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【中学生のココロとカラダ相談室】入試が終わったら羽を伸ばして遊びまくると言っているうちの子。それでいいのでしょうか?

心身ともに成長が著しい一方で、思春期・反抗期でもある中学生。複雑で繊細なこの時期の保護者の方の気がかりに対して専門家がアドバイスします。

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Q.合格発表はまだですが、入試が終わったら羽を伸ばして遊びまくると言っているうちの子。それでいいのでしょうか?

A.入試後の楽しみを目標に、ぜひ入試を乗りきってもらいましょう。だからといって、入試後の予定をなし崩しに何でもOKはせずに、「保留」にしておくのがおすすめ。
そして、ぜひ親子で入試を振り返って総括をしておきましょう。


きっとお子さんは、やりたいことをお預けにして入試に向けて頑張っているのでしょうね。「これが終わったら〇〇するぞ!」と思って目の前のことに取りかかる心理はわるいものではありません。様々な制約から解き放たれて、羽を伸ばしたいという気持ちもよくわかります。そしてそういう目標があるからこそ、今、目の前の入試を頑張れるということもあるでしょう。
保護者の方としては、「遊びまくる」と言われて、これを機に羽を伸ばしすぎてしまったらどうしよう・・・と不安な気持ちになっていらっしゃるのかもしれませんね。でも、入試という緊張状態の日々が終わったら、ゆっくりする必要があります。

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高校入試が終わってすぐに「大学入試に向けて頑張る」と勉強を始めるお子さんがいたら、心理士の私は「それはいけません!」と全力で止めます(笑)
「まずはゆっくりして、終わった入試の振り返りをしてください」というのが私の提案です。輪ゴムは引っ張っているだけだと劣化してダメになりますよね。縮むからこそ伸びられるのです。人も同じで、緊張と弛緩のバランスが崩れると、もう頑張れなくなってしまいます。

ただ、どんなふうに羽を伸ばすかがちょっと問題ですね。時々、耳にするトラブルとして、子どもの側は親から許可がもらえた気になっていたのに、入試後、いざ遊ぶ時になったら、「子どもだけで〇〇するなんてダメ」と反対され、もめるということがあります。こうしたトラブルは、子どもがはっきり言っていないのに言ったつもりになっていたり、子どもがはっきり言っていても親の側がふんふんと軽く聞き流していて、行き違ってしまうことから起こるようです。

行き違いを防ぐために、今からできる対応があります。「入試が終わったら遊びまくる」と言っている子どもに対して、「それは楽しみだね。何したいの?誰と?」などと問いかけてイメージを共有しておくのです。そういう中でお子さんから、「△△に行きたい」とか「●●を買いたい」などと、親の考えとは異なる希望が出てきたら、「ふーん、それについては入試が終わってから話そうね」と言って、はっきり保留を伝えておくのです。
遊ぶのはよいけれど、遊びの内容は入試が終わってから考える、何もかもOKではないよという意思表示をしておくということです。
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「え、ダメなの?」「もう約束しちゃったのに」などと議論が始まりそうな場合には、「まあまあ、それは保留で。ゆっくり話し合いたいからね」として、よいともダメとも言わずに保留にしておくことがおすすめです。親子で意見の合わない話を詰めるには、受験前は適切な時期ではないですからね。

近年、高校入学前に課題を出す学校も増えてきました。入学前の春休みからしっかりやらせようというわけです。入試直前に春休みの課題のことに触れる必要はないですが、合格を手にしたら、課題に取り組む時間の確保も助言しつつ、楽しい時間も取れるように見守りたいところです。そして、忙しい高校生活が始まる前に、入試の振り返りをしておくことをおすすめします。振り返りでは、保護者の方からお子さんのよく頑張っていたところを伝え、認めてあげてください。

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まだまだ頑張りが足りなかったと見える場合でも、親から先にダメ出しをするのではなく、子どもが自ら「もっと頑張れたはず」と言える雰囲気をつくってください。頑張れなかったのはどういう点か、どうしたらもっと頑張れたかなどを子どもが自ら考えられるとよいですね。自分に甘くて、自分はよくやったとしか言わないお子さんであれば、よく頑張ったと認めつつ、「1、2月の頑張りを見ていたら、部活引退後のエンジンがかからなかった時期がもったいなかったなあ」とか、「入試直前は、早めに寝ていたように思うけど、あれは作戦だったの?」などと、親から見えた子どもの姿を伝えてみるのもよいでしょう。

何はともあれ、よく頑張った、お疲れさんだったとねぎらいながら、自分を客観視させつつ、入試の総括をしておくようにしてください。振り返って総括をしておくことが、人生の次の挑戦に必ず役立っていきます。


【アドバイス】

公認心理師・臨床心理士
高木紀子先生

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フォーレカウンセリングセンター所属。中央大学・清泉女子大学非常勤講師。青山学院高等部、都立立川高校といった高校のスクールカウンセラーも務め、小・中学校の巡回相談、園児から高校生までの保護者の相談も請けおう。共著に『親だからできる5つの家庭教育』(ほんの木出版)など。

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