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【中学生のココロとカラダ相談室】受験間近になり、子どもがちょっとしたことに神経質になってすぐに怒ります

心身ともに成長が著しい一方で、思春期・反抗期でもある中学生。複雑で繊細なこの時期の保護者の方の気がかりに対して専門家がアドバイスします。

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Q.受験間近になり、子どもがちょっとしたことに神経質になってすぐに怒ります。ハンカチのたたみ方がよくなかったとか、お茶にホコリが少し浮かんでいたとか。この時期ならではのこととは思うのですが、どうしたものでしょうか?

.人は不安になると細かいことが気になり、神経質になってしまいがちです。この細かさの中に子どもから親への批判や攻撃を読みとりすぎないようにしてください。
気持ちの背景に不安があると理解してこの時期を乗りきっていきましょう。

受験が近くなり、あるいは受験生でなくても先輩の受験の様子から刺激をもらうなどして、子どもたちの不安が増してくる頃となりました。
受験生なら「受験の本番目前」という緊張感が増す頃ですし、中1・2生でもそんな先輩の様子から、受験をぐっと身近に感じて不安に陥る頃です。

不安を感じる状態というのは、動物的にいうと「身の危険を感じる」ということですから、さらなる危険がやってこないかと神経を張り巡らせて神経質になるという反応が起きて当然です。いつもなら気にならないような小さなことが気になってくるわけです。

ご質問にあるように、ハンカチのたたみ方の端と端が合っていないとか、お茶に少しホコリが入っていたなど、ちょっとしたことが気になってしまうのは割とあることといえます。親としては、今までと同じようにやっているだけなのに、あるいはむしろ気を回しているのに、細かい批判をされて悲しくなってしまいますよね。でも、このような時に、「いったい何なのよ!」とか「じゃあ、全部自分でやりなさい!」と声を荒らげたり突き放したりすることは得策ではありません。実は、保護者の方自身も、よいサポーターであろうとするあまりに、お子さんの反応に敏感になっているのかもしれないことも心に留めておきましょう。

まずは子ども自身が不安な状態にあることを理解し、受けとめることが大切です。あれこれと細かいことを言ってくるのは、その不安を解消しようという努力でもあります。発信することで、気になることを減らして安心したいのです。

時に、責められているような気持ちになってしまうかもしれませんが、子ども自身は不安を解消したいだけなので、被害的に受けとらないことが大事です。
だからといって子どもに向かって、「あなたは不安になっているのね」と言ってしまうのもよくないです。それはその通りかもしれませんが、子どもはそれによって気持ちが楽になる時期ではないですから。

細かいことを言われたら、「そう?ハンカチずれてる?」とか、「あらら、どこからホコリが来たのかしら?」などと、子どもの言うことを承ったよという反応を返せば十分です。もしも親として態度が目に余るということであれば、「あら、〇〇ちゃん、やり直してくれる?」と子ども自身がするように促したり、「もうちょっと優しく言ってね」とたしなめたりしてもいいでしょう。
以前、受験校を決めるギリギリの夜に、「受験校どうする?」と親が声をかけたところ、「は? 今無理」と言われたと相談を受けたことがあります。さすがにそれはちょっと違いますよね。受験生だから、何をしても、言ってもよいわけではないですね。目に余るような時には、「その態度は違うでしょ。〇〇ちゃんの大切な話でしょう?」と正面から注意することも必要です。

子どもが言っているのは「攻撃でも批判でもなく不安なのだ」という文句の背景にある心理をわかってあげながら、子どもが「適切な不安の出し方」を身につけられるように応援しつつ、この時期を乗りきりましょう。多少の細かさは受容して、受験がすべて終わってから、あの時は神経質になっていたね、受験のプレッシャーだったんだねと振り返れる日が来るとよいですね。


【アドバイス】

公認心理師・臨床心理士
高木紀子先生

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フォーレカウンセリングセンター所属。中央大学・清泉女子大学非常勤講師。青山学院高等部、都立立川高校といった高校のスクールカウンセラーも務め、小・中学校の巡回相談、園児から高校生までの保護者の相談も請けおう。共著に『親だからできる5つの家庭教育』(ほんの木出版)など。

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