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もしわが子が留学したら...海外での就職活動、進路はどうなる?

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もし仮にお子さまが海外大学に進学したら、その先の就職はどうなるの?ということが気になる方も多いのではないでしょうか。留学先の国で日本人が就職はできるのか、日本に帰国しても就職活動の時期がずれているのではないか...不安に思うポイントはたくさんあるでしょう。

たとえお子さまが海外大で存分に学べたとしても、留学生だからという理由で卒業後に就職がしづらかったり、就職活動で不利になったりするのであれば、保護者としてはその進路を応援していいのか少し考えてしまいますよね。

そこで今回は海外大を卒業した、もしくはすでに就職活動を経験した先輩方の声をもとに、海外大生の就職活動の実態をお届けします。実は、海外と日本では、大学入試と同様に「就職までのアプローチ」もまた、まったく違うようです。彼らのリアルな体験談からは、海外大を卒業すると日本人学生にも豊富な就職チャンスがあり、様々な可能性が広がっていることが見えてきます。


海外大の一般的な「就職活動」事情

就職活動の時期が決まっていない!

まず、日本との最も大きな違いは、海外には明確な「就職活動の時期」がないこと。"同じ学部の同じ学年に在籍している学生は、ほとんど同じ年齢"ということが多い日本の大学では、ある時期にリクルートスーツを着た学生たちが一斉に企業面接に向かう、というイメージがありますが、海外ではあり得ない光景です。

海外の大学は学生の年齢層や進学ルートがバラバラなのが一般的なので、必然的にそれぞれが就職活動を行う時期も、入社する時期もバラバラ。大学・学部で「就職活動スタート!」という雰囲気が生まれることはありません。就職活動に決められたやり方はないですし、待っていれば誰かが就職のお膳立てをしてくれるなんてこともありません。

言い換えれば、自分の理想とする仕事に就くために必要な道筋やステップを自ら考え、自ら情報収集をし、自らアクションしていけるということ。自分らしい、自分だけの就職活動ができるのです。

 

就職イベント(キャリアフォーラム)が盛んに行われている!

では、海外の学生たちは、どのように就職に関する情報収集をしているのでしょうか?
日本でも就活時期になると「就職フェア」のようなイベントがありますが、海外では時期を問わず、大学や地域などでかなり頻繁に就職イベント(キャリアフォーラム)が開催されています。学期中や長期休みの間に専攻や学部が主催し、複数のゲストや企業を招待してオンキャンパスで行われるイベント・セミナーから、現地の企業や日系企業などが集結する大規模イベント、ベンチャー企業だけが集まるといったような業種を絞ったイベントなど、種類も時期もいろいろ。

事前に参加予定の企業を調べておき、興味がある企業にはネットで予約したり、エントリーシートをダウンロードして用意したりしていくと、その場で面接をしてくれるケースもあります。名門大学の場合、わざわざ企業側から訪ねてきてくれ、そこの学生向けに行われる説明会などもあるようです。

学生たちは自主的に、自分が働きたい分野や、就活の目的に合わせて、いつ、どんなイベントに参加するかを決めていきます。

また、大学にはだいたいキャリアサポートセンターという生徒の進路をサポートしてくれる機関があります。キャリアイベントを開催したり、企業からの募集情報を紹介してくれたり、レジュメ作成のサポートをしてくれることも。学生たちは、うまく活用して、自分に必要な情報を積極的に取りに行くそうです。

  

「インターンシップ」が非常に重要

日本と海外の就職活動のもう1つの大きな違いとして、先輩方の多くが挙げているのが「即戦力が求められる」ということ。日本だと素質のありそうな学生を採用し、入社してから育成するというイメージが強いですが、海外では新卒の学生にもスキルや経験値が求められます。一言でいえば、「その時点ですでに何ができるか」が就職できるかどうかの重要な要素なのです。

そのため、国や地域、職種によって若干の違いはあるものの、「インターンシップ」が就職のカギを握ります。インターンシップとは、企業が学生を数か月間メンバーとして迎え入れ、実際に働いてみる仕組みです。業種・職種に関わらず海外ではごく一般的に行われており、長期の休みを利用したフルタイムのものから、授業を取りながらのパートタイムのもの(都会の企業で多い)まで形態も様々です。

就職を希望する学生は、早ければ1年生の長期休みから、一般的には2、3年生から自分が働きたい業界の企業でインターンシップを始めます。インターンシップは時期に関わらず常に募集していることが多いので、大学や現地の就職サイトなどで情報を集め、自分から応募して参加し、経験を積んでいきます。

インターンシップを通してスキルアップを重ね、企業に認められると、そのままインターン先で採用してもらえることも。そうでない場合は、4年生または卒業生のタイミングでインターンシップの職業経験をアピールしながら就職活動を行います。

あらかじめその企業や業界で働いてから判断できるのは、企業にとっても学生にとってもプラスの面が大。より自分に合った、満足度の高い就職ができます。

 


日本人学生の一般的な卒業後のルートは?

 

大学で学んでいた専攻分野や、目指す職業によっても異なってきますが、一般的にいくつかのパターンに分かれます。

 

★大学院で学位を取得してから就職

学部で学士号を取得した後、大学院に進学して修士または博士号を取得。専門性をしっかり深めたうえで就職を目指すパターン。専攻分野や目指す業界、職種によっては、複数の学位を取得しているほうがキャリア的に有利になるケースも多々あるため、まずは大学院へという日本人学生も多くいます。また、日本ではあまりないパターンですが、いったん企業に就職し、自分に向いている専門分野を詳細に見極めてから大学院に入りなおすといったルートを選択するケースも一般的です。

 

★日本に帰国して就職
◇外資系企業の日本支社
◆グローバルな日本企業

海外大で培った専門性や広い視野、言語力を活かせるような、外資系の金融、コンサルティング、エンジニアなどの仕事に就く人が多いようです。日本企業を選ぶ場合も、海外での事業を展開しているようなグローバル企業を選択する傾向があります。
いずれ海外で働きたいとか、起業してワールドワイドに活躍したいといったような目標を持ちつつも、現地での雇用事情やビザの関係などから、いったん日本で就職して経験を積むことがベストと判断したというケースも少なくありません。

前出の通り、海外でグローバルなスキルを身につけた優秀な留学生を求めて、日本の企業が現地のキャリアフォーラムに参加したり、大学などで説明会を実施したりして、面接まで行ってくれることもよくあります。
長期休みを利用して、日本で長期インターンシップを経験したり、大学のスケジュールや課題等を調整して日本に帰国して企業の面接を受ける学生もいるようです。

 

★海外で就職
◇日系企業または日本企業の海外支社
◆現地の企業

在学中にインターンシップに参加し、そのままインターン先の企業に採用されるケースや、就職したいタイミングでセミナーに参加し、面接などを経て内定をもらうことが多いようです。大学を卒業した後すぐに就職せず、企業のインターンシップから始める学生もいます。

ポイントとしては、海外では日本よりもはるかに大学で学んだことと仕事が密接に結びつく、ということ。学部や専攻によって、応募できるインターンシップ先も限られてくるのが一般的です。
※なお、留学生の場合は就労ビザ取得などの関係で就職先(職種・専門分野など)と学部での専攻や学びの内容が繋がっている必要がある国もあるので要注意です。

 


海外での就職活動で身につく価値観・スキル

 

海外大生の就職活動には、あらかじめ決められたステップもスケジュールもありません。周りの雰囲気に合わせたり、周囲と同じやり方で活動したり、などというタイミングがそもそもないので、「自ら考えて行動」することで就職をつかみ取ります。

もともと海外大生は常に授業や課題でリサーチをしたり、情報を分析してディスカッションをしたり、レポートを書いたりするというプロセスを徹底的に繰り返しているため、自分から動いて情報収集する力、広い視野で物事を見る力、自分で考える力が身についています。

海外ではキャリアフォーラムや説明会など、大学や企業側から情報提供される機会はかなりあるので、自分から取りに行けばいくらでも情報は入ってきます。あとは、自分自身で最適な判断をしてアクションを起こせるかどうか、が勝負。大学生活で培ったスキルが、就職活動を通してさらに磨かれていくと先輩方は語ります。

また、日本と海外の違いとして、ワークライフバランスの有無や働き方を挙げる先輩も。個人の意見や個性が尊重される環境で学生生活を送った留学生は、働きやすさや仕事とプライベートのバランスを重視するようになる傾向があるようです。

 


先輩の海外就活体験談

Lisa I.先輩
 オーストラリア/シドニー大学(The University of Sydney)卒業生

オーストラリアと日本での就職の両方を見据えて、大学2年生の夏頃から就職活動を開始。オーストラリアでは大学のキャリアイベントやセミナーには極力参加しました。日本企業については、海外留学生に企業紹介やキャリアイベントを開催している会社を利用したので、オーストラリアに居ながら日本の企業の面接を受けることができました。

どの国で就職するにしてもコンサル会社で働くことを希望していたのですが、グローバルな経験を積める日本の外資系コンサル会社への就職を決めました。

 

Megu K.先輩
 アメリカ ニューヨーク大学(New York University) 3年生

アメリカではインターンシップが就職の最大の鍵。アメリカは日本と違い、新卒学生にもスキルや経験値が求められ、企業側も3か月のインターンシップで活躍した学生に内定を与える傾向が高いのです。
私の場合は、大学1年生の時から毎年夏休みに日本で長期インターンシップをしたり、授業を取りながらニューヨークの法律事務所や広告代理店などでパートタイムのインターンをしました。こうした経験を活かし、大学4年の12月に日本の外資系の企業からオファーをいただくことができました!

 


まとめ

 

海外大生の先輩たちは、大学で得たスキルや経験値を武器に、多くの選択肢の中から自ら未来を選び取っています。

現地で就職するにしても、日本に帰国して働くにしても、「世界中の企業」の中から自分の意志で選択したという経験が、大きな自信になるようです。

広い視野で、あらゆる選択肢の中から未来を選ぶチャンスを手にできるというのも、海外留学の魅力の1つではないでしょうか?

 

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