【進路相談の現場から】苦手科目の内申点をアップさせるには?

高校入試の代表的な選抜資料と言えば「入学試験の得点」と「内申点(中学校の成績等)」です。中でも内申点は公立高校だけでなく、首都圏であれば私立高校出願の際の重要な資料でもあり、ここははずせないところですね。また、本来の目的である「中学校における学習の成果」をみる資料でもあるので、受験学年のみならず中1・中2の生徒も、そして保護者の方も非常に関心が高いことと思います。今回は、内申点アップの考え方と具体的な対策について解説したいと思います。

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ターゲット(目標)と具体的な取り組みが大切!

保護者の方もご経験があると思いますが、学期の終わりに通知表(中学校の成績表)を渡されるときには、「今回は数学のテストを頑張ったから上がるかな?」「美術は絵がうまく描けなかったから下がっちゃうかも・・」など、期待あり、不安あり、ドキドキの心境ですね。もちろん、結果は見るまでわかりませんが、すべてを「成り行き」に任せるというのも消極的な話です。大事なことは、結果を変えるためにどんなプロセスを構築するかということです。そのためにはまず目標が必要です。

人間だれしも得意なこと・苦手なことがあります。例えば「自分は理科が好きで自信がある」ということであれば、できれば4ではなく5を取りたいという気持ちになるでしょうし、「音楽が苦手だ」というのであれば、それでも3は取りたい、あるいは他の教科はだいたい5が取れているのであれば4が取れたらいいな...と思うわけです。したがって、目標は保護者の方が決めつけるものではなく、お子様がどのような結果を望むのか、よくよく本音を聞いた上で決める必要があります。結果に対して保護者の方が主観的に「良い」「悪い」と評することは簡単ですが、あくまでも主観ですからその価値観をお子様と共有できるとは限りません。どんな目標に対して、どんな取り組みをしたのかが共有されてはじめて結果について話し合えるのです。

昨年度、私が受験相談を担当した生徒で、3年2学期は国語3→4、理科4→5、美術3→4という目標で、各教科の具体的な取り組み項目を決めて9月から3か月間頑張った子がいました。結果は、全教科達成。もちろん、こんなにうまくいくケースは珍しいのですが、

仮に1教科でも上がれば成功だと思います。「内申点アップ」は、何となく毎日を過ごしていて実現できることではなく、目標や具体的な取り組み項目を決めて勉強することが極めて重要と考えます。

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まずは、評定のしくみの理解から

成績を上げたいと思うのであれば、まずはしくみの理解です。中学校では毎日授業やその他の学習活動、また年に数回の定期テストが行われます。これら一つ一つの学習活動の成果をもとに「観点別学習状況の評価(=以下、観点別評価)」がA・B・Cでつけられます。観点は各教科4つ(国語は5つ)ずつあり、各教科の観点別評価を総合して5段階評価(評定)が決まることになります。ここで確認したいのは、評定は定期テストの点数だけで決まるわけではないということです。

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※観点別評価については令和3年度より観点の変更が予定されていますが、ここでは現行の観点に基づいて説明します。

では、学習活動と観点別評価はどのよう関係しているのでしょうか。あくまでも一般的な傾向であり先生によって異なるという前提で説明します。

まず授業中の取り組みや提出物は「関心・意欲・態度」などに大きく影響することが多いようです。どの観点も大事ですが、学ぶ意欲や学ぶ姿勢は学習の基本であり、他の観点にも影響するという意味で、私はこの観点がかなり重要とみています。よく「テストの点数は良いのになかなか評定が上がらない」という話を聞きますが、この観点に関係する活動を見直していく必要があるでしょう。

一方で、「知識・理解」「技能」の観点は、主要5教科(英語・数学・国語・理科・社会)は定期テストで見られることが多いです。ただし、定期テストではさまざまな問題が出題されますので、資料の読み取りや記述の問題などの得点は「思考・判断・表現」の評価になったりするなど、複数の観点に分解されて評価となります。先生によりますが、定期テストの解答用紙には総得点のほかに、「知識・理解...○○点/48点」「技能...○○点/28点」「思考・判断・表現...○○点/24点」などと観点別に分解した得点が記載されていることもありますので参考にしてください。ここで大切なことは、「定期テストが95点だから評定は絶対に5が取れる」といった単純なものではないということです。

【例1】社会科の観点

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苦手な実技教科を攻略し、評定を上げるには?

さて、実技教科についてです。実技教科は「好き・嫌い」「得意・不得意」がはっきり出やすいという傾向があります。しかし、だからといって「自分は絵を描いたり作品をつくったりするのは苦手だからもう美術はどうでもいい」といった姿勢では、学習状況が悪化する可能性もあり、当然評価にも影響します。

【例2】美術の観点

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確かに「実技」と言うくらいですから、歌を歌ったり、絵を描いたり、走ったり...といった実技の能力は観点によっては大きく影響するでしょう。しかし、上の【例2】を見てもわかる通り、観点はそれだけではない。たとえ苦手でも、授業中に一生懸命取り組んだり、作品などの提出物をていねいに仕上げて期限までに提出したりすることは「関心・意欲・態度」の評価につながってくると思われます。また、音楽・美術には「鑑賞の能力」という観点が、保健体育では「運動や健康・安全についての知識・理解」、技術家庭では「生活や技術についての知識・理解」という観点があり、レポート提出・ノート提出や定期テストなどが評価となることも多いです。つまり、苦手でもできることはある、ということなのです。

日々の取り組みの積み重ねが評価される

お子様の観点別評価については、通知表(成績表)に記載されていますのでもう一度確認してみてください。そして、ターゲットの教科と目標を決める。次に具体的な取り組みに落とし込むわけです。

各教科の学習の大きな要素としては、A)授業中の取り組み、(B)提出物、(C)定期テストがあげられます。中でも苦手科目の克服に不可欠なのは(A)と(B)です。

まずは(A)ですが、中学校の授業では実に多くの学習活動をしており、たくさんの教材が使われています。教科書で学習する、ワークの問題に取り組む(ワーク提出ならば(B)にも関わる)、ノートを取る(これもノート提出がありますね)、小テスト(漢字や単語・計算、その他)がある、そして先生が作成されたプリントを使う、さらには発表や発言、個人の場合もありますしチームや班ごとにプレゼンをすることもあります。細かい評価の配点は先生によって異なりますが、授業中に行ったことはすべて評価に含まれると考えておいた方が良いでしょう。また、プリント1枚でも忘れ物をするとその学習活動ができなくなることもあるので、注意が必要です。ふだんからあまり整理整頓が得意でない子はプリントの管理と忘れ物をしないことがカギになります。

次に(B)ですが、まず必ず提出物を出すこと。一つでも未提出があると成績にはかなり影響します。そして期限を守ること。万が一期限が過ぎてしまった場合も、過ぎちゃったからもう提出しない・・よりは提出した方が良いでしょう。提出時の条件・指示を守る(分量・状態・提出のタイミング)ということも大切です。

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学校が始まるタイミングで総点検を

学年の変わり目はお子様の行動を変えるチャンスです。(教科担当の先生が変わることもありますよね)ご家庭でもこの機会に中学校の学習活動の総点検をしてみてはいかがでしょうか。目標を決めて、具体的な取り組み項目を決めて、夏休みまで頑張って欲しいと思います。お子様の成績が1教科でも上がって、親子で気持ちよく夏休みを迎えられることを願ってやみません。


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