【中学生のココロとカラダ相談室】受験が近くなってきたら「情報交換だ」と、お友達とSNSなどでおしゃべりをするように。その時間が案外長く・・・

心身ともに成長が著しい一方で、思春期・反抗期でもある中学生。複雑で繊細なこの時期の保護者の方の気がかりに対して専門家がアドバイスします。

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Q.受験が近くなってきたら「情報交換だ」と言ってお友達とSNSなどでおしゃべりをするようになりました。その時間が案外長いので気になっています。やめるように言ってもよいものでしょうか?
.友達とのおしゃべりは不安解消の大事な手段です。でも長すぎるのは考えもの。あらかじめ、相手と時間を決めてからおしゃべりを始めるように提案してみてはいかがでしょうか。

受験を身近に感じる時期になると誰でも不安になるものです。神経質になってそれを親にぶつけてくる場合もありますし、別の形で不安を解消しようとする場合もあります。甘える、強がる、反抗的になる、自分はダメそうだと落ち込むなど、さまざまな形で不安を表現し、乗り越えようとするわけです。

心理学では、「不安は親和性を高める」ということがわかっています。シャクターという心理学者の有名な実験があります。
実験の協力者に「これからやる実験は電気ショックがあり痛みを伴う」と伝えた場合と、「電気ショックは痛みを伴わない」と伝えた場合に、実験前の待合室として大部屋を希望するか、個室を希望するかを比べた実験です(実際には電気ショックの実験はなく、待合室を選んだところで実験は終わりという実験デザインでした)。

「電気ショックが痛いと聞いた人は、大部屋の待合室を希望する人が個室を希望する人の2倍いた」という結果が出ています。
一般には個室で待つことを希望する人が多いのですが、「痛みを伴う」ような実験の前には、誰かと一緒にいたいと思うわけです。しかも同じような体験をすることになる人となら、なおさらですね。不安な状況下では、人は誰かと一緒にいたいということがわかります。

こう考えてみると、お友達とのおしゃべりは不安解消の大切な行動だと言えますね。

もちろん、おしゃべりの目的には、わからないところを教え合うとか、「〇〇はやっておいたほうがよい」などの情報交換という側面もあるでしょう。しかし、本当の要件が終わってもお互いに終われない気持ちになっておしゃべりが長引いてしまうことは、不安なこの状況下では大いにあり得ることです。
長引いているなと思ったら、お風呂の時間、ご飯の時間などといった何かうまいきっかけをつくって声をかけて、終われるようにしてはいかがでしょうか。
そして、その直後ではなく改めてお子さんが落ち着いている時に、「受験間近になると友達とのおしゃべりが終われないって『あるある』らしいよ」などと持ちかけて、時間を決めて双方でそれを意識してやり取りするように提案してみてはいかがでしょうか。

お風呂やご飯などと言われて話を打ちきられた直後だと、ちょっとお子さんとしては素直になれないかもしれないので、場を改めてから話し合いをすることをおすすめします。

そろそろおしゃべりを終えなくてはと思っても、相手との関係性を大事にすると、自分の都合だけでは終われないということもあるでしょう。あらかじめルールを決めておくことが、時間を守るだけでなく相手との関係も守ることになります。そのような話をご家庭でしていきながら、上からでなく押しつけでもなく、提案の形でルールづくりができるように伝えてみてください。


【アドバイス】

公認心理師・臨床心理士
高木紀子先生

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フォーレカウンセリングセンター所属。中央大学・清泉女子大学非常勤講師。青山学院高等部、都立立川高校といった高校のスクールカウンセラーも務め、小・中学校の巡回相談、園児から高校生までの保護者の相談も請けおう。共著に『親だからできる5つの家庭教育』(ほんの木出版)など。

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