聞かれた時にすぐ答えを教えず、「知りたい!」という気持ちをもって自ら動けるよう促してあげましょう。

保護者のサポートは不可欠

保護者の方もネットリテラシーをアップデートしていきましょう

お子さまを犯罪やトラブルから守るには、保護者の方もスマホに関するリテラシーを日々アップデートしていくことが大切です。お子さまから何か相談された時に対応できるようにしておけば、お子さまも安心してスマホを使うことができます。

必要以上にピリピリせず、お子さまがスマホと付き合うのをゆったり見守ってあげてください。

保護者もアップデートを

佐々木成三

佐々木成三(ささきなるみ)

元埼玉県警察本部刑事部捜査第一課の警部補。現在は一般社団法人スクールポリス理事として活動。著書に『あなたのスマホがとにかく危ない』(祥伝社)、『スマホで子どもが騙される』(青春出版社)など。

スマホで子どもが騙される

【お子さまのスマホが危ない!?】シリーズ 第1弾記事はこちら

【お子さまのスマホが危ない!?】シリーズ 第2弾記事はこちら

  
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