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どちらが有利? 国公立大と有名私立大、就職のホンネ

「進研ゼミ高校講座」で提供している情報を、中高一貫校生保護者のかたに先取り情報としてお届けしております。


「個別進路アドバイス」の進路アドバイザーが高校生からよく受ける相談についてお知らせするシリーズ。
今回は、「地元の国公立大と、有名私立大のどちらが就職に有利か」についてです。

大学選択にあたって、就職のことを考えると、「金銭的な面で学費が安く、自宅から通える地元の国公立大が有利になるのか?」「知名度もブランド力もある有名私立大の方が有利になるのか?」と、親子ともに悩んでしまうこともあるのではないでしょうか。
就職時に少しでも有利な方を選択していきたいと思うのはもっともなことです。国公立大の方が...、有名私立大の方が...とまことしやかに語られることもありますが、実際のところをきちんと把握しておきたいですね。


■採用試験で評価されるのは出身大学よりも「その人自身」

地元の国公立大であっても、有名私立大であっても、就職の採用試験では大学名ではなく、「その人自身」の魅力に注目します。そして、大学生活を通じて磨かれてきた「その人自身」の魅力と、企業の求める人材像が合致したときに、採用に至ります。 ですから、地元の国公立大であっても、有名私立大であっても、就職にあたっての有利・不利はないのです。

ただし、どうしても志望大の就職状況が気になる場合は、志望大の卒業後の進路について調べてみると参考になります。大学によっては就職先の企業名の掲載や、地域などについても公表しているところがあります。また、就職の際のサポートやキャリア開発に力を入れているところもあります。特に、就職の際のサポートは、大学によって充実度に大きな差がありますので、下記4つの観点をお子さまと一緒に調べておくことをお勧めします。

①就職状況、就職率 ⇒志望大の就職状況(学部・学科ごとの就職先や就職率など)

②ゼミ・研究室と企業との連携・共同研究 ⇒大学と企業が共同で取り組んでいる研究などの事例

③就職支援の充実度 ⇒大学主催のイベントが、採用試験の時期に応じて開かれているか

④キャリア開発プログラムがあるか ⇒1、2年時から、学生の将来設計を支援するキャリア教育が実施されているか、キャリアカウンセラーや相談員がいるか

このとき、ぜひ知っておいていただきたいこととして、就職率を見たときに、一般に、地元の国公立大の方が地元への就職が多いことがあります。これは、その大学だから採用する、地元だから採用するということではなく、あくまでも地元の大学から受験する人が多いため、合格する人も多いという傾向です。ですから、就職よって有利・不利かだけを考えて志望大を選ぶのではなく、お子さまが大学で学びたいことも含めて総合的に考えるようにしていきましょう。

■国公立大と私立大の違い

国公立大と私立大は、就職については差がなくても、大学受験に視点をうつした時にはそれぞれ違いがあります。 たとえば、国公立大と私立大の一番の大きな違いは、入学後の授業料です。その他にも、受験科目数のほか、私立大では複数の入試方式があるのに比べ、国公立大の受験チャンスは限定されていることなどの違いがあります。

また、費用も授業料だけではなく、見落としがちな生活費についてもしっかりと考えておきましょう。生活費も含めた負担を考えてみると、遠くの国公立大と近くの私立大を比較するとあまり変わらない場合や、私立大の方が少ない場合などもあります。全体的なお金のシミュレーションをしてみることが大切です。

このように、地元の国公立大と有名私立大で就職に有利・不利はありません。ですから、お子さまが大学で何を学びたいのか、授業料や生活費はどれくらいか、どの科目で受験するのかなど、親子でよく話し合ってみましょう。

■大学進学にかかる費用や受験科目などの情報収集は「Benesseマナビジョン」もご活用ください。 http://manabi.benesse.ne.jp/

文:進研ゼミ高校講座 進路アドバイザー 氏川

  
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